
フランク・ケイン
ドバイ:ロシアは、様々物議を醸している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するスプートニクVワクチンのこれまでで最大規模の治験プログラムを、サウジアラビアを含む5か国で実施する準備をしている。
ワクチンの開発を主導したロシアの実業家、キリル・ドミトリエフは、サウジアラビアはワクチンの治験を行う国の一つになると語った。
また、来週ロシアで4万件を超える治験が行われた後、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、フィリピン、およびインドまたはブラジルのいずれかで、「世界最大の進行中の治験の1つ」としてプランを拡大する予定であると付言している。
サウジ保健省はこれまでのところ、治験への関与についてはコメントしていないが、サウジアラビアはこれまでに、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンを開発するための実行可能な計画に協力することをいとわない立場を表明している。
スプートニクVワクチンは、ウラジミール・プーチン大統領の娘を含む多くのロシア人にすでに投与されてる。
サウジアラビアと密接な関係があるロシア直接投資基金の総裁であるドミトリエフはアラブニュースの取材に対し、現在サウジアラビア保健省と調整中であり、保健省当局者と科学者によるワクチンが開発されたモスクワ研究センターへの訪問を計画していたことを語った。
「サウジアラビアは、スプートニクVワクチンの開発にあたって、我々の共同事業の非常に強力なパートナーになると考えている」と彼は述べている。
スプートニクVは2週間前にロシアで最初の抗COVID-19ワクチンとして政府によって正式に承認されたが、大規模な人への投与を含む重要なフェーズ3の治験段階を終了していなかったため、欧米では懐疑的に受け取られた。
一部の科学者はまた、ワクチン開発プロセスに関してロシアから発表されたデータが不十分であると発言している。
ドミトリエフ総裁は、このワクチンは「主要な科学雑誌」(彼はその誌名を明かさなかった)によってレビューされている事実を明らかにし、間もなく肯定的な見解が示されるだろうと述べた。またワクチンの科学的側面についても、より多くのデータを今後発表すると約束した。
ロシアのワクチンは、エボラ出血熱およびMERSにつき、モスクワのガマレヤ研究所が実施した以前の研究に基づいて製造され、そして、ロシア側の主張では、西側の技術と比較検証されているヒトアデノウイルスに依存している。
ドミトリエフ総裁は、ヒトアデノウイルス技術は過去何百万人もの米軍関係者によって他の種類のワクチンのために使われ、アメリカの医薬品当局によって承認されていると述べた。 「ヒトアデノウイルスは、正しい方法であり、最も安全な方法だ」と彼は付言している。
同氏はまた、ロシアが治験プログラムを財政的に、おそらく輸出保証を通じて促進するかどうかという問題は、参加国の政府の問題であると述べた。