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トルコはもうサウジアラビア人観光客の旅行の選択肢ではなくなった。

海外渡航における安全保障上の懸念が、トルコの観光産業に打撃を与えている。(ロイター通信/ファイル)
海外渡航における安全保障上の懸念が、トルコの観光産業に打撃を与えている。(ロイター通信/ファイル)
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30 Dec 2020 03:12:48 GMT9
30 Dec 2020 03:12:48 GMT9
  • 海外渡航における安全保障上の懸念が、トルコの観光産業に打撃を与えている。トルコへの観光客の渡航人数の減少が、トルコ経済の困窮により拍車を掛けている。

モハメド・アルキナ二

ジッダ:サウジアラビア人は良く旅行に行く事で有名である。しかしコロナウイルス感染症の流行とそれに伴うロックダウンが、海外旅行市場に深刻な影響を与えており、サウジアラビアもその例外ではない。

しかし、コロナウイルスに有効なワクチンが普及すれば、観光産業復活への希望は望めるだろう。サウジアラビア人はもう一度世界中を旅行し、彼らのお気に入りの場所に訪れられる日を切望している。

以前トルコは、サウジアラビア人からとても人気のある旅行先であった。しかし、コロナウイルス感染防止の観点から、大陸を横断しての渡航は敬遠されるようになってしまった。海外渡航における安全保障上の懸念が、トルコの観光産業に打撃を与えている。トルコへの観光客の渡航人数の減少が、トルコ経済の困窮により拍車を掛けている。

トルコ文化観光省のデータによれば、サウジアラビアからの観光客の渡航人数は、昨年の8月に大きく減少しており、一昨年の8月時点の人数から28%も減少していた。さらに同時期のアラブ首長国連邦からの渡航人数は、16%も減少していた。

10月にイスタンブールで外国人を標的にした、テロリストによる暴行や誘拐未遂事件の報告が確認された際には、注意勧告がトルコのアメリカ在外大使館より発令された。

トルコのアメリカ在外大使館は、アメリカ市民に対し「会社のオフィスや、ショッピングモールなどアメリカ人や外国人が集まるような場所を警戒して行動するように」と助言を行った。その助言は、アメリカ市民に人混みを避け、周囲を警戒し、外国人が多い場所では注意を払うよう努めて、地元メディアの最新情報に注目するよう促した。

サウジアラビア当局も、サウジアラビア市民に対してトルコに渡航する際は、強盗や詐欺行為の標的にされる可能性があるので注意するよう呼びかけた。

サウジアラビア人の教師、サラ・サレムは「トルコは本当に美しい国ですが、もう安心して渡航する事は出来ない。」とアラブニュースに語った。

「トルコには3回訪れたけど、自然の美しさに感動したよ。でも2017年に訪れた時は、散々だったよ。その時に体験した事のせいで、もうトルコに行きたいとは思わなくなった。私は多くのトルコ人店主が、通常の値段より高い値段で物を売りつけようとしているのに気が付いたんだ。私がトルコ人の友達になんでそんな事をするのか尋ねたら、「トルコ人の生活は年々苦しくなっていて、そういう人達は裕福な国から来る観光客を利用しようとしているんだ。」と答えたんだ。とてもショックだったよ。」とサレムは言った。

タクシードライバーも同じく貪欲になっている、とサレムは続けた。「タクシーには本物のタクシーメーターが備え付けられているけど、多くのタクシードライバーが目的地に到着するまでにわざと遠回りをしようとするんだ。」

「スルタンアフメット地区からタクスィム広場まではだいたい6.5kmで、トラムで行けば4リラ(0.5ドル)、タクシーで行けば15リラかかる。でも中には、30リラ請求しようとするタクシードライバーもいるんだよ。タクシーメーター通りに支払うとタクシードライバーに伝えると、彼らはその通りにしてくれる。でもわざと遠回りをしてメーターが30リラ以上になるまで走り続けるんだ。」とサレムは付け加えた。

大学院でアラブの研究をしているアブドラ・アルドーガは、「トルコにはいつも行ってみたいと思っているが、近年の事情を聞くと他の国に行こうと考えてしまうよ。」と語った。

「メディアや政府が、観光客が命を落とす可能性があると強調している国にわざわざ行きたいとは思わないよ。他に行きたい国もあるし、代案はいくらでもあるからね。」アルドーガはさらに結婚して2人の子供がいるから、危険を冒してまで旅行は出来ないと付け加えた。

「友達はみんなトルコは休暇を過ごすのに安全な場所ではない。アゼルバイジャンやジョージア、アルメニアの方が、観光客にとってはオススメの場所だ、と言っているよ。」とアルドーガは語った。

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