
ヘプシ・アルシャマリ
リヤド:専門家らは、サウジアラビアをはじめとする湾岸協力会議(GCC)に所属する都市の多くが、新たな「グローバル都市指標」(GCI)から除外されたことについて、政府と社会セクターによる支援が、サウジアラビアや他の湾岸協力会議(GCC)に所属するの都市を変革する鍵であると述べた。
世界的経営・コンサルティング会社であるカーニー社が発表した今回の「グローバル都市指標」では、世界の主要都市間でトップを争う激しい競争が特徴づけられた。しかし、27位のドバイ以外、今回の指標に湾岸都市は含まれていなかった。
第 10 回 GCI 報告書では、世界都市の将来展望について、各都市の競争力を総合的に分析して示した。また本報告書は、新型コロナウイルス(COVID-19)が各都市を分類する際の基準に与える影響や、都市の指導者らが取り組むべき課題についても強調した。また、報告書は都市が未来の未曾有の課題にどのように対処していくかにも光を当てている。
また、今回の報告書は都市に対し、危機から抜け出す方法を示しており、さらに都市が未来に向けた準備をすることを支援する内容が示されている。
東部州の自治体で副市長補佐を務めるマゼン・バクルジ氏は、サウジアラビアの都市が直面している課題の一つに、不均衡な人口密度が横這いで推移していることが挙げられると述べた。
バクルジ氏は、各都市は、住宅から徒歩圏内に住宅、ビジネス、レジャースペースの場所を最大化する都市開発の一種である公共交通指向型開発・設計戦略を採用すべきだと述べた。また、その他の課題として、サービスの不十分さやインフラコストの上昇などが挙げられ、その障害や課題は都市によって異なることが多いと付け加えた。
さらに都市計画の担当者であるバクルジ氏は、サウジアラビアの都市村落省が国連人間居住計画に参加し、サウジアラビアの都市の将来について研究したと述べた。本研究では、意思決定者のための測定指標は、都市の実績や経営を評価するために設計されるべきである一方、意思決定のプロセスに貢献するものであるべきだと提案した。
評価は5つの側面から構成されている。生産性、インフラの整備、社会的統合、環境の持続可能性、都市の行政である。
これらは持続可能な都市開発のための基本的な側面であり、各都市の予測を考慮した資本改善計画によって業績を測定する必要があるとバクルジ氏は述べた。
市当局の役割の一つは、主要な業績指標を設計し、サービスを提供し、持続可能性と前進を確保することである。「これはサービス提供者と調整を行うことで実現できます。これにより開発プロジェクトの優先順位を特定し、効率的かつ計画通りに進むことを確保するのです」とバクルジ氏は語った。
さらにバクルジ氏は、「先駆者の地位」を求めるあらゆる都市にとって、社会との関わりは不可欠であると述べ、民間セクターや社会的団体、ボランティア団体を通じた都市の「社会的役割」は、ニーズや要求を満たし、人間化を実現するために不可欠であると付け加えた。
先駆者としての地位を求める都市にとって、社会との関わりは欠かせないものである。
東部州の自治体職員であるマゼン・バクルジ氏は、「サウジ・ビジョン2030」の一部である「Quality of Lifeプログラム」は、国内3つの主要都市を中心としたサウジアラビアの都市の質の向上に貢献していると述べた。
サウジ・グリーンビルディング・フォーラムのファイサル・アル・ファドル事務局長は、湾岸都市が今回発表された指標に含まれていないという事実は、「都市に競争力があるかどうかを反映していない 」と述べた。
「(指標の中で)特に取り上げられた都市は、この指標の重要性を遵守すべきです。この指標の重要性には、持続可能な開発目標及びグリーン・システムの達成に向けた、都市の既存および将来の取り組みが反映されています」と述べた。
都市・地域計画の専門家であるアル・ファドル氏は、協働行政と地域の都市を変革するために必要な長期計画における市当局の重要な役割を強調した。
「市当局は経済成長のバランスをとり、価値の高い農地と生態系サービスを保全するために、国や地域を超えた都市計画を行うべきです。」
「さらに市当局は、形成と再建を防ぐ土地利用計画をとおして、「ゼロスラム都市 」の開発を行うべきです。これには 省資源・災害に強い建物や多層階建ての建物も含まれます。
さらに、「各機関は、サウジ・グリーンビルディング・フォーラムによるSAAF格付けシステムのような革新的で収益性の高い交流を通じて、各システムレベルで資源効率と報告を促進すべきです。サウジ・グリーンビルディング・フォーラムは再生可能エネルギー、清潔な水、廃棄物、インフラに関する国連との協議資格を持つNGOです」と同氏は述べた。
都市政策やインフラの拡充には公共機関の役割も重要であり、都市における社会・経済・環境プロジェクトのバランスも重要であると、アル・ファドル氏は述べた。また、同氏は、「グリーン・リヤド」のような「注目すべき」プロジェクトや、都市の前進を後押しする主要地域における垂直的拡大があると付け加えた。
さらにアル・ファドル氏は、都市計画の「デフォルト」を、都市計画者が監視する線形モデルから円形モデルに移行させることにより、コミュニティ中心のものにしなければならないと述べた。また、「都市の気温を1.5℃下げる取り組みの一環として、企業や産業界が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることに取り組むよう、各国は規制の策定にむけ努力すべきです」と付け加えた。