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FOXニュースによるサウジ皇太子独占インタビューに注目が集まる

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21 Sep 2023 12:09:51 GMT9
21 Sep 2023 12:09:51 GMT9
  • ブレット・バイヤーがサウジアラビアを訪れ、石油、改革、米国との関係について当局トップたちに話を聞く
  • サウジ皇太子が王国の変革についてFOXニュースに語る

アラブニュース

リヤド:米国の放送局FOXニュースは今週、サウジアラビアの変革に関する特集を2日間にわたって放映し、21日にはムハンマド・ビン・サルマン皇太子への独占インタビューを特集した。

ベテランキャスターでチーフ政治特派員のブレット・バイヤーは、この番組のためにサウジアラビアを訪れ、石油、社会改革、経済多角化、そして対米関係などについて当局トップたちの話を聞くための「前例のないアクセス」を許可された。

「この国は世界有数の産油国であり、イスラム教の発祥の地であり、世界最大の砂漠、世界最大のオアシス、世界最大の空港を有している」とバイヤーは同チャンネル特別番組の宣伝で述べた。

「政治的には、アラブ人とイスラム教徒の文化の中心地として、また戦略上極めて重要な位置として、地球上で最も重要な場所のひとつである」

「これから2夜にわたって、王国の舞台裏を独占取材し、その美しさ、独自性、そして世界情勢におけるますます重要な役割を紹介する」

バイヤーは、サウジアラビアの観光、経済、エネルギー、スポーツ担当大臣と会談し、王国の『ビジョン2030』の社会改革と経済多様化のアジェンダが、いかに同国を石油生産への依存から脱却させ、まったく新しい産業へと拡大させているかを探った。

「私たちは油断せず、準備を怠ってはならない。私はチームに、不可能を可能にする必要があると伝えている」と、ファイサル・アル・イブラヒム経済・計画相は、変革についてのコーナーでバイヤーに語った。

「ビジョン2030は潜在能力を解放することについてのアジェンダだ。それがビジョン2030の主な目的だ。それは、私たちがどうありたいのか、どうすればそこに到達できるのかという青写真だ」

「それは、経済の多様化、王国の若者のエンパワーメント、そして2030年以降もこの流れを継続するための制度構築という3つの柱を通じて、長期的な経済的課題とリスクに対処するように設計されている」

「ビジョン2030は、今日私たちが位置している場所から、世界を結ぶより大きな役割を果たすために役立つ。これは私たちが活用しなければならない資産である。エネルギーを結びつけ、データや商品やサービスや人々を結びつけることで、世界全体にとってより良いものにするためのものだ」

ビジョン2030はまた、サウジアラビアの若者たちが、さまざまな新しいクリエイティブ産業やハイテク産業で学び、働き、起業家精神を探求する機会を創出するためにも存在する。「サウジの若者たちにとって、毎日が白紙のキャンバスだ」とアル・イブラヒム氏は語った。

「彼らは7年以上前には誰も想像もできなかったような絵を描いている。だから、これは始まりに過ぎない。私たちは、より多くの可能性が解き放たれるのを見ることになるだろう。そして私たちは、強い意志を持ってこの変革に取り組んでいる」

皇太子のリーダーシップスタイルについて、アル・イブラヒム氏は、サウジアラビア国民の生活を向上させたいという願望から来ていると述べた。「彼のリーダーシップスタイルは、大義を持つことに起因している」

「彼はサウジアラビアが最高の国になることを望んでいる。彼は、サウジアラビアが世界をより良くするためのグローバルプレーヤーであり、世界的な変革者であることを望んでいる。彼は、サウジアラビアの人々とサウジアラビアに住む人々が最高の生活を送り、国内経済だけでなく世界経済全体に最も貢献できるようになることを望んでいる」。

