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サウジはバイデン大統領の訪問に何を望むのか?

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17 Jun 2022 01:06:51 GMT9
17 Jun 2022 01:06:51 GMT9

ついに歯車が動き出した。サウジアラビアとアメリカの関係がどん底に達した時から約1年半近くの時を経て、選挙戦の熱気の中でサウジアラビアを「のけ者」にすると公約したジョー・バイデンが、サルマン国王の招待に応じて国賓訪問を行うことになったのだ。バイデン大統領は2日間の滞在中、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子やその他の高官とも面会する予定だ。

世界の指導者たちが対話をすることは、しないよりも良いに決まっている。たとえそれが、それぞれの違いに関してであっても。まして、80年近い歴史と重層的で実りあるパートナーシップを背景に、相互に達成すべき地域目標があるのだから。さらに、2017年の前任者ドナルド・トランプ大統領の訪日時に湾岸協力理事会(GCC)・アラブ・イスラム首脳会議が3回開催されたように、バイデン氏の訪問に合わせ、GCCにイラク・ヨルダン・エジプトを加えた首脳会議をサウジアラビアが指先一つで招集できるという恩恵を、バイデン大統領は受けられるだろう。これは、アラブとイスラム世界の心臓部にあたるサウジアラビアが、近隣諸国から得る信頼と広範囲な影響力の一例に過ぎない。

米国政府は、大統領の訪問は単に石油について話すためだけではないと言い張るかもしれないが、実際はそうであることは間違いない。しかし、米国内外でエネルギー価格が史上最高値を更新している時に、世界の石油市場において最も影響力のある同盟国を大統領が訪問するのになぜこれほど時間がかかったのかは、やはり理解しがたい。

その一方で誰もが気になるのは、「サウジは今回の訪問で何を望むのか」ということだ。

エネルギー以外にも、他の重要なトピックが議題に上ると聞いている。地域の安定に向けた今後の協力、世界の食料安全保障、気候変動、相互の投資機会、さらには宇宙開発まで、多岐に渡る。

両国の関係における戦略的利益と大きな可能性については、私よりも政府関係者の方が適切なコメントをすることができる。しかし私はオブザーバーとして、また、多くのアメリカの価値観を信じながら育ち、イラクやアフガニスタン、そして最近ではここサウジアラビアでアメリカがそうした価値観を放棄するのを目撃した、その他多くのサウジアラビア人のために話したい。

エネルギー以外にも、地域の安定、世界の食料安全保障、気候変動、相互の投資機会、さらには宇宙開発など、今後の協力のあり方について話し合われる予定だ。

ファイサル・アッバス

イスラエルは、言葉よりも行動で語ることを得意としている。政府高官の代表団が訪問するたびに、南部の避難所に連れて行き、ハマスのテロ攻撃によって市民がどのような影響を受けているかを見せる。もし米国大統領がサウジアラビア滞在中に、イランが支援するイエメンのフーシ派民兵の攻撃対象となっているアブハー空港やジェッダのアラムコ石油施設を訪問すれば、なんと喜ばしいパブリック・ディプロマシーの一例となることだろう。そうすれば、米政権は犠牲者の人種や宗教に関係なく平等にテロを非難し、米政府が先週述べたように、サウジと米国の関係が純粋に「多面的」であることを世界に示すことができるだろう。

ここで、一部の人にとっては自明なことではあるが、3つの点に注目したい。第一に、フーシ派の公式スローガンは「アメリカに死を」であり、彼らは以前にアデンの米海軍と米大使館を攻撃した。第二に、彼らはイランの政権が支援しており、同政権はハマス、レバノンのヒズボラ、イラクのアサイブ・アフル・ハックなど、この地域におけるテロ組織と、混乱をもたらす勢力を支援している。最後に、こうしたテロリストたちがサウジの石油施設を攻撃すれば、結局は石油生産能力が制限される。つまり供給量が減って価格が上昇するのだ。

フーシ派のテロに苦しむ人々を訪問することは、バイデン大統領とアドバイザーにとって事態を整理するのに間違いなく役立ち、この戦争で誰が悪者で誰が犠牲者なのかを思い出させてくれるだろう。また、パトリオットミサイル防衛砲をサウジから撤収したり、同盟国の民間人を意図的に狙う集団のテロリスト指定を解除したりするのを、米政府は考え直すかもしれない。

もうひとつ大統領に時間をとって行ってほしいのは、「ビジョン2030」がもたらした、野心的で勇気ある改革の成果を見に行くことだ。賑やかな商業地区を訪れ、ほんの数年前とは違い、女性も男性も自由に交流し、食事を楽しみ、世界最高のエンターテインメントを鑑賞している様子をぜひ見ていただきたい。

もし米国大統領がサウジアラビア滞在中に、イランが支援するイエメンのフーシ派の攻撃対象となっているアブハー空港やジェッダのアラムコ石油施設を訪問すれば、なんと喜ばしいパブリック・ディプロマシーの一例となることだろう。

ファイサル・J・アッバス

また、先月ジョージア州アトランタで開催されたリジェネロン国際科学技術フェアで受賞したサウジアラビアの学生、アブドゥラ・アルガムディ氏やダナ・アルアイサン氏のような若いサウジアラビア人にぜひ会っていただきたい。この二人は、改良版カリキュラムのもとで(しかも米国のように銃によるトラウマを抱えることなく)学校がどんな成果を生み出せるかを示す、生きた証拠なのだ。

このテーマについては、次回のコラムでさらに詳しく話したい。現時点でサウジアラビア人の私にとって肝心なことは、米政権が、わが国を巨大なガソリンスタンドとしてではなく、歴史的、文化的、経済的に成功し、若く活気に満ち、教育の行き届いた大国だと、ようやく認識することなのだと思う。

Twitter: @FaisalJAbbas

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