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イスラエルとパレスチナの紛争に対するサンダースの画期的なアプローチ

31 Oct 2019
リベラルな団体J Streetの演説の中で、中東に対する新しいアプローチを約束した民主党大統領候補のバーニー・サンダース上院議員。(AFP通信)
リベラルな団体J Streetの演説の中で、中東に対する新しいアプローチを約束した民主党大統領候補のバーニー・サンダース上院議員。(AFP通信)

何年にもわたり、親パレスチナ派活動家らは、イスラエル政府がパレスチナ人との和平に向けた努力をすることを条件に、アメリカがイスラエルに大規模な外交援助をするよう要求してきた。今週、民主党の大統領候補で、バーモント州の合衆国上院議員バーニー・サンダースが、2国家共存解決を支持し、パレスチナの指導者の多くとの積極的な対話を行っている穏健派親イスラエル政治主張団体J Streetが主催する会議に登壇した中で、この問題を議論の前面に出し、中心に据えた。

「私はイスラエルが存在する権利だけでなく、平和的に、安全に存在する権利も心から信じています」と、月曜日、サンダースは語った。「しかし、同時に私が信じているのは、パレスチナの人々にも平和的に、安全に暮らす権利があるということです… そして、(ベンジャミン)ネタニヤフ政権は人種主義的だと言うことは、反ユダヤ主義的ではありません」。

イスラエルはパレスチナ人と対話の席に着き、和平交渉をしなければならないと、サンダースは語った。そして、イスラエルの現在の過激な政府を直接批判する形で、アメリカがイスラエルに毎年提供している38億ドルの援助は、人権と民主主義を尊重するという条件付きで提供されるべきだと語った。

「確か軍事援助として38億ドルだったと思いますが、我々がこれを支払う時には、アメリカ合衆国、その納税者、そして国民が人権を信じているのだとイスラエル政府に言う権利が我々にはあります。我々は民主主義を信じているのです。我々は権威主義や人種主義を受け入れず、イスラエル政府はパレスチナの人々と議論の席に着き、全ての当事者にとって上手くいくような合意の交渉を行うよう要求します」とサンダースは語った。「38億ドルは大きなお金です。我々はイスラエル政府に、あるいはこの問題に関してはどんな政府に対しても、白紙委任することはできません。我々には人権と民主主義の尊重を要求する権利があります」。

しかし、サンダースはここで終わらなかった。イスラエルには「経済発展や環境の改善を可能とし、ここの人々に希望を与えるような、ガザにおける根本的な仲裁」が必要だと彼は語った。彼はこう付け加えた:「例えば、ガザで今行われていることは、まさに非人道的です。これは受け入れられません。持続可能ではありません」。

サンダースは、J Streetの会議に、直接、またはビデオ中継で演説した大統領選を争う7人の民主党候補の1人だ。どの候補者も平和を支持する発言をしたが、サンダースは最もはっきりと明確に、パレスチナ人の権利を支持し、イスラエル政府に対して、和平プロセスを台無しにしてきた政策への責任を負わせた。

サウスベンド市長のピート・ブーテジェッジやエリザベス・ウォーレン上院議員も、アメリカの援助を利用してイスラエルをパレスチナ人との和平に向けて突き動かすことを提案したが、明確性に欠けた。ブーテジェッジは、強硬派のネタニヤフ首相が言うように、イスラエルがヨルダン渓谷を併合する計画を進めるのなら、イスラエルに対するアメリカの外交援助を再検証すると発言した。「我々には責任があります… アメリカの納税者のイスラエルに対する支援が、併合などの動きに対する納税者の支援になってしまわないようにする責任です」と、彼は語った。

自分なりの口調で堂々と意見を述べることにより、サンダースはイスラエルの政策に関する議論の筋をより的確なものに変える一助になっている。イスラエルの政策に異議を唱えてきたり、イスラエル政府の行為を批判したりしてきた政治家や活動家の多くは、「反ユダヤ主義者」として非難を受けてきた。しかしサンダースは、ユダヤ人だ。「ユダヤ人であることは、この点では好都合かもしれません。父親の家族がヒトラーに皆殺しにされ、イスラエルで時を過ごした私のことを反ユダヤ主義と呼ぶのは、誰にとっても難しいでしょう」と、サンダースは語った。

極めて多くのパレスチナ人は、特に、ボイコット、投資撤収、制裁(BDS)運動に積極的に参加している人たちは、ネタニヤフ政権やアメリカ・イスラエル公共問題委員会などの他の強硬派団体だけでなく、J Streetにも批判的だ。にもかかわらず、外交官のサエブ・エレカットや、クネセトの議員のアイマン・オデフなどを含む複数のパレスチナ人がJ Streetの会議で発言している。

J Streetやサンダース、今週の会議に出席したパレスチナ人が行っているのは、イスラエルの政策を巡りアメリカで行われている議論の内容を大きく変化させるものだ。ネタニヤフが2度にわたって選挙に勝とうとして失敗して生じた不確実性が広がる中、今ほどイスラエルの反平和的政策に対抗し、変えさせる好機はない。

ベニー・ガンツが率いる新しいより穏健な政党がイスラエルの政権を近く継ぐ可能性は非常に高い。ガンツはそれほど穏健ではないと多くの人が指摘する一方、現実としては、彼はその言葉遣いはあれども、ネタニヤフの強硬路線から離れ、より穏健な路線に向かっているのだ。

サンダースが2020年の大統領選挙に当選すれば、イスラエルに対するアメリカの外交政策にかなりの変化が生じるのは確実だ。彼のアプローチは、オバマ政権の時のように、空虚なレトリックよりも行動を重視するものになるだろう。

しかし、サンダースが勝利しなくても、イスラエルとパレスチナの紛争に「正義」を求める必要性を注ぎ込むという、彼の頑なな決意は、アメリカの政治家がイスラエルにいかに向き合うかについて、政治的な語り口に大きな変化をもたらすことにつながるかもしれない。2020年に勝利しても、負けても、サンダースは、イスラエルとパレスチナを巡る議論を、より的確で、現実的で、公平な議論に変える上で大きな貢献をしたことになるだろう。

レイ・ハナニアは、受賞経験を有する元シカゴ市役所担当の政治記者でコラムニスト。問い合わせは個人ウェブサイトwww.Hanania.comまで。ツイッター:@RayHanania

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