ブレット・バイヤー:バイオグラフィー

アメリカのキャスター、ジャーナリスト

* ニュージャージー州ラムソンに生まれ、1992年にデポー大学を卒業、政治学と英語の学位を取得した。

* 1998年にFOXニュースに入社し、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代には同局の首席ホワイトハウス特派員を務めた。

* 9.11テロ事件におけるペンタゴンへの攻撃やイラク戦争、アフガニスタン戦争など、最近の米国史で最も重要な出来事のいくつかを取材した。

* Foxの首席政治特派員であり、FOXニュースで毎晩放送されているニュース・政治分析番組「スペシャル・リポート・ウィズ・ブレット・バイヤー」の司会を務めていることでも知られている。

* ドナルド・トランプ元米大統領(2023)、バラク・オバマ元米大統領(2016)、ウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領(2022)など、近年最も重要な政治家にインタビューしている。

* 優れたジャーナリズムに贈られるケネス・Y・トムリンソン賞、優れた放送ジャーナリズムに贈られるソル・タイショフ賞など、ジャーナリズムに対して数々の賞を受賞している。

* 『Special Heart: A Journey of Faith, Hope, Courage, and Love』、『To Rescue the Republic』などの著書がある。

王国の最もエキサイティングな発展のひとつは、観光産業の成長である。サウジアラビアは長い間、外界から閉ざされており、聖地メッカとマディーナを訪れる宗教巡礼者だけが入国を許されていた。

現在では、観光e-VISA(電子ビザ)の開始や、新しいレジャー、エンターテイメント、ホスピタリティのメガプロジェクトへの大規模な投資のおかげで、サウジアラビアは世界的な旅のデスティネーションになるための準備が整っている。

「観光はビジョン2030の最前線にある」と、王国のアフメド・アル・カティーブ観光相はバイヤーに語った。「私たちは観光部門を活性化している。過去2年間で観光客数が2倍になっている。今後2年間でさらに2倍になるだろう」

「私たちは目標値を上方修正した。国内外合わせて1億5000万人の訪問者、うち海外からの訪問者は2030年までに7000万人とした。レッドシー・グローバル(RSG)、NEOM、ギッディーヤ(Qiddiya)、ディルイーヤがオープンする前でも、今年は海外からの訪問者数はその目標値7000万人のうち3000万人に達するだろう」

王国北西部のスマートシティNEOMのために設計された、まったく新しい都市生活の再構築である『ザ・ライン(The Line)』について、アル・カティーブ氏は建設が開始されたことを確認し、「1000パーセント、実現する」と述べた。

「私たちは優位に立っている。私たちは新しい都市を建設している。何かを変えるよりも、ゼロから何かを建設する方が簡単だ。今日、何十年もかけて建設された都市、例えばロンドンやパリ、ニューヨークのような大都市を変えようとするなら、それは非常に難しいだろう」

「ザ・ラインは誰もが住みたくなるような未来都市の見本となり、そこに住む人々は未来の生活を体験することができるだろう」

皇太子が推進する王国の変革について、アル・カティーブ氏はこう語った。「私たちは、実際、皇太子に追いつき、彼のビジョンを実現するために、全速力で走っている」

番組の中で、FOXニュースはディルイーヤ・ゲート開発局(DGDA)のジェリー・インゼリロCEOにも話を聞いた。

「ここは王国の物理的な発祥の地であり、アール・サウード先祖代々の家であるため、非常に特別な場所だ」とインゼリロ氏はバイヤーに語った。

「この泥の都市の起源は300年前にさかのぼる。アラビアの有名なオアシス、ワディ・ハニファに3万人の人々がやってきて、入植し、泥から都市を築いたのだ。つまり、ここは民族の誇りであり、サウジアラビアのアイデンティティの源であり、王国発祥の地なのだ」

