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イスラエル-パレスチナ紛争の土台であるエルサレム

2021年5月7日、イスラエル警察がエルサレム旧市街のアル・アクサモスクでの衝突の際に閃光弾を使用したことに対し、パレスチナ人が対抗した。(ロイター)
2021年5月7日、イスラエル警察がエルサレム旧市街のアル・アクサモスクでの衝突の際に閃光弾を使用したことに対し、パレスチナ人が対抗した。(ロイター)
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14 May 2021 01:05:23 GMT9
14 May 2021 01:05:23 GMT9

ハマスとイスラエルの交戦があったことはともかくとして、先週の出来事から得られた最も重要な点は、エルサレムはパレスチナ-イスラエル紛争の中心であり、今後もそうあり続けるということだ。

政治家だけでなく革命派や過激派さえも、特定の目的のためにエルサレムを避雷針として利用し続けるだろう。しかしそれによってその重要性が減じることはない。マフムード・アッバース・パレスチナ自治政府大統領は、イスラエル人がエルサレム人の参加を拒否していることを利用して、結果が保証できない選挙から逃れたかったのかもしれない。しかしアッバース氏が困難な選挙から逃れるためにエルサレムを利用したというまさにその事実が、パレスチナの政治においてこの聖地がいかに重要な存在であるかを示している。

別の動機で活動していると思われるハマスでさえ、支援の要請に応じざるを得なかった。最初のロケット弾の連射(初めて西エルサレムの郊外にまで届いた)を余儀なくさせたのは、パレスチナ人や彼らの聖地を尊重して対応すること拒否したイスラエル人の挑発行為がかつてないレベルに達したことが要因だった。

イスラエル人は暴力的にアル・アクサモスクに突入した。そこでは敬虔なイスラム教徒が聖なる月であるラマダンの最後の数日を過ごしていた。突入したイスラエル人たちはモスクの神聖さや中にいた信者へほとんど敬意を払わず、包囲され攻撃を受けたパレスチナ人に、誰もいいから助けて欲しいという訴えを起こさせるに至った。真っ先に反応を示したのはイスラエルのパレスチナ市民だった。アブゴッシュ村の近くでイスラエル警察は彼らがエルサレムに入るのを阻止していたが、彼らはエルサレム旧市街への残りの20kmを歩くことを決意した。こうした規制のニュースがネットで広まると、何百人ものパレスチナ人が自家用車に乗り込み、エルサレムへ向かって走り出した。一方、地元のレストランはやってきた人々に断食後のイフタールの食事を無料で提供して団結を示した。

しかし、イスラエル治安部隊の攻撃や、過激な反アラブ派のユダヤ人が旗を振ってエルサレムに来るという扇動活動を完遂させることにイスラエル治安部隊が固執したことで何百人ものパレスチナ人が負傷しており、またしても助けを求める声が上がることとなった。そのため、エルサレム地区でロケット弾の発射が間近だと知らせるサイレンが初めて鳴った。少なくとも一時的にはパワーバランスが変わったかのように見えた出来事だった。イスラエル人は避難場所を求めて逃げ惑い、サイレンは多くの私服警備員が地元の人間であるかのように装ってパレスチナ人を監視していたことを暴露した。事前に旧市街の内外でパレスチナ人の一挙手一投足を監視していた数百台のカメラを壊したのだ。

ハマスのロケット弾を紛争に持ち込んだことが賢明だったのかどうか、また、アル・アクサ及びシェイク・ジャラー地区の両方における、大部分が非武装であるエルサレムの抗議活動から注意を逸らすことができたのかどうかについて必ず議論が行われるだろう。シェイク・ジャラー地区では何十世帯ものパレスチナ人が立ち退くよう脅迫されている。

これに関して議論はあるにせよ、パレスチナ-イスラエル紛争の全体において、エルサレムの都市とそのアラブ人としてのアイデンティティの保護が最も重要な側面であることは疑いの余地はない。アリエル・シャロンが2000年秋にアル・アクサモスクを大胆に訪問した際も、パレスチナ人から同様の反応が起きた。これは暴力的に鎮圧され、何十人もの殉教者が発生した。この行動はアル・アクサ(または第2次)インティファーダと呼ばれるようになる出来事を勃発させた。現在、エルサレムとその重要な場所であるアル・アクサモスクは再び紛争の中心となり、その他すべての活動や抵抗運動を起こす引き金となっている。

イスラエルは自分たちがパレスチナの人々や彼らの聖地に対して暴力的な取り組みをすることでどういう反応が起きる可能性があるかを把握しており、状況を悪化させるモチベーションが何だったのかは不明のままである。イスラエル人、特に政府の樹立に失敗しているベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエル国民の支持を得るために紛争を悪化させることを望んでいるのだろうか? この問題は敬虔なユダヤ人にとっては感情的にも宗教的にも等しく意味を持つものであり、それを彼らの期待通りに処理したことへの感謝として。ネタニヤフ首相は敬虔なユダヤ人ではないが、政治的・宗教的なユダヤ人のグループに政治的に依存しており、国民の共感を得るために、そしておそらく、ネタニヤフ氏やその右派同盟に代わる政府を樹立しようする反対派の試みを狂わせるために、エルサレムとアル・アクサの聖地周辺でこのような劇的な事件を必要としていたのだ。

エルサレムとその最も重要な場所であるアル・アクサモスクが再びその他すべての活動や抵抗運動を起こす引き金となっている。

ダウド・クッターブ

その動機には関係なく、あるいはアッバース氏かハマスかには関係なく、街で唯一の駆け引きはエルサレムの地位やアイデンティティに関するものであり続ける。勇気あるパレスチナ人の若者たちがイスラエルの強力な軍用機に立ち向かい、決意を持って胸を張り、アル・アクサを守ることに成功した。また、逮捕される際にイスラエル人を恐れていないことを示すために笑顔を見せるという新しい流行も発生した。

エルサレムの町はイスラエル人とパレスチナ人の両者が首都であることを主張している。疑問は残る。イスラエル側は他方への衝突を続けることが認められるだろうか。もしくは、パレスチナ人とイスラエル人が都市を共有し、イスラム教徒であれキリスト教徒であれユダヤ教徒であれ、恐怖や脅しを受けることなく住民が平和に生活して祈れるようになる方法が見つかるだろうか。

ダウド・クッターブ氏はエルサレムの住民である。ツイッターアカウント:@daoudkuttab

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