リヤド:サウジアラビアは、イスラエルがガザ地区南部の都市ラファへの攻撃作戦を開始すれば「非常に危険な帰結」がもたらされると警告を発した。ラファにはイスラエル・ハマス戦争を逃れた数十万のパレスチナ人が身を寄せる。
王国の外務省は10日に発表した声明のなかで、「ラファは残忍なイスラエルの攻撃により避難を強いられた数十万人の市民にとって最後の避難場所だ」と述べた。
この声明でサウジアラビアは、「(パレスチナ人の)強制排除に全面的に反対し、強く批判する立場を強調するとともに、改めて即時停戦を訴える」とした。
「国際法および人道法への意図的な違反に関して、国連安保理は緊急会合を開き、イスラエルが今まさに引き起こそうとしている人道上の大災害を食い止める必要がある」
国連によれば、ガザ地区の全人口240万人のうち約半数が現在ラファに避難しており、大勢が屋外のテントや即席シェルターで眠ることを余儀なくされているうえ、食料、水、衛生品の不足の懸念が高まっている。
9日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、イスラエルによるラファへの大規模攻撃が「終わりなき悲劇をさらに重層的なものにすることは確実だ」と述べた。
ネタニヤフ首相は軍関係者に、ラファからの「退去」と同市内のハマス戦闘員の「殲滅」に関する計画の策定を命じた。
目撃者によれば、10日早朝にラファへの新たな攻撃が開始され、パレスチナ人の間では地上侵攻が目前に迫っているとの懸念が高まっている。
ハマスは声明のなかで、いかなる軍事作戦も破滅的な帰結につながると述べ、「もしラファが侵攻を受ければ、数万人の殉教者や負傷者が発生しかねない」とした。