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北東アジアの米国の影響力がいくつかの厄介な問題に直面している

12 Dec 2019
米国のドナルド・トランプ大統領、韓国の文在寅大統領(左)、そして日本の安倍晋三首相。(ロイター通信
米国のドナルド・トランプ大統領、韓国の文在寅大統領(左)、そして日本の安倍晋三首相。(ロイター通信

日米韓の関係は、北東アジアの地政学的な理由でリセットされようとしている。中国の軍事的および経済的支配が拡大しつつあることから、米国当局者たちは、米国が自らの影響力を行使する最も重要な方策としてこの地域の政策を非常に重視している。しかし地域の因果関係がある。

トランプ政権は、世界のこの地域にも彼特有のやり方をしようとしている。米政府と北朝鮮との関係が、米政府とこの地域諸国との結びつきに影響を及ぼしながら、主要な動力として作用している。この取り組み姿勢は、北東アジア諸国どうしの関係が変化しているために、それ自体が波及的影響を作り出している。米国の同盟諸国側から見れば新たな立場へと無理強いされており、その同盟諸国間に浮上する不和のために、「アジアへの方向転換」に関する議論がより複雑化しているのだ。

先月末、日本が輸出規制について韓国との交渉を再開すると発表し、韓国は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に留まる決定を下した。韓国は、日本は朝鮮半島統治という過去の遺産にまつわる未解決議論を解決すべく圧力をかけるために輸出規制を課したのだとして、日本を非難した。

そして緊張関係がエスカレートすると、日本は韓国への特定品目の輸出を制限し、韓国を貿易友好国のリストから外した。韓国は日本に対して貿易措置で対抗した後、GSOMIAを離脱するつもりだと発表して緊張関係を最大限に高めた。

トランプ政権は長らく東アジアの2つの同盟国間の亀裂を修復するどころか、互いの敵意を凍結させておくことすらできずにいたのだが、今回、韓国が最終的にGSOMIAを離脱しないと決断したことは、この地域における米国の外交役割が強化される前兆のようにみえた。米国務省も防衛省も日韓の和解を強く推していた。

米政府はGSOMIAを、この地域の米国安全保障構造の一環として強く支持している。日韓は互いに情報を共有することで、北朝鮮のミサイル発射や、中国やロシアの動きについても情報を交換することができる。中国もロシアも周辺海域に足跡を広げつつあり、米国はそれら両国を自らのアジア政策に対する脅威としてとらえている。

GSOMIAは、日韓が共有する多くの安全保障上の問題について、彼らが協力するための重要なツールである。国内に大きな政治的圧力を抱えながらも両国が今回GSOMIAに留まることに同意したのは、つまるところ、現在の安全保障的環境を考えれば、安全保障の懸念のほうが勝利したということだ。

中国とロシアは積極的に反応している。習近平主席は、ロシアのニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記と北京で会談した際に、米国は中国やロシアに内政干渉をしていると非難した。両国のこの地域における政策的関心が一致しつつあるサインである。日韓に敵対関係が生じたことにより、中国とロシアは北東アジアでより緊密に協力しつつある。中国などは、この地域における米国の影響力を削ぐための方法である「良き隣人」政策を強めている。

中国は米国の設置した終末高高度防衛(THAAD)ミサイルシステムにいまだに憤慨している。2016年に韓国に配備され、両国間の大きな障害であり続けているものだ。中国は当初、国内の韓国ビジネスを非公式にボイコットし、韓国へのツアー旅行を禁止することで反応したが、後にそれを解除した。ドナルド・トランプ大統領のやり方を見て、中国は、韓国に対する自らの影響力を増大させるチャンスと見ているのだ。

さらに中国は、特にTHAADシステムや米国のその他のハイテク装備など、防衛費をめぐる韓国と米国との対立を利用することで、自国の米国や日本との関係バランスを変化させようとしている。中国はまた太平洋諸島諸国に対し、台湾との関係を断って中国の香港での活動を支持するよう強く圧力をかけている。米国のアジア同盟諸国との防衛費論争は、その文化的侮辱度のレベルや交渉駆け引きという意味で、欧州や他の諸国とは異なる受け取り方をされている。

日本の安倍晋三総理大臣は今月、韓国の文在寅大統領との3カ国首脳会談で、習主席と会う。ここ何年か毎年開催されている会議で、今年は四川省で実施される。安倍総理が昨年10月に北京を訪れて以来、これは習主席と安倍総理との4回目の会談になる。しかし安倍総理によるその昨年の訪問は、東シナ海の尖閣諸島(釣魚台)の主権問題により関係が緊迫した後の2011年以来、初めてのものであった。

中国は、自国の外交的地位を引き上げるために、近隣諸国と米国との意見の食い違いを利用しようとしているのだ。

セオドア・カラシク博士

 

次に来るのは、米国のミスにより、アジア近隣諸国に対する地位を強めて2020年に突入する中国の能力だ。日米韓の3カ国の関係性は引き続き辛辣となり、それは中国、そしてロシアにとっても、混乱させたりちょっかいを出したりするのに好都合である。とりわけ北朝鮮は、この3カ国関係が内輪もめで壊れることを望む800ポンドのゴリラだ。そしてその指導者である金正恩は、米国との協議で非核化を撤回すると発表するのに先立ち、2カ月を待たずして2度目の象徴的訪問として、白馬に乗って神聖なる白頭山へ登ったところだ。

セオドア・カラシク博士は、ワシントンD.C.で湾岸諸国分析の相談役を務めている。元はランド・コーポレーションの主席政治学研究員として、安全保障問題を研究しながらアラブ首長国連邦に10年住んでいた。ツイッター:@tkarasik

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