
2017年、サウジアラビアは厳格で野心的な汚職対策委員会を設立した。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が主導し、国内のあらゆる種類の不正取引を一掃することを目指した。
同委員会は広範な汚職撲滅運動を開始し、多数の著名なサウジアラビア人が逮捕された。2019年に任務が終了したとき、同委員会は4000億サウジアラビア・リヤル(1070億ドル)以上を不動産、企業、現金などの資産の形で国庫に返還することができた。
サウジは、関係者の社会的地位や政府機関・民間団体での役職に関係なく、汚職の取り締まりを続けてきた。
取り組みは、国家汚職対策委員会(ナザハ)の設立によって支えられた。高潔さを保ち、透明性を高め、あらゆる形の財政・行政上の違法行為に対処するための組織だ。
ナザハの主な目的は、公共事業契約における財政・行政上の汚職を調査すること、社会的関心事や委員会の管轄下にある事項に関連する運営・維持管理契約を監督すること、そして汚職が絡む契約や、法令に違反して履行された契約に関して法的措置を取ることだ。
摘発された場合や該当する場合には、同委員会は財政・行政上の汚職に関する違反や不正行為を監査機関や調査機関に照会したり、違反した従業員が所属する組織の長に報告したりもする。
さらに、サウジ国内で高潔さを保ち、汚職と闘うための国家戦略が導入された。この戦略は、イスラム教やイスラム法の生活様式、国の当該官庁間の協力など、いくつかの原則に基づいている。
サウジアラビアは国際的にも汚職と闘っており、協定の締結、会議やシンポジウムへの出席、国際協力の推進などを通じて、関連する世界的な取り組みを支援してきた。
重要なことにサウジは、反腐敗法執行機関の情報交換のための世界的な運用ネットワークを構築するためにリヤド・イニシアティブ(GlobEネットワーク)を立ち上げた。
このイニシアティブは、国境をまたぐ汚職犯罪と闘うための、速く、効果的なツールを開発すること、汚職対策当局間の協力を強化すること、反腐敗法執行当局間の情報交換を促進するための安全な世界的プラットフォームの構築することを目的としている。
このイニシアティブは、G20諸国や、インターポール、金融情報の交換の場であるエグモント・グループ、経済協力開発機構、金融活動作業部会、世界銀行、国際通貨基金などの関連のある国際機関と協力して開発された。
間違いなく、地域と世界で汚職と闘うためのサウジの取り組みは十分に認められており、国際的にも注目されている。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)のガーダー・ワーリー事務局長は次のように述べた。「リヤド・イニシアティブは、切望していた運用支援を汚職対策当局に提供するだろう。G20議長国サウジアラビアと、ナザハの我々のパートナーの寛大な支援に感謝している」