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再びウムラを行った巡礼者の喜び、信じられぬ思い、感謝

グランドモスクに入場する人々に適用される予防措置としては、検温、消毒作業、スマートバンド、フェイスマスク、ウムラの儀式を行いながらのソーシャルディスタンスなどが含まれていた。(写真/ヤセル・バクシュ)
グランドモスクに入場する人々に適用される予防措置としては、検温、消毒作業、スマートバンド、フェイスマスク、ウムラの儀式を行いながらのソーシャルディスタンスなどが含まれていた。(写真/ヤセル・バクシュ)
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05 Oct 2020 08:10:42 GMT9
05 Oct 2020 08:10:42 GMT9
  • カアバ神殿の周りのマタフが、巡礼者たちで満たされているようすは目を見張る光景だ、と巡礼者たちは語る

ラワン・ラドワン

ジェッダ: 6カ月以上中断されてきたウムラを、王国の住人たちが再開するようすを目にしようとして、サウジアラビアと世界中の視聴者たちは、昨夜チャンネルを合わせていた。2つの聖なるモスクがこれ程長い間、巡礼者や礼拝者たちに門戸を閉ざすなんて、かつては想像できなかった。5月31日に預言者のモスクに礼拝者が戻って来て、まだか、まだかという落ち着かない気分が高まり、メッカのグランドモスクの活動再開がいつになるのかということを、多くの人々が知りたくてたまらなくなっていた。

辛い待機が続いたが、国王令が出て、当局による安全保護計画が発表された後、10月4日の真夜中すぎに、視聴者の画面上にカアバ神殿の周囲を歩き回る巡礼者の最初の集団が登場した。

「最小許容人数であるにしても、カアバ神殿の周囲のマタフが巡礼者で満たされているようすは、眼を見張る光景です」と、ジェッダの民間企業従業員、ダニア・アーメドさん(30歳)は語った。「数カ月間閉鎖された状況の重大性がわかります。私たちは徐々にウムラを再開できるようになるでしょうが、この神聖な場所に再び人々がいるようすは、元気が出てきます。彼らは幸運な人々であり、私たちもすぐ後に続くつもりです」

新型コロナウイルスの発生により、数カ月前に課されたウムラ禁止令が解除されてから、1,000人の巡礼者たちがメッカのグランドモスクに到着した。

グランドモスクに入場する人々に適用される予防措置としては、検温、消毒作業、スマートバンド、フェイスマスク、ウムラの儀式を行う間のソーシャルディスタンスなどが含まれていた。

礼拝し、コーランを暗唱し、周辺の学校に通うために、あるいはカアバ神殿に向き合って座り、この壮大な場所を見物するためにグランドモスクを訪れることに慣れているメッカの住人たちにとって、これは困難な意識改革となっている。新型コロナウイルスが発生するまで、数世紀の間、メッカの住人はこのモスクの門を気安く通り抜けていた。

礼拝を行うためにグランドモスクを頻繁に訪れる高齢のメッカ住人、ソラヤ・アブドゥルガッファー・アブルシャクールさんは、7カ月後に戻って来ることができて、信じられないような気分だった。

「私はこのモスク訪問を熱望していました。そして、テレビでこの光景を観るたびに、目に涙が溢れてきます」と、アブドゥルガッファーさんは語った。パンデミックが拡大し、私たちは多くのことができなくなりました。私たちのモスクは閉鎖され、家族も奪われました。しかし、これは全て、私たちの健康を保護し、安全を確保するためなのです。私たちの賢明な指導者は大きな役割を果たしました。そして、何をおいても、市民と住民の安全に重きを置くこの国で暮らすことができて、私たちは光栄です」

アブドゥルガッファーさんは、巡礼者とスタッフの安全を確保するために、グランドモスク内部で実施されている予防措置に感銘を受けていた。こうした措置とサービスは数十年間提供されてきたものだが、COVID-19の脅威のために、今になってコミュニティーのために、とりわけ高齢者のために、より浸透するように提供されている、とアブドゥルガッファーさんは語った。

息子がEatmarnaアプリを使って、儀式を行えるように上手く申請してから、アブドゥルガッファーさんは息子と一緒に儀式を行った。「7カ月間できなかったウマラを行うことができて、嬉しかったです。私はメッカに住んでいますが、数カ月間グランドモスクに入場できるとは思いもしませんでした。しかし、グランドモスクと預言者のモスクの二聖モスクの守護者が提供された素晴らしいサービスの中で、巡礼者たちが戻って来ているのを、今夜目にしているのです」と、アブドゥルガッファーさんは語った。

メッカに暮らすイエメン国民、アブドゥルワハブ・モハメド・アルアミンさんは、新型コロナウイルスにより禁止されていたウムラが、再開されると聞いた後、特に訪問を心待ちにしていたと語った。そのため、アルアミンさんはグランドモスクの入場許可を申請して、ウムラ巡礼者の最初の集団の1人になった。

「グランドモスクに入場してから、あらゆるサービスが私をはじめ、ウムラの巡礼者たちにきっちりと提供され、そして、予防措置も組織立って適用されていることに気付きました」と、アルアミンさんは語った。

最も注目に値するサービスは、高いレベルの清潔感、消毒作業、ザムザムの水用のボトルが安全かつ整然と準備されていたことだ、とアルアミンさんは強調した。こうした仕事が組織立って、適切に行われるように監督するたくさんの関係者が、自分に落ち着きと安心感を与えてくれた、とアルアミンさんは述べた。

リヤドから到着したサウジ国民、ミシャーン・アル・ハルビさんは家族と一緒に儀式を行った。テレビでグランドモスクを観たおかげで、申請が簡単になり、アル・ハルビさんと妻は特に、人のいないマタフ(カアバ神殿の周囲を回礼するエリア)で、ウムラを行うことを常々望んできた、とアル・ハルビさんは語った。

よちよち歩きの娘を連れて来るのは、夫婦共に気が進まなかった。なぜなら、娘は入場を許可されないかもしれないからだ。しかし、事態は徐々に好転し、この申請過程の間、誰もが助けてくれた、とアル・ハルビさんは語った。

王国で生まれ育ち、メッカに暮らし、グランドモスクの初日に入場した数少ないパキスタン国民の1人でもあったサレ・モハメッド・ハッジさんは、サウジアラビアに生まれたことを光栄に思うと語った。自分は幸運にも、この国に住んでおり、ここでは人々、健康、安全が第一目標となっている、とハッジさんは付け加えた。「このことは、サウジ政府がこのパンデミックに対処した方法において、明らかでした」と、ハッジさんは語った。「そして本日、人々の健康を守り、安全を確保することを目指す措置と秩序を、私たちは目にしているのです」

申請者は事前にEatmarnaアプリで登録し、データにアクセスし、時間帯を予約することができる。

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