サウジアラビアの政府関係者はここ数週間、(世界の)平和に向けた新たな活動を活発に行っている。外相であるファイサル・ビン・ファルハーン王子はウクライナにおける戦争の終結に向けた仲介のため、キエフとモスクワを訪問。その間にムサエド・ビン・ムハンマド・アル・アイバン国家安全保障顧問は、サウジアラビアとイランの間の外交関係正常化のために中国を訪問した。これにより中東における6年にわたる対立と同様は過去のものとなり、中東のみならず世界規模での平和への新たなアプローチが可能になった。
サウジアラビアはかねてより平和を支持し、国際的な信頼の高さを活用して対立を終わらせるための仲介を行ってきた。長きにわたったレバノン内戦も、サウジのたゆまぬ仲介がなければ終わらなかった。2002年に中東において最も野心的な和平プラン——イスラエルに平和と、すべてのアラブ諸国との完全な関係正常化の機会を提供するのと引き換えに、パレスチナ国家の実現に道を開くというもの——をアラブ連盟を通じて提案したのもサウジだった。サウジは自国だけでなく他の国々のためにも、国家間の関係修復を追求している国なのだ。世界平和の促進のためにアラブとイスラム諸国のすべての指導者に招集をかけて1週間後には集めるという芸当ができるのは、世界で唯一、サウジだけだろう。
3つの一神教すべてが中東を発祥の地としているのは偶然の一致ではなく、歴代の預言者たちは私たちの土地、そして世界全体に平和のメッセージを広げた。中東はまた、多くの戦渦に巻き込まれてきた。だがそんな戦争の廃墟から、オリーブの枝をくわえた平和のハトは姿を現す。ハトは人道を照らす光の銀河を見つめ、撃ち落とされる不安など抱くことなくどこにでも飛んでいく。その後には数え切れないほどの平和のハトが姿を現すだろう。私たちはそんなハトだ。これまで対立してきた相手との関係修復という使命を果たすとともに、他の人たちに道を示す。相手がイランであれイスラエルであれ、私たちは暗闇の中でろうそくに火を灯す。ろうそくは私たちが皆、眠っている間も光を発し続ける。かつて預言者たちがそうしたように、こうした光の銀河が世界を照らすのだ。
サウジアラビアはかねてより平和を支持し、国際的な信頼の高さを活用して対立を終わらせるための仲介を行ってきた。
ハッサン・ビン・ユセフ・ヤシン
平和のハトはどこにメッセージとオリーブの枝を運ぶにせよ、安心して飛んで行けなくてはならない。怒りと破壊の炎は燃えさかり、母なる自然は疲弊しつくしてしまうかも知れないが、平和のろうそくは廃墟の中でも私たちに暗闇を抜ける道を示し、視界を広げてくれる。平和の実現にはありとあらゆる手助けが必要だ。中東の平和の問題においても今日、私たちは対立に終止符を打つために団結して力を貸す用意がある。目を開き、預言者たちの強いメッセージを胸に、サウジアラビアは平和の側に立って力を尽くしていることを自負している。私たちは他の人々の力になりたいと思っているし、何より、私たちを支えてくれている環境を守りたいと思っている。
サウジアラビアの最近の平和への取り組みに対し、世界は非常に前向きな反応を示している。世界はこうした取り組みを強く求めているからだ。あふれる希望を感じ、あらゆる言語で平和のために輝く光の銀河を見られるという展望こそが私たちを動かす原動力であり、ウクライナとロシアにとってはとりわけそうだ。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は「行動は全ての成功の基本的な鍵だ」というパブロ・ピカソの言葉を深く胸に刻んでいる。今回、サウジは平和に向けたリーダーシップを取り、平和のハトを飛ばしたことで大きな喝采を受けたが、私たちは平和の促進がサウジのDNAの一部であることを改めて認識している。
平和のハトを飛ばし、平和のろうそくを輝かせよう。そしてサウジアラビアが、世界を平和で照らすために力を貸すという使命を今後も果たしていけることを願う。