










ミナ(サウジアラビア): 金曜日、世界中のイスラム教徒がイード・アル・アドハーの祝日の始まりを祝う中、巡礼者たちはハッジの最後の主要儀式である「悪魔の石打ち」を行っていた。
160万人を超える巡礼者たちは、聖地マッカの郊外にあるミナの谷で、悪魔を象徴する3つのコンクリートの壁に7つの石を投げつけた。
大勢の巡礼者たちは、気温が低い夜明け前に、ミナの広大なテント村の宿泊施設からすでに出発していた。
この儀式は、アブラハムがサタンに息子を生贄に捧げるよう命じられた神の命令に従うことを思いとどまらせようとしたとされる3つの場所で、悪魔を石で打ち据えたことを記念するものだ。
「ミナでの体験はシンプルだった」夜明けの儀式を終えた34歳のワエル・アフメッド・アブデル・カデルさん(エジプト出身)は、「中に入って5分もしないうちに、『ジャマラート』での悪魔の石打ちが終わりました」と語った。
ギニアからの巡礼者であるハワキタさんは、マッカでイードを祝えることに喜びを感じたと語った。
「石を投げたとき、私は安らぎを感じました。本当に誇りに思いました」と彼女は言った。
その前日、巡礼者たちはアラファト山に集まり、預言者ムハンマドが最後の説教をしたとされるマッカ近郊の標高70メートルの岩山で、コーランの詩を唱えながら祈りを捧げた。
午前10時から午後4時までは屋内にとどまるよう巡礼者たちに公式の警告が出されたため、昼過ぎには人数は減っていたが、灼熱にもかかわらず多くの人々が山頂に登った。
今年のハッジでは、違法な巡礼者に対する広範な取り締まりとともに、当局がさまざまな暑さ緩和策を実施した結果、マッカとその周辺地域の聖地では人出が著しく減少し、警備が厳重になった。
この対策は、摂氏51.8度(華氏125度)を記録した気温の中で1,301人が死亡した昨年のハッジの再現を防ぐことを目的としている。
サウジ当局によると、これらの死者の大半は、マッカに不法入国した巡礼者であり、砂漠の灼熱から巡礼者の安全を守り、保護することを目的とした宿泊施設やその他のサービスを利用できなかったという。
今年のハッジ・シーズンは、2020年から2022年にかけての新型コロナ制限の年を除けば、過去30年以上で最低の巡礼者数を記録している。
公式発表によると、昨年は180万人のイスラム教徒がハッジに参加した。
ハッジの許可証は割り当て制で各国に割り当てられ、抽選制で個人に配布される。
しかし、許可証を確保できた人でも、高額な費用がかかるため、捕まれば逮捕や国外退去のリスクがあるにもかかわらず、許可証なしでハッジに挑む人も少なくない。
ミナ渓谷での石打ちの儀式は、2015年に致命的な圧死事件の現場となり、ハッジの災害の中でも最も死者が多いものの1つである2,300人が死亡した。
サウジアラビアはハッジと、それ以外の時期に行われるウムラーと呼ばれる巡礼で年間数十億ドルを算出する。
巡礼はまた、マッカとマディーナの2つの聖モスクの管理者として知られるサウジアラビアの君主の威信の源でもある。
ハッジの終わりは、イード・アル・アドハーの始まりと重なる。イード・アル・アドハーとは、年に一度、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウシ、ラクダなどの動物を屠る祝祭日である。
AFP