「この地はユネスコの世界遺産であり、遊園地やテーマパークのようには扱いたくなかった。そのため、私たちは国王と皇太子のビジョンに基づき、1400万平方メートルのマスタープランに着手している。そこでは、ユネスコの遺跡を手付かずのまま残しながら、10万人以上を収容可能で、2万人の居住者を抱え、38のホテル、9つの美術館を建設し、年間1億人が王国を訪れるようにしたいと考えている」

「この国はとても若い国だ。この国の年齢の中央値は29.2歳だ。私たちが2000人の従業員を抱えるディルイーヤでは、85パーセントがサウジアラビア人で、スタッフの36パーセントがサウジアラビア人女性だ」と、彼は続けた。「しかし、皇太子は若い世界的リーダーであるが、過去に根ざさなければ未来に楽観的になれないと感じている。サウジアラビア人として自分が何者であるかを知り、誇りに感じなければならないのだ」

FOXニュースの報道は王国の変革のみに焦点が当てられていたわけではない。長年の同盟国であったサウジアラビア・米国間の最近の不和、特にエネルギー問題や、ウクライナ侵攻をめぐるロシア孤立の動きにも触れている。

サウジアラビアがOPEC+の一員として、ウクライナ戦争によって世界的に原油価格が高騰している時に減産を決定したことについて、同国のエネルギー相アブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は、この動きは石油市場を安定させるためのものであり、利益を得るためのものではないとバイヤーに語った。

「私たちは価格ではなく、多かれ少なかれ安定に重点を置いている」とアブドルアジーズ王子は語った。「私たちは誰の味方でもない。私たちは自国の利益を守る。私たちは経済を守ろうとしている。私たちには大きな野心があるが、その野心を守る必要がある」

私たちがしていることは価格とは関係ない。私たちがしていることは、市場のボラティリティを下げることだ」。

FOXニュースの報道は経済以外にも及んだ。バイヤーは、サウジアラビアのスポーツ相アブドルアジーズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子にも話を聞いた。王子は、サウジアラビアが女子チームと女子リーグの設立と普及に成功していることを強調した。

「今ではすべてのクラブに女子サッカーチームがある。ナショナルチームもある。4、5カ月前には女子サッカーチームがなかったのに、私たちの公式ナショナルチームはFIFAランキングに入った」とアブドルアジーズ王子は語った。

「FIFAランキング入りした私たちは今、順位を上げるために多くの大会や親善試合をこなしている。私たちは、彼らが順位を上げるため、目標を共有している。しかし2年前や3年前はナショナルチームなどなかったのだ。今はリーグ戦もある」

FOXニュースはまた、サウジアラビア社会における女性の権利に関する大きな改革が、ビジネス、統治、市民社会における女性の参加とリーダーシップに大きな後押しを与えたことについて、専門家に話を聞いた。

「この変化はとても速く、信じられないほどだ」と、ビヘイビラル・マネジメント・コンサルティングの創設者兼CEOであるバスマ・アル・オマイル氏はFOXニュースに語った。「私の娘たちは今、4つの取締役会の役員を務めている。これは数年前には考えられなかったことだ」

「素晴らしいことに、娘たちはガラスの天井を意識しなくなった。しかし、私たちは、自由には責任が伴うことを彼ら若者に伝える責任がある。だからこそ、私たちは今、組織内で多くの文化的評価を行い、彼らのポリシーが整っているか、行動や考え方が実際に切り替わっているかを確認しているのだ」

また、ジェッダ・ユナイテッドの会長で元シューラ(諮問評議会)メンバーのリナ・アルマエナ氏は、女性の運転解禁を含む2016年以降に実施された改革について、急激な変化は、変化を起こすための唯一の方法だったと述べた。

「それはショック療法だった。それが本質だ」とアルマエナ氏はバイヤーに語った。「ゆっくりとした変化を待っていたら、現在の状況に到達するまでに何十年もかかっていただろう。私たちは実際に、私たちが掲げた多くの目標を超えてきた。そして、新しい掲げた目標さえも超えてしまっているのだ」

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