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イスラエルによる殺戮は、パレスチナ人の抵抗を抑え込めない

ベツレヘムの南、アル・カダーの町で、イスラエル軍に射殺されたムハンマド・アリ・ゴネイム氏の葬儀に参列するパレスチナ人たち。(AFP)
ベツレヘムの南、アル・カダーの町で、イスラエル軍に射殺されたムハンマド・アリ・ゴネイム氏の葬儀に参列するパレスチナ人たち。(AFP)
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14 Apr 2022 08:04:36 GMT9
14 Apr 2022 08:04:36 GMT9

イスラエルは現在、いわゆるグリーンライン(1949年停戦ライン)内で少なくとも11人のイスラエル人が死亡した一連のパレスチナ人襲撃事件を受け、緊張状態にある。パレスチナの若者たちが、占領下のヨルダン川西岸地区からイスラエルに侵入し、一般のイスラエル人に恐怖と混乱をもたらしたこの事件は、数十年来続いてきた紛争の分岐点となっている。イスラエルの牙城はここ数週間で、ますます脆くなっているように見えるが、それは占領軍が激しい弾圧の手を休めているからではない。

クネセト(議会)において、もともと危うい状態で保持していた過半数を失ったばかりのナフタリ・ベネット連立政権は焦りを覚えている。面目を保つため、この極右の首相は治安部隊に、特に単独犯のうち少なくとも2人の出身地であるジェニンにおいて、パレスチナ人制圧のために必要な、あらゆる力を行使する許可を与えた。日曜日から月曜日にかけて、イスラエル占領軍は、2人の女性を含む少なくとも4人のパレスチナ人を殺害した。1人は明らかに冷酷な意志を持って殺害されている。

さらに、イスラエルは、約1万4千人が住み、反抗と抵抗の象徴となっているジェニン難民キャンプを、20年前に起こったことの再現として襲撃すると脅している。当時イスラエル軍は、少なくとも52人のパレスチナ人を殺害し、難民キャンプを広範囲にわたって破壊することになった大規模な軍事作戦を開始する前、何日にもわたり同地区を包囲していた。

これが単に、過去数週間に起こった事件に対する反応だと考えるのは、浅はかで軽率だ。何百万人ものパレスチナ人が、何十年にもわたって植民地支配のもとで生活している。歴代のイスラエル政府は、土地の全面的な収用と入植地拡張の意志を脈々と受け継ぎ、パレスチナの土地を奪うためにさらなる不法入植者を送り込み、村や町を分断し、一方では子どもや女性を含む数千人を逮捕し、占領者に抗議する勇気のある若い男女百人を即処刑してきたのである。

ここ数カ月、過激なユダヤ人入植者たちは、軍の保護下において、平和な村を攻撃し、車や家に放火し、オリーブの木を根こそぎにすることを許されている。西側諸国はパレスチナのテロをすぐに非難する一方で、イスラエルが犯した戦争犯罪には恥ずべき沈黙を貫いている。ガザ地区の人々は、15年にわたる違法な包囲網の下、国連の調査員の到着を待ち続けている。彼らは最近の戦争で失った大切な人々のために正義を望んでいる。

単独犯による新たな攻撃の波は、絶望感を増大させるものであり、何万人もの若いパレスチナ人が希望を失いつつあることの表れである。イスラエルの暴力を伴う反応はこれまでもうまく機能しておらず、今回も間違いなく失敗するだろう。イスラエル兵が行っているように見える殺戮の嵐は、イスラエルの政治家が望む平和と静寂をもたらすことはないだろう。

和平プロセスが崩壊して以来、イスラエルはパレスチナの抵抗に対して一つの答えしか持っていない。それは、過激な武力行使と、新たな形の「連座刑」の実行である。このような政策がパレスチナ人の支配に成功したことはなく、イスラエルに一時的な静寂をもたらしたに過ぎない。しかし、現実に今、両者は重大な岐路に立たされている。道のひとつは明らかに、新たな暴力の連鎖に続いている。

パレスチナ人の怒りと絶望を高めている要因は、少なくとも四つある。

第一には、パレスチナ人の代表としてのパレスチナ自治政府の信頼性が完全に失われたことである。この政府はすべての面で失敗し、政治的破綻だけでなく財政破綻の危機に瀕している。オスロ合意で残ったのは安全保障の調整だけであり、パレスチナ人はこれを自分たちの主権の正当性を汚す負債とみなしている。

第二に、イスラエルの最終目的はパレスチナの土地を可能な限り植民地化し、解放と自決の道を閉ざすことであるという認識である。

第三に、何百万人ものパレスチナの若者の間で高まっているフラストレーションである。これは彼らをさらなる過激主義へと駆り立て、力のみがイスラエルの現在の軌道を変えさせることができるという信念を持たせている。

そして第四に、世界は決してイスラエルの犯罪や国際法違反の責任を問わないだろうという確信である。パレスチナ人は、自分たちの状況は自分たちの力で、どんな犠牲を払ってでも変化を成し遂げなければならないと確信している。

現実に今、両者は重大な岐路に立たされている。道のひとつは明らかに、新たな暴力の連鎖に続いている。

オサマ・アル=シャリフ

希望の光は見えている。欧米諸国がイスラエルの占領とパレスチナ人に対する日々の残虐行為を無視し続ける一方で、世界の世論がイスラエルの占領軍としての、そしてアパルトヘイト国家としての犯罪に気づきつつあるのだ。これは、主流メディアとは異なる物語を提供するソーシャルメディア・プラットフォームのおかげである。日曜日にベツレヘム近くのイスラエルの検問所で起きた、半盲で未亡人の6児の母、ガディール・サバティン氏に対する冷酷な殺人は、動画に収められ、ソーシャルメディアでトレンドとなり、何千もリツイートされた。

イスラエルの指導者たちは、力だけでパレスチナの抵抗を押しとどめ、彼らの数十年にわたる解放のための闘いを無実化することができると信じている。しかし、その考えが間違っていることは何度も証明されてきた。ジェニンにおける殺戮が、パレスチナ人の正当な大義を葬り去ることはないだろう。世界は変化しており、一極集中の現実は衰退しつつある。間もなく、イスラエルは新しい世界構造に直面することになる。イスラエルのパレスチナ人弾圧に対する際の西側のダブルスタンダードが露呈し、もはや擁護や正当化が困難になってきているのだ。

  • オサマ・アル=シャリフ氏は、アンマンを拠点にジャーナリストおよび政治コメンテーターとして活動している。Twitter: @plato010
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