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ザムザムの泉は永遠の奇跡

01 Aug 2020
博物館で展示されている、保存状態の良い、ザムザムの泉で使用されていた古い釣瓶竿と桶。(SPA)
博物館で展示されている、保存状態の良い、ザムザムの泉で使用されていた古い釣瓶竿と桶。(SPA)
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Updated 01 Aug 2020
01 Aug 2020
  • 恵みと霊感の泉から湧き出る飲み水が、何千年もの間に亘って、巡礼者たちの渇きを癒し続けている

ナダ・ハミード

ジェッダ:これこそが、イスラムでも指折りの長い歴史を持つ、神の慈悲を示す奇跡である。イブラヒムの第2の妻ハガルが息子の喉の渇きを癒そうとサファとマルワの2つの丘の間を7回も走った後、彼女の息子預言者イシュマエルの足元で、ザムザムの泉は湧き出し始めたのだ。

泉の名前は、「流れよ止まれ」を意味する「ゾムゾム」という語句に由来している。ハガルが湧出する水を堰き止めようとしている時に唱えた言葉である。

この泉に湛えられた常に澄んだ水には、苔や昆虫、カビなどの不純物が一切含まれていない。一般的な脱塩水よりも多くの天然ミネラルを有し、そのため、独特なずっしりとした味がする水である。

預言者ムハンマド(彼に平安あれ)によって病人を治癒する自然の源とされたこの泉の水を、巡礼者たちは、常に変ることなく、熱心に飲み、そして、瓶に詰めて故郷に持ち帰る。

ザムザムの泉の開発工事と維持管理は非常に重要な事業で、この水源は、何世紀もの間、あらゆる手を尽くして保護されてきた。

古のメッカを訪れる人々の、そして、現代の巡礼者たちの主要な水源として、ザムザムの泉からは、ほんの短期間を除けば、枯れることなくイスラム教徒たちのための恵の水が湧出し続けている。

この泉は、預言者ムハンマドの祖父アブドゥルムッタリブ・ビン・ハーシムによって保護されていたが、その後は、数多くのイスラム教のカリフによって維持され、近代になってからは現在のサウジアラビアの建国者アブドゥル・アズィーズ王に始まる歴代のサウジ国王の庇護下にある。

過去には旧式の方法でこの聖なる泉は保守されていたが、アブドゥッラー国王治世時の終盤にその維持管理方法の開発において大きな飛躍があった。同国王は、2つの聖なるモスク間で、貯水し配水する方法を変えたのだ。

同国王は、また、アブドゥッラー・ビン・アブドゥル・アズィーズ・ザムザム・ウォーター・プロジェクト(KPZW)を2013年に開始した。

ウムラやハッジのためにメッカを訪れる人々が増加するのに伴い、ザムザムの水の需要も急速に増加した。その結果、泉の開発工事が必要となった。

KPZWプロジェクトが必要とした建設コストは7億サウジ・リアル(187億ドル)以上にもなった。

汲み上げ、濾過、配水、貯水を行うに当たっての旧来の因習的手法の多くはこのKPZWプロジェクトを通じて廃され、最新で最も安全性の高い技術で置き換えられた。

過去、認可を受けた瓶詰め方法なども無く、この泉の水は手作業で多様な大きさの容器に注ぎ込まれていた。その結果、望ましくない水質汚染が発生していた。

このプロジェクトの発足により、5リットルと10リットルの2つのサイズの容器の使用が公式に定められた。泉の水は処理され、これらの容器に収められてから、保存され、効率良く分配されるようになった。

ハッジやウムラの巡礼の終盤、メッカを訪問している人々はザムザムの水を収めた2つの容器を必ず手に入れてから帰路に就く。この習慣は、以前には、大混乱と手のつけようのない大行列を招いていた。現在では、KPZWプロジェクトにより泉の水を収めた容器が、待ち時間と混雑の解消のため、帰途のバスの中や空港で配布されるようになった。

2つの聖なるモスク内部では、泉の水は冷水機で提供され、浄化と補充の作業が毎日行われている。

ザムザムの水のオンライン販売は国営水道公社のプロジェクトの一環で、新型コロナウイルスの感染拡大時に予防措置として泉の水の販売が一時停止された後に開始された。

現在、ザムザムの水はサウジアラビアの電子ビジネスプラットフォームのHNAKで販売され、宅配サービスも行っている。

採取、揚水、保管設備とパイプラインの継続的な保全は、光ファイバー技術を用いた監視制御システム(SCADA)ネットワークによって実現している。

揚水と濾過について最適な手法を見つけ出すための最新の注意を払って行われた研究にでは、これらの技術のおかげで、ザムザムの水の天然ミネラルは減じることなく保持されているという。

外的な自然汚染がザムザムの水の特製に悪影響を及ぼすことを防ぐために、ザムザム研究センターは厳格な品質管理を行っている。

「ザムザムの泉を持続可能な方法で管理するために、この聖なる泉の環境と水理地質学的現況とそこに至る水の源について、私たちは十全な理解をする必要があります。この地域の導水体も含めて把握しなければなりません」と、ザムザム研究センターの所長であるサマー・ショーマン氏はアラブニュースに語った。

「ザムザムの水の特徴がどのような過程の結果なのかを知るためには、元々の水がどのように蓄えられ、どの位の速さで移動し、岩石間の移動時にどういった種類のミネラルを抽出してきたのかを調べなければなりません」

「私たちは、数理モデルと降水データのネットワーク、そして帯水層の各所にある降水観測所を連携させて、ワディ・イブラヒムで1年間に汲み上げ可能な水量の正確な値を算出しました。」と、所長はつけ加えた。

ショーマン氏は、メッカのザムザムの泉に特化したラボラトリーが多様な水の標本を検査し追跡調査しており、水質の維持管理のために毎週分析が行われていると述べた。

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