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お金が必要なイランは来年壁にぶちあたるのか?

16 Dec 2019
イランの大統領ハッサン・ロウハニが同国の2020年について、2019年12月8日にテヘランでスピーチを行なった。(AFP)
イランの大統領ハッサン・ロウハニが同国の2020年について、2019年12月8日にテヘランでスピーチを行なった。(AFP)
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イランは経済の縮小とアメリカの厳しい制裁の中、ますます差し迫った財政状態に直面している。政権は地域内での軍事的冒険の資金を用意し、民兵グループや代理勢力を支援し、国内の機関を運営するために、喉から手が出るほどお金が欲しい。

政府の年金制度は補助金に大きく依存しており、崩壊の瀬戸際にある。この制度が種々の政府機関の資金をまかなっており、軍隊もその一つだ。最近の国家安全保障会議の書面によると、「(アメリカの制裁の)衝撃は大きく、現在ある18の年金基金のうち、17は赤字である。」

イランの経済状況は持続可能な状態ではなく、リーダーたちが来年、地域内での自分たちの権力が弱まり、あるいは他国内の代理勢力や民兵グループへの何十年にもわたる投資が無に帰するのを、何もせずに見ているとは思えない。神権的リーダーたちは来年は石油輸出だけに頼らずに収入を増やしたいと願っている。

イランのハッサン・ロウハニ大統領は、最近「抵抗のための予算」を発表し、次のように語った。「これは石油への依存を最小限に抑えつつ制裁に対抗するための予算である。これにより、我々は制裁に負けずに国家を運営してい行けることを宣言する。

しかし、問題は政権がどのような手段で必要な収入を得ようとするかである。

歴史的に、イランのリーダーたちは経済的な困難や制裁に直面する度に、財政的な圧迫を国民の多数を占める一般人に転嫁してきた。

結果として、政権はだいたい物価を上げ、増税し、補助金や社会福祉を削減し、インフラ投資を減らすことになる。

インフラ整備や社会福祉の費用を減らすことで、政府の収入はいくらか増加するであろうが、支配者である尊師たちにとって好ましくない反動も生む。このような政策の結果、ほとんどのイラン人、特に中産階級と低所得層の家族にとって、生活状況は著しく低下するであろう。

イランの経済状況は持続可能な状態ではなく、リーダーたちが来年、地域内での自分たちの権力が弱まり、あるいは他国内の代理勢力や民兵グループへの何十年にもわたる投資が無に帰するのを、何もせずに見ているとは思えない。

マジッド・ラフィザデー博士

さらに、同国の失業率とインフレ率は上昇する可能性が高い。それが政権への不平・不満・抵抗を徐々に高め、支配層の聖職者たちの権力掌握を危うくする大規模な抗議活動に向かう環境を醸成するであろう。

より根本的な問題は、増税や補助金削減による増収は不適切なものになるだろうということだ。その理由の一つは、政権の機関や支配層に近い富裕層は、処罰されずに税を逃れ続ける可能性が高いからだ。

面白いことに、イランの新聞ドニャエエクテサドでさえ先週次のように認めている。「現在税収は政府の全収入の30%である。これは非常に低く、しかも多くの高収入の人々が税金を払っていないため、やや不公平な徴収のされ方をしている。」

イランのリーダーたちが収入を増やすために来年使いそうな2つ目の手段は、不正な方法で制裁を回避することだ。闇取引での石油輸出を増やすことや、政権の財政活動を維持するために架空会社を使うことが考えられる。

これらの会社は世界中に拡がっており、表面的には合法的な独立した会社に見える。しかし、実際には政権や、「イスラム革命防衛隊」、あるいは「イマム・ホメイニの指令の執行」という運動により運営されており、政権が制裁を回避するのを助け、収入をもたらしている。

例えば、高名な企業テナントが多く入居するニューヨークの摩天楼に関して、こんな話が暴露された。昨年、ニューヨーク南地区の現役弁護士ジューン・H・キムが、これら企業の家賃がどのようにイランの政権を支えているか暴露したのだ。「テロ支援国家イランを制裁し、孤立させようとこれだけ努力しているのに、(このビルの)所有者はマンハッタンの中心にイラン政府の重要な足場を与えていました。イランはうまいこと経済制裁をすり抜けたのです。」

それでも、アメリカがイランの経済活動を注意深く調査し、イラン政権への経済的・政治的圧力を増しているので、この手法はイラン政権の金銭的要求に応えることはないだろう。

その結果、政権は他国政府に借金を申し込む可能性が高い。シリアを始め、イランの友好国の多くも財政危機に瀕している。テヘランの政府は中国やロシアから借金をしようとするであろう。先日イランのエネルギー相レザ・アルダカニアンが、5百万ドルの借金を求めてロシアの同職者アレクサンドル・ノヴァクと会談した。しかし、この手法ではイランの経済危機には対応できないだろう。

要は、イランの政権は来年に向け適正な収入を生む選択肢がなくなっている。人々に増税を課すことや、インフラ投資を削減することは、政権への不満を増幅するだけだろう。

 マジッド・ラフィザデー博士はハーヴァード大学で教育を受けたイラン系アメリカ人の政治科学者。イランとアメリカの国際政策の代表的な専門家であり、実業家であり、国際アメリカ会議の代表でもある。ツイッター:@Dr_Rafizadeh

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