
サウジアラムコの決算は、最近数週間に相次いで決算を発表した世界のエネルギー関連大手各社と比べ際立つ内容となった。
サウジアラビアの国営石油会社である同社は、業界トップの収益性を維持し、最終利益は167億ドルとなった。エネルギー部門では多くの企業が、これまでにない環境に適応するのに困難な時間を費やしている。
第2四半期に世界が直面したすべての困難にもかかわらず、サウジアラムコはあらゆる面で優れたパフォーマンスを発揮した。
当然のことながら第2四半期は前期に比べ業績は落ち込んだ。石油会社は大幅な損失を計上し、オペレーションや探査の支出を削減している。これは主要なエネルギーインフラ分野への将来の投資にとって決して好ましい状況とは言えない。
4月に原油価格が歴史的な安値を記録し、精製マージンも低迷も続けており、大手各社のほとんどが業績を悪化させているなかで、サウジアラムコの決算が健全さを維持している点は注目に値する。
同社は、石油メジャー5社の合計額を超える純利益を達成し、ここ数ヶ月の異常な事態にもかかわらず、株主への配当計画を維持する見通しだ。
同社は、2019年にアブカイクとフレイスの施設が攻撃を受けた直後にも、生産量を急速に回復させ、あらゆる困難を乗り越え、約束した出荷量を維持してみせたが、今回も当時と同様の回復力を株主に示した形だ。
新型コロナウイルスのパンデミックはエネルギー部門全体に甚大な影響を与えているが、同社は驚異の回復力をもって難局を乗り越えようとしている。マーケット全体が乱高下するなかで同社の株価は非常に安定しており、困難な時期を迎えているエネルギー部門の投資家にとって安心材料になるだろう。
・ファイサル・フェイク氏は、OPECやサウジアラムコに在籍したこともある、エネルギー・石油分野のマーケティング・アドバイザーです。
ツイッター:@faisalfaeq