
Ruba Obaid
ジッダ:検閲されていない音声会話ソーシャルアプリClubhouseに、ここ数週間で数千人のサウジアラビア人ユーザーが移行した。
Androidユーザーはまだ利用できないが、Clubhouseは現在、サウジアラビアのApp Storeのソーシャルメディアネットワーク部門で最も人気のあるアプリだ。
このアプリの人気の高まりは、他のアラブ諸国にも広がっている。
「とても楽しく、使いやすいプラットフォームで、全ユーザーが交流、会話、部屋への参加の機会を平等に与えられています」とユーザーのFahad Mohammedさんはアラブニュースに語った。
Clubhouseのユニークな所は、ユーザーなら誰でも聞くことができるリアルタイムの音声会話だ。
さらに、招待制のプラットフォームであるため、ユーザーは他のソーシャルアプリのようにApp Storeから簡単にダウンロードしてアカウントを作成することはできない。その代わりに、このネットワークへの参加を希望する人は、既存のClubhouseメンバーから招待される必要がある。
しかしClubhouseは1月の初めに、今はClubhouseを全世界に開放することに重点を置いていると発表した。
現在、新規メンバーには1つずつ招待枠が割り当てられている。しばらくすると、新規ユーザーはあと3つ招待枠がもらえる。既存メンバーから招待された人は、他に参加する人を最終的に4人まで選ぶことができる。
招待制モデルであるため、Clubhouseのメンバーシップは非常に貴重だ。そのため、サウジアラビアの多くのユーザーはTwitterで招待枠を売りに出している。価格は1枠15~200サウジアラビア・リヤル(4~53ドル)だ。
フォローやリツイートと引き換えに招待枠を提供している人もいる。
多くのサウジアラビア人が、この革新的なコミュニケーション媒体に夢中になっていると述べた。Mohammedさんはソーシャルメディアで交流するのを長い間避けてきたと言ったが、彼はついに、バーチャルな交流にもう一度チャンスを与えたくなるプラットフォームを見つけた。
「正直なところ、私は最近このアプリに何時間も費やしています」と彼は話した。「Clubhouseによってソーシャルメディアネットワークは新たな段階に入ると考えています。Clubhouseはユーザーにとって快適な環境を提供していて、急速に成長し、期待の持てるサービスを提供する大きな可能性を秘めています」
サウジアラビアでは、チャットルームにテクノロジー愛好家、起業家、読書家、株式市場の投資家、ソーシャルメディアのインフルエンサー、そして政府高官が集まっている。
サウジのアハマド・カティブ観光相とアブドゥラ・スワハ通信相もこのネットワークに参加した。カティブ氏は14日、サウジの観光について話すチャットルームに参加した。
このアプリは、ただ楽しみ、知らない人と出会いたい人や、重要な他者を見つけたい人の心にも訴えている。
今のベータ版の段階ではClubhouseのルールは緩い。このアプリはあらゆる差別的、攻撃的行動を強硬に阻止しているが、会話の流れのコントロールは部屋のホストやモデレーターに委ねられている。
「チャットルームに参加して、意見やアイデアを大切な人たちと共有できるのはいいことです」とユーザーのSarah Al-Mulhimさんはアラブニュースに語った。「私個人としては、何らかの形で既に知っている人との真面目な議論に参加するだけです」
しかし、ただ暇を潰すために、何も知らない人とざっくばらんな議論をしようとはしないだろう、と彼女は付け加えた。「労力の無駄もいいところです」と彼女は言った。
Osama AdelさんはAl-Mulhimさんに同意した。「誰でも参加でき、言いたいことが言えるというのは、好きではありません。一部の部屋は、特に、互いに強い印象を与え、目立とうと懸命になっている見知らぬ人たちがたくさんいるときは混沌としています。好きだったのは、友達と一緒に参加した部屋だけでした」
Clubhouseの部屋は人々を、ホスト、モデレーター、オーディエンスの3つのグループにまとめる。
この設定は、会議でのバーチャル・パネルディスカッションのようだ。
この招待制のアプリは2020年3月からあるが、最近ソーシャルメディアで話題になっている。
CNBCによると、このアプリのユーザーは2020年5月には1500人しかおらず、価値は1億ドルだった。
このアプリは、サウジアラビアでは起業家や、テクノロジー企業への投資家の間で広まり始めた。その後、インフルエンサーやコンテンツメーカーが加わったことで急速に広まった。
Clubhouseの登録済みユーザー数は600万人、価値は10億ドルになり、すぐにトップ・ソーシャルメディアネットワークの一つになった。Backlinkoのレポートによると、400万人のユーザーが今年の1月と2月の間に登録した。
米国のいくつかのテクノロジーサイトによると、テスラの創業者でシリコンバレーの大物であるイーロン・マスク氏がClubhouseのチャットルームで取引プラットフォーム、ロビンフッドのCEO、ブラッド・テネフ氏と長時間の議論をした後、ユーザーが急増したという。
数百万人のソーシャルメディアユーザーがマスク氏の後に続いたのはこれが初めてではない。同氏は数週間前、SignalというアプリをWhatsAppに代わるものとして宣伝した。マスク氏はClubhouseで最もフォローされているユーザーであり、24万人以上のフォロワーがいる。