ワシントン:バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収に反対姿勢を示したことに関し、国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は15日の記者会見で、「われわれが築き、今後も続けていく日本との素晴らしい関係を何一つ損なうものではない」と述べた。
バイデン大統領は14日、「国内で所有、運営される米企業であり続けることが不可欠だ」と、日鉄による買収に厳しい態度を示した。カービー氏は「日本は世界で最も強力な同盟国の一つだ」と指摘。4月の岸田文雄首相の訪米で「その力と約束は『満開』を迎える」と語り、日米間の連携に水を差すことはないと強調した。
USスチールが本社を置く東部ペンシルベニア州は、11月の大統領選の結果を左右する激戦州の一つ。バイデン氏と再戦を控えるトランプ前大統領は「買収阻止」にたびたび言及し、政治争点と化している。
ジャンピエール大統領報道官は15日の会見で、バイデン政権が製造業の雇用創出に取り組んだ実績をアピール。「大統領は米国民を最優先することに焦点を当てている」と語った。
時事通信