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イランの次期最高指導者がその時を待つ

2021年6月15日、イランの首都テヘランで行われた選挙集会で演説する大統領候補イブラヒム・ライシ師。(ロイター)
2021年6月15日、イランの首都テヘランで行われた選挙集会で演説する大統領候補イブラヒム・ライシ師。(ロイター)
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22 Apr 2022 06:04:04 GMT9
Majid Rafizadeh
22 Apr 2022 06:04:04 GMT9

いくつかの兆候が、イランの次期最高指導者にイブラヒム・ライシ大統領が選出される可能性が高いことを示している。

現最高指導者(アヤトラ)アリ・ハメネイ師の手口は常に、国の政治的・経済的問題の責任を、政治的スペクトルを超えて歴代大統領に向けることに集約されてきた。他の高官を非難することで、ハメネイ師は説明責任と遂行責任から逃れようとしているのだ。いわゆる穏健派のハサン・ロウハーニー氏、改革派のモハンマド・ハータミー氏、強硬派のマフムード・アフマディネジャド氏ら、前大統領がその対象となってきた。

しかし、ハメネイ師はライシ師に関しては異なるアプローチをとっている。ロウハーニー大統領時代の核交渉を頻繁に批判していたハメネイ師が、最近、強硬派政権との会談でライシ師を支持したのは意外な動きだった。

ハメネイ師は、ライシ政権の努力は「誠実で勤勉」であり、核交渉は「適切に進んでいる」と発言した。また、「これまでのところ、我々の交渉団は相手の過剰な要求を前に抵抗している。神のご意志により、その抵抗は続くだろう」とも述べた。

「疑惑や悲観論ではなく、また何度も言うように、それが現場の能力を弱め、国民を失望させない限りは、彼らのパフォーマンスを批判し、評論することは何も悪いことではない」

核協議以外でも、このイランの最高指導者は他の分野でもライシ師を評価している。司法長官らとの会談で、ハメネイ師はこう述べた。「ライシ師は、我々が常に提唱する、『良い結果を得るために日夜努力』している聖戦運動の顕著な例であった」

さらに、ハメネイ師は、ライシ師が「司法に対する国民の希望を蘇らせた。これは、この国にとって大きな社会的富となる……我々は、サイード・イブラヒム・ライシ師がイラン最高裁長官だった2年以上の間の、その不断の努力を称えなければならない」と付け加えた。

数年前から、政権がライシ師をイランの次期最高指導者に育てようとしていることは指摘されていた。

例えば、ライシ師は2017年に大統領選に出馬し、政権は彼が勝つことを期待していた。しかし、この神権体制はいくつかの間違いを犯している。上院にあたる監督者評議会は、ロウハーニー政権の経済運営の失敗や、同大統領が人々の社会的、政治的、宗教的自由を改善するという選挙公約を達成できなかったことから、国民が彼の続投を支持する可能性は低いと考えたのか、この穏健派候補の出馬を承認した。

多くの一般イラン国民にとって、大統領選挙は、悪いか、より悪いほうか、の選択であった。その結果、彼らは強硬派のライシ師を勝たせないために、いわゆる穏健派のロウハーニー氏に票を入れた。ロウハーニー氏は、ライシ師の38.5%に対し、57%の票を獲得し、大差で勝利した。

次の選挙では、政権は教訓を生かし、監督者評議会は「すべての候補者は40歳から70歳までで、少なくとも修士号またはそれに相当する学位を持ち、管理職として少なくとも4年の職務経験があり、犯罪歴がないこと」と発表するなど、多くの制限を設けた。監督者評議会は、ライシ師の大統領就任を妨げる障害を取り除くために、アリー・ラリジャニ氏のような政権トップの重鎮でさえ候補失格とした。

注目すべきは、ライシ師が、このイスラム共和国が次期最高指導者に求める人物像に合致していることだ。

ライシ師の政策は、イスラム革命防衛隊(IRGC)とその精鋭部隊であるコドス部隊の政策に合致している。彼はおそらく、国内と地域でIRGCがより大きな力を振るうことを認めるだろう。

マジッド・ラフィザデ博士

第一に、彼は残忍な力を行使し、反対勢力や政権に立ち向かう人々を取り締まることにためらいがない。例えば、テヘラン副検察官時代には、世界最大級の大量処刑に関与した。

米国の超党派の議会決議は最近、子どもや妊婦を含む数千人が処刑されたこの大虐殺の範囲と、その性質を取り上げている。同決議によれば、「1988年の4カ月間に、イラン・イスラム共和国政府は、数千人の政治犯と多くの無関係な政治団体に対する、野蛮な大量処刑を行った。NGO団体イラン人権ドキュメンテーション・センターの報告によれば、この虐殺は当時の最高指導者ホメイニ師が出した宗教上の命令、ファトワに従って行われた」とあり、処刑は主に反対派であるイラン国民抵抗評議会のメンバーが標的となった。

第二に、ライシ師の政策は、イスラム革命防衛隊(IRGC)とその精鋭部隊であるコドス部隊の政策に合致している。彼はおそらく、国内と地域でIRGCがより大きな力を振るうことを認めるだろう。

まとめると、ライシ師はハメネイとIRGCの幹部によって、イランの次期最高指導者に選ばれた可能性が高いということである。

  • マジッド・ラフィザデ博士は、ハーバード大学で学んだイラン系アメリカ人の政治学者である。ツイッター : @Dr_Rafizadeh
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