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砂漠の凧:サウジアラビアのもう1つの古代地質学的な謎

カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。(写真:モース・アロフィ)
カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。(写真:モース・アロフィ)
カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。(写真:モース・アロフィ)
カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。(写真:モース・アロフィ)
カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。(写真:モース・アロフィ)
カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。(写真:モース・アロフィ)
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10 Nov 2020 08:11:56 GMT9
10 Nov 2020 08:11:56 GMT9
  • これらの構造物は、村落、動物を集めるための罠、または埋葬地や墓であると考えられている

Rawan Radwan

ジェッダ:サウジアラビアの考古学者は、最新の衛星・航空写真技術の助けを借りて、アラビア半島の古代砂漠文明の全く新しい視点を得ている。

航空写真や衛星の利用が進んだことで、アラビアとその周辺の地図を高解像度で見ることができるようになり、砂漠の凧として知られている岩の構造の印象的な配列が明らかになった。

長い壁が取り囲むようにできた乾燥した石造りの構造物は、1920年代に初めて発見された。第一次世界大戦中にレバントとサウジアラビア北部の砂漠の上空を飛行していたパイロットが、多角形、漏斗、三角形に似た構造物を見たと報告している。

凧の目的については学者の間で様々な説があり、村落や動物を集めるための罠であったとする説もあれば、埋葬地や墓であったとする説もある。

サウジアラビアの西部地域に広がっているこの構造物は新石器時代のものと考えられており、アラビア半島最大の溶岩地帯の1つであるハラット・カイバルの近くに集中している。

空からの調査により、凧の様々な形状がその機能を表している可能性があることがわかり、牧畜民の大昔の技術者により、数千年の期間にわたって作られたと考えられている。

デビッド・ケネディ氏、レベッカ・バンクス氏、マシュー・ダルトン氏が実施した調査研究によると、カイバル周辺には様々な形や大きさで建てられた推定917の凧があり、そのうちのいくつかは紀元前5世紀から7世紀の間にさかのぼるという。それらの構造物は門、三角形、凧、的あての的、そして鍵穴に似ている。実業家であり、熱心なパイロットでもあるアブドルアジーズ・アル・ダキール機長は、2015年から2人乗りの飛行機のコックピットから凧の地図を作っている。同氏は同僚と一緒に、サウジアラビアの西部地域を中心に構造物の空撮を行ってきた。

グーグルマップやその他の衛星画像サイトを利用して、アル・ダキール氏は長い時間をかけて飛行し、構造物のおおよその位置をピンポイントで特定してきた。

「構造物は場所によって形が異なり、あるものははっきりした形で作られていて、またあるものは無造作に作られています。それらを1つのカテゴリーや地域にまとめるのは非常に難しく、たくさんの努力が必要です」と同氏は話した。

構造物のほとんどはカイバル溶岩地帯の周辺に集中していると考えられているが、ルブアルハリ砂漠にかけての南部でも見つかる。
芸術家で探検家のモース・アロフィ氏は、5年前にアル・ダキール氏と同氏のチームに加わって以来、これらの構造物に興味をそそられてきた。

衛星技術の助けを借りて、チームは砂漠の風景の中で構造物を詳細に記録することができ、高解像度の画像により、考古学者は構造物の目的や構造物を設計した技術者についての理解を深めることができたと、アロフィ氏は述べている。

「構造物の中には、非常に洗練され、よく設計されたものもあります。地上や山の斜面の側面で構造物を見つけることができ、ハラット・カイバル周辺の凧の数は膨大です」とアロフィ氏は付け加えた。

同氏は2017年に、砂漠の構造物にスポットを当てた航空写真シリーズ「パンゲアの人々」を発表した。

火山のクレーターの間に隠れ、玄武岩地帯の黒さで見えづらくなった構造物の形は、動物や平たいピラミッド、月明かりの中で吠えるオオカミ、クリスマスツリーのようにも見える。

アロフィ氏は次のように話した。「私はこれらの構造物を集中的に追い求め、長い間研究してきました。それは謎であり、その背後にある非現実的な思考が私を魅了し、驚愕させます」

「すべてを発見したと思えば新しいものを発見し、さらなる研究には長い道のりがあります」

「凧は最近発見されたものではなく、何年も前からよく知られているものです。しかし、衛星画像と航空写真の助けを借りて、サウジアラビアの人々に2つとないものを紹介することで、この土地に存在した歴史的な文明の物語を伝えることができます。 私たちの土地はまだ発見されていない謎に満ちています」と同氏は付け加えた。

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