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国家汚職防止委員会:外国人投資家に対するサウジアラビアの保証

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07 Aug 2021 08:08:00 GMT9
07 Aug 2021 08:08:00 GMT9

汚職は多くの政府が懸念する問題であり、サウジアラビアにとっても例外ではない。経済的にも社会的にも、深刻な結果をもたらし得るからだ。

国の信用格付けや資本へのアクセスにも影響を与え、適格海外直接投資の流入にも影響を及ぼす。

賄賂や見返りなどのコストが国家プロジェクトに加算されるのであれば、政府の財政に損害を与えることにもなる。

社会レベルでは、汚職が隠れた癌のように浸透し、あらゆる取引段階で事を成就するための通常のやり方として容認されるようになってしまう。

政府は国家予算を平均1兆400億リヤルで賄っているが、隠れた賄賂がその2、3%、つまり毎年250憶リヤルほどに及ぶと推定されており、これは本来ならば社会支出や資本的投資に回せるはずのまとまった額だ。

サウジの現在の汚職防止のための取り組みは、こうした事実を背景としており、当初2007年に、シャリア法、国内法、国際法をまとめ上げ、「高潔性維持と汚職撲滅のための国家戦略」を打ち出した。

2011年に、国家汚職防止委員会(NAZAHA)が設立され、この戦略の履行を監視する国内の主要な規制機関となり、25%以上を国が所有する公共部門の企業をNAZAHAが管轄することになった。完全に独立したサルマン国王直属の機関であり、他の国家機関に対して応じる義務を負わない。

2017年にサルマン国王は、NAZAHAをサポートし政府上層部の汚職を追求する機関として、あらゆる関連省庁のトップから成る最高汚職防止委員会を設立し、この2つの機関が協働して国家利益を守る体制を整えた。

NAZAHAの捜査は、国内に衝撃的な効果をもたらした。捜査中の新たな汚職事件数が公表されるのだが、2020年から現在までの公表回数は約30に及ぶ。

そこには、着服、権力乱用、マネーロンダリング、収賄などの容疑2000件近くが含まれ、高位の公務員やあらゆる職種・社会的地位の民間人の関与があった。

公正な場を導入することで、サウジのビジネス部門には極めて良好な心理効果を及ぼしている。政府の契約を獲得するために中東拠点をリヤドに設立するよう誘致を受ける国際企業にとって、NAZAHAの取り組みは、とりあえず贈収賄に晒されるリスクがないという肯定的な保証になる。

その目的を果たすためにNAZAHAは、現代テクノロジーを駆使して住民たちに働きかけ、監視能力の効果を高めている。汚職事件の通報に関して住民の信頼を得る重要な要素は、通報者の保護であるが、これは、中東では比較的未発達な法的概念だ。

サウジアラビアでは内部告発者は、2018年5月に発令された国王令第41043号で守られており、汚職行為を通報した者には全面的な保護措置がとられる。

サウジ政府は、2015年に会社法国王令M/3を発令し、国内民間企業の潜在的不正行為に関しても広範な監視下に置く措置をとっており、これにより、特定の状況下で汚職があった場合には、株主や会社役員がその責任を個人的に負うことになる。

これらの新たな権限は、サウジアラビアが外国の適格投資家たちにとって十分に規制された魅力的な投資先となり続けるために、サウジ資本市場局とサウジのタダウル証券取引所が行使する。

時として、過度な汚職防止管理が意図しない結果を招くこともある。例えば、国家の巨大プロジェクトを任された大臣や役人が、汚職や収賄の容疑を恐れて事業の開始を拒むことにもなる。

クウェートや、最近ではイラクなど、議会が大臣に対する監視権や追求権を持つ湾岸諸国でこうしたことが起きてきた。その結果として、多くのプロジェクトが遂行されないままであったり、遅れたりした。バランスを見出す必要がある。

中東では、「ワスタ」という言葉をよく耳にする。「中間」や「中庸」を意味するアラビア語から派生した表現で、何かをして欲しい人と、それを提供できる立場の人との間の仲介人や人脈を示唆している。

「ワスタ」の効用が肯定的な場合もあるが、通常は否定的なものとされる。肯定的側面としては、人間同士の繋がりというワスタの社会ネットワーク概念は、多くの文化や宗教で強調される家族や親族の絆に根差していることが多い。例えば、イスラム教の「ウンマ」は、社会秩序としての家族という枠組みの普遍性を強調している。

NAZAHAは、汚職やワスタの否定的側面についての議論がもはやタブーではないことを保証しており、公的部門に委ねられた権限を個人的利益に乱用する行為を根絶する議論もできるようになった。これは、より多くの外国投資家に資金を投じて欲しい国にとっては不可欠なことだ。

  • モハメド・ラマディ博士は元幹部銀行員であり、ダーランにあるキングファハド石油鉱物大学で金融・経済学の教授を務める。
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