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サウジアラビアCOP26に新たな視点をもたらす

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06 Aug 2021 03:08:39 GMT9
06 Aug 2021 03:08:39 GMT9

国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が今年11月にグラスゴーで開催される予定であり、2050年までのネット・ゼロ・エミッション達成に向けて、クリーンエネルギーへの移行を加速させる動きが既に始まっている。

サウジアラビアは世界最大の石油輸出国でありながら、「サウジ・グリーン・イニシアチブ」と「グリーン・ミドルイースト・イニシアティブ」を立ち上げ、COP26に向け気候変動対策を加速させる積極的な取り組みを行っており、開催国らもサウジアラビアの取り組みを歓迎している。

サウジアラビアの「ビジョン2030」では、より多様で持続可能な経済の実現を目指している。昨年のG20議長国であるサウジアラビアは議長任期中、テクノロジーの重要性を強く支持し、温室効果ガス排出量の削減にイノベーションが果たす役割について強調していた。

また、サウジアラビアはすでに、クリーンな炭化水素と再生可能エネルギーの利用に力を入れており、2030年までにエネルギー容量の半分を再生可能エネルギーで発電し、残りをガスで賄うことを約束している。

この目標は、サウジアラビア国内の環境意識を高めるとともに、国際的な協力関係の強化に寄与している。これらはすべて、国の気候変動目標を達成するための重要な要素である。

サウジアラビアは、「ビジョン2030」の重要な目標・戦略の一つとして、効果的でコスト効率の高い「エネルギーミックス」の開発を掲げている。また、サウジアラビアでは再生可能エネルギーを、石油やガスなどの化石燃料と競合するものとしてではなく、それらを補完するものとして期待している。

国際エネルギー機関(IEA)が、2050年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指すためには、今後の化石燃料への投資は必要ないとする200ページに及ぶ報告書を発表し、物議を醸している。これに対しCOP26はどう反応するか、という疑問は残されたままだ。

長期的に見て、化石燃料なしで世界は生き残れるのか?10年間でエネルギーミックスを最小限に変えることにより、2050年には温暖化ガス排出量を実質ゼロにできるのだろうか。

その答えは明確である。エネルギー消費の大部分は化石燃料によるものであり、しかもこの10年間に大きな変化はない。したがって、再生可能エネルギーの割合を急速に拡大しなければ、世界は化石燃料による温暖化ガス排出量の実質ゼロを達成することはできない。これは、短期的に到達するにはまだ難易度が高すぎる。

ファイサル・ファエク氏は、エネルギーと石油のマーケティングアドバイザーである。過去OPECとサウジアラムコに勤務した経験を持つ。

ツイッター:@faisalfaeq

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