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原爆問題「オッペンハイマー」ついに日本公開

2024年3月29日、東京で「オッペンハイマー」の広告の前を通り過ぎる女性。アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「オッペンハイマー」が3月29日についに日本で公開された。(写真:Yuichi YAMAZAKI / AFP)
2024年3月29日、東京で「オッペンハイマー」の広告の前を通り過ぎる女性。アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「オッペンハイマー」が3月29日についに日本で公開された。(写真:Yuichi YAMAZAKI / AFP)
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29 Mar 2024 01:03:40 GMT9
29 Mar 2024 01:03:40 GMT9

東京:アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した『オッペンハイマー』が金曜日にようやく日本で公開された。

この超大作は、7月に『バービー』と同時にアメリカをはじめとする多くの国でスクリーンに登場し、映画ファンの間で “バービーハイマー “と呼ばれるバイラル現象を巻き起こした。

しかし、『バービー』が8月に日本で公開されたのに対し、『オッペンハイマー』はこれまで日本の映画館に現れることはなかった。

戦時中に核攻撃を受けた唯一の国である日本では、この映画はあまりに物議を醸すため上映を見合わすのではないかとの憶測を呼んだ。

第二次世界大戦が終結する数日前の1945年、アメリカは広島に原爆を投下し、広島では約14万人、長崎では約7万4千人が亡くなった。

金曜日に『オッペンハイマー』が上映された東京都心の大きな映画館では、世界的な大ヒットに期待されるような目立つ宣伝文句は一切なかった。

その代わりに、1億ドルの予算で撮影され、全世界で10億ドル近い興行収入を記録したこの映画を宣伝する小さなポスターが1枚だけ貼られていた。

この映画は、原爆の発明を主導したアメリカの物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの物語である。

クリストファー・ノーラン監督の監督賞、主演のシリアン・マーフィーの主演男優賞を含む7部門を受賞し、絶賛を浴び、今月のアカデミー賞で最も注目を浴びた作品となった。

しかし、最初の核爆弾で壊滅的な被害を受けた広島では、この伝記映画のアカデミー賞受賞は複雑な反応だった。

広島国際映画祭の代表を務める部谷京子氏は、授賞式の後、AFPの取材に対し、ノーラン監督の映画は「アメリカ中心」だと感じたと語り、「本当に広島の人たちが見るに耐えられる映画なのでしょうか?」と述べた。

現在、広島市は120万人の人口を抱える大都市として繁栄しているが、ドーム型の廃墟は、原爆資料館やその他の悲惨な記念碑とともに、原爆投下の恐怖を今に伝えている。

部谷氏は、熟考の末、”今は多くの人に映画を見てもらいたい “という。

「この映画のおかげで、ヒロシマ、ナガサキ、そして原爆が議論の対象になればうれしい」と彼女は述べた。

昨年、日本では “バーベンハイマー “のバイラル・ミームがネット上で怒りの火種となり、原爆の被害を描いていないという批判がメディアによって取り上げられた。

被爆者で元広島市長の平岡敬氏(96)は、今月初めに広島で開催された特別上映会で、「原爆の恐ろしさについて、もっと多くの描写や描写があったはずだ」と語った。

『オッペンハイマー』は長崎での試写会でも上映され、被爆者の友永正雄さん(80)は映画に感銘を受けたと語った。

「この映画には被爆者の映像がないのが弱点だと思っていました」と、2番目の原爆が投下されたとき2歳で、後に原爆による白血病を研究する教授となった友永氏は語った。

「しかし実際、オッペンハイマーの何十もの場面でのセリフは、原爆の現実にショックを受けていることを示していた。私にはそれで十分でした」

AFP

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