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銀行やその他のサービス業務を担うのはロボットか人間か?

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03 Jan 2022 04:01:01 GMT9
03 Jan 2022 04:01:01 GMT9

多くのサービスで人工知能(AI)やロボット工学の応用が著しく進歩している中で、問いが浮上してきている。銀行サービスの未来はロボットの手に委ねられることになるのだろうか? それとも人間が引き続き役割を担うのだろうか?

特にアジアなどでは先端技術を利用することを好む国があり、ロボット工学を選択しているようだ。新韓フィナンシャルがその例だ。韓国最古の2番目に大きい銀行を有しており、窓口係としてバーチャル・ロボットを導入している。新韓は「NEON(ネオン)」というサムスンのAIプログラムを採用した。人間を模したバーチャル・ロボットが微笑みながら言葉と身振りを交えて顧客の質問に答えるのである。

これが未来なのだろうか? それとも特定の文化や社会に特有のことなのだろうか? テクノロジーに精通した「Z世代」を対象とした研究の多くで、この世代の客は物理的な銀行の店舗を訪れるよりもフィンテックやリモート・バンキングを利用すると予想されている。しかし、このようなロボット分野に参入したのは韓国が最初ではない。日本のソフトバンクが2015年に「Pepper(ペッパー)」というロボットを発表した。ペッパーは顧客との対話に利用される初の企業向け商用マシンとしてブランディングされた。

ペッパーは子供のようなサイズとボタンのような形の目を持った姿をしており、人間を不安にさせがちな恐ろしいロボット的な存在感を醸し出すものではなく、多くの客に親しまれる存在となった。ソフトバンクは中東でペッパーの販売促進を継続している。ペッパーを小道具としては解任したところもあるが、世界中の2,000社以上の企業がこのソフトバンクのマシンを採用して客を出迎え、案内し、情報提供させており、若い世代を惹きつける効果的なマーケティング・ツールの1つとなっている。

英国を拠点とする「Engineered Arts(エンジニアド・アーツ)」社も負けておらず、「Ameca(アメカ)」という人型ロボットを開発した。どことなく不気味な、幸せ・困惑・悲しさ・楽しさの表情を備えている。このロボットは現在のところまだ歩くことはできず、エンターテインメントや特別なイベント用にのみ製造されている。

他社はさらに先を行っている。フランスのロボット開発企業「Aldebaran(アルデバラン)」も「NAO(ナオ)」という独自の小型ロボットで参入した。センサー、バンパー、自律移動、タッチスクリーンを搭載している。HSBCは米国で初めてロボットを採用した銀行だ。仕事に飽き飽きした不機嫌な人間の従業員ではなく、ロボットで顧客に口座の開設方法を教え、同時に楽しませている。

しかし疑問は残されている。人型ロボットは効果的なのだろうか? 幾つかの点では、答えはポジティブである。そうしたロボットの中には、複数の職務に渡って銀行やその他のサービス業が行っている業務の形を変え、多くのことを簡単に利用できるようにしているものもある。こうしたロボットを多言語を扱えるようにすることは全般的な楽しみを増すばかりである。しかしロボットの侵入に対する抵抗もある。ロボットの人間らしい思考や感情の能力が人間に不信感や恐怖感を誘発するからだ。そのことはハリウッド映画の「A.I.」や「アイ,ロボット」でうまく例示されている。

AIの進歩に我々は魅了されるが、それとは関係なく人間はやはり人間であり、情報共有や意思決定においては信頼する他の人間と関わることを好むだろう。それに加え、「感情のない」ロボットが客をリスクの高い選択へと誘導する可能性もある。また、自分が思い描いた神のようなイメージでロボットを作ることで人間は道徳や倫理の未知の領域に踏み込もうとしているのだという宗教的な懸念もある。ロボットは人間よりも勤勉に多くのタスクをこなすことができ、人間により多くの時間を与え、人生の他の領域に集中できるようになるのだと主張する人もいるだろう。

こうした不安にもかかわらず、人型ロボット工学の急速な進歩は続いている。「Hanson Robotics(ハンソンロボティックス)」社が開発した人間のようなソフィア(Sophia)もその1つだ。サウジアラビアのNEOMの開会式で初公開され、歴史上初めて法的に人として認められ、サウジアラビアの市民権を与えられたAIとなった。ソフィアだけにとどまらず、NEOMは将来的にさらに発展し、ロボットは多くの活動分野で人間よりも数が増え、高度な製造業、遺伝子工学、医療革新などのような重要な分野で役割を担うようになるだろうと創設者は考えており、こうした分野でAIは既に恩恵をもたらすものであることが証明されている。

こうした状況に直面し、銀行はロボット工学産業の進歩に対して何ができるだろうか? 従業員のスキル向上。より効率的で親しみのあるカスタマー・サービス。一度に複数の仕事をこなすこと。そうしたことが第一歩となるだろう。

  • モハメド・ラマディ博士は元幹部銀行員でダーランのファハド国王石油鉱物大学(King Fahd University of Petroleum and Minerals, Dhahran)の金融・経済学の教授である。
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