


アラブニュース
ジェッダ: 8月19日にサウジアラビアはイスラエルとの国交正常化に関しアラブ和平構想を堅持すると、外相を務めるファイサル王子が述べた。
イスラエルとパレスチナの和平実現は、イスラエルとアラブ諸国間の関係がどう変化しても、アラブ和平構想に基づいて進めなければならないと、ファイサル・ビン・ファルハン王子は述べた。「和平が実現すれば、あらゆることが可能となる」
ファイサル外相の発言は以下の通り:「2002年に我が国が主導してアラブ和平構想を採択した際、条件が満たされればサウジアラビアを含む全アラブ諸国がいずれイスラエルと国交を結ぶことを完全に想定していた。
「サウジアラビアはアラブ和平構想や関連する国際決議に基づき、戦略的オプションとして中東和平の実現を引き続き推進する。パレスチナ人が東エルサレムを首都とする独立国家を樹立できるよう努力を続ける」
アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルは、先週初めて国交正常化で合意した。アメリカの仲介で交わした合意を踏まえ、イスラエル側も検討していたヨルダン川西岸の一部のユダヤ人入植地の併合を一時停止するとしている。
ファイサル外相は両国の合意に関し、慎重ながらも楽観的な見解を示した。「ユダヤ人入植地併合をわずかでも抑制しようという動きは評価に値するだろう」と語った。
2002年にサウジが主導したアラブ和平計画では、イスラエルがアラブ諸国との国交正常化と引き換えに1967年以降占領中のパレスチナ領土から撤退することとなっている。
イスラム世界の指導者として、サウジアラビアがイスラエルと共存するパレスチナ独立国家の樹立を断念することは絶対あり得ないと、サウジアラビアの政治アナリストで国際関係論が専門のハムダン・アルシェルリ博士がアラブニュースの取材に応じて述べた。
「アラブ和平計画がこれまでサウジアラビアのスタンスであり、現在も変わりません。パレスチナは今までもこれからも、サウジアラビアにとって非常に大切な存在です。我々はずっとパレスチナを支援します」
19日に別な動きとして、スーダン外務省のハイダー・バダウイ報道官がUAEに続きスーダンがイスラエルと国交正常化する可能性があると発言し解雇された。スーダン・イスラエル両国は厳密に言えば停戦状態にある。
「イスラエルとの国交正常化についてスーダン政府内部で議論された事実はない」とオマール・カマレディン外相が述べた。バダウィ報道官が「この件についてコメントする立場にないため、我々は仰天した」という。
イスラエルではネタニヤフ首相が併合を一時停止したことにより、強硬派入植者たちからの猛反発を受けている。「ネタニヤフはとんでもない詐欺師だ」と入植者のリーダー、デビッド・エルハヤニが述べた。