• デジタルアシスタントRaseenが心理的サポートを提供し、啓発キャンペーンにも参加
• 専門家、AIを心理サポートに利用する際の倫理の重要性を強調

ナダ・ハミード

ジェッダ：ジェッダのEradah Mental Health Complexはこのほど、サウジアラビアで進行中のデジタルヘルス変革の一環として、「Raseen」と名付けられたロボットを発表した。

Raseen（ラシーン）はEradahのデジタルアシスタントであり、高度な人工知能とインタラクティブな教育コンテンツを通じて、患者の回復の旅をサポートし、薬物乱用の危険性に関する地域社会の意識を高めるよう設計されている。

この人型ロボットの名前は、アラビア語の「節酒」に由来しており、健康、心理、社会、精神性のバランスに努めながら、薬物やアルコールを断つ状態を象徴している。

飲み物を提供したりレストランで働いたりといった単純作業を行う従来のロボットとは異なり、ラシーンは対話型のヒューマノイドである。

サウジアラビアの伝統的な服装に身を包み、質問に耳を傾け、それを分析し、科学的に正確な答えを返す。

高度なAIアルゴリズムと精密な科学的プログラミングを搭載したRラシーンは、通常のチャットボットシステムの能力を超えており、啓発キャンペーン、心理的サポート、管理機能など、さまざまな分野での利用が可能だ。

Eradahの総監督Khalid Al-Oufi博士はアラブニュースにこう語っている：「ラシーンはメンタルヘルスや依存症に関する国際的な日やフォーラム、会議に参加しています」

「彼はまた、学校、大学、政府施設、ウォーキングコース、スポーツクラブを訪れ、メンタルヘルスと依存症に関する人々の悩みに個人的に耳を傾け、明確で詳細な回答を提供しています」

サウジアラビア精神医学会のコンサルタント精神科医、依存症専門医、依存症部門の責任者でもあるアル・ウーフィ氏は、「ラシーンはまた、精神疾患や依存症のリスク、早期発見と介入の方法、利用可能な精神科サービスとその利用方法、再発を避けるための予防戦略についての認識を高めています」と付け加えた。

外来診療所や入院患者の病棟では、ラシーンは個人療法や集団療法のセッションで患者教育の役割を果たしている。

このロボットは、精神疾患と中毒の性質、有病率、原因と誘因、精神疾患と麻薬の種類、警告サイン、合併症、治療の有無による予後、行動療法と薬理療法の選択肢について説明する。

アル・ウーフィ氏はさらに、ラシーンはスタッフの権利と責任、職場の方針と手順、職務内容、組織構造について教育することで、管理職や専門職の能力開発を支援していると説明した。

また、職員がビジョン2030と医療部門の変革計画を理解できるよう支援する一方、改善のための提案を行い、職員からの問い合わせにも対応している。

メンタルヘルスにおけるAI：期待と課題

メンタルヘルスにおける人工知能の活用は多面的である。離職、社会的孤立、倫理的配慮に対する懸念がある一方で、AIはケアへのアクセスを強化し、メンタルヘルス支援を強化する強力な機会を提供する。

国立メンタルヘルス促進センターの専門家は、ポジティブな影響を確実にするために、AIの利点と課題の間で慎重かつ倫理的なバランスをとることの重要性を強調している。

NCMHPによれば、AIは診断と治療において重要な役割を果たす可能性があるという。

これは医療成果を向上させる可能性がある一方で、AIへの過度の依存は患者と介護者の人間的なつながりを損ない、信頼の低下につながる可能性があるとNCMHPは強調している。

倫理的な問題は、特にデータのプライバシーとアルゴリズムの偏りに関して、依然として最前線にある。データ漏洩や個人情報の悪用は、テクノロジーに対する社会的信頼を損ない、プライバシーへの不安を煽りかねない。

とはいえ、NCMHPは、メンタルヘルスにおけるAIの将来は有望であると指摘している。メンタルヘルスをサポートするために、AIを活用したアプリケーションやチャットボットが続々と開発されており、ヘルスケアにおけるAIツールの数は2035年までに5倍に増加すると予想されている。