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ペトリオット・ミサイルの購入は、サウジアラビアの防衛力強化、世界のエネルギー供給の確保に役立つ、とギリシャ外相は語る

リヤドでギリシャのデンディアス外相(左)が、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談  (ギリシャ外務省)
リヤドでギリシャのデンディアス外相(左)が、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談 (ギリシャ外務省)
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22 Apr 2021 09:04:28 GMT9
22 Apr 2021 09:04:28 GMT9
  • ニコス・デンディアス外相は、サウジアラビアの開発計画を「歴史的」とみなし、ギリシャも一役買いたい、とアラブニュースに語った。
  • トルコは、意図せずとも東地中海諸国と湾岸諸国にその共通の原則・関心事項に注目させ、これら2つの地域を結び付けた、と彼は述べた。

ラワン・ラドウァン

ジッダ:ギリシャがサウジアラビアに提供するペトリオット防空システムは、王国の安全保障を強化するだけでなく、世界のエネルギー供給を確保するものである、とギリシャのニコス・デンディアス外相はアラブニュースに語った。

彼は火曜日、サウジアラビアで王国の国防能力を支援するギリシャ軍の法的地位に関する協定案に署名した後、独占インタビューで上のように語った。

その前に、デンディアス外相とギリシャのニコス・パナギオトポロス国防相は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談した。 サウジアラビアの通信社によれば、その会談では現在の地域問題に加え、ギリシャとサウジアラビアの二国間関係、様々な分野での協力、そしてそのような協力を支援・発展させる方法について検討が行われた。

この会談にはまた、サウジアラビアのハリド・ビン・サルマン副国防相とフェイサル・ビン・ファーハン外相も出席した。

「私が今日ここにいるのはサウジアラビア王国と協定を結ぶためです。この協定により、王国の防衛を支援すると同時に世界中のエネルギーを確保するために、ギリシャの(一連の)ペトリオット・ミサイルがサウジアラビアに設置されることになります」と、デンディアス外相はアラブニュースに語った。

彼は、ギリシャとサウジアラビアの協力は「無限である」とし、「新しい時代の到来であり、しかも急速に進展している」と付け加えた。

「防衛においても達成できることはたくさんあります。エネルギーを確保し、志を同じくする国の間の協力を促進する風土をつくることにおいても達成できることはたくさんあります。 すでに多くのことをしましたが、やるべきことはまだまだたくさんあります」と語った。

両国間の協議は防衛以外の分野にも及んだ。 サウジアラビアは、王国の変革と発展の計画に貢献する国際企業や外国の投資家に門戸を開いている。

「お金だけではありません。サービスを輸出するだけでもありません。ギリシャとサウジアラビア王国にとって良いというだけではありません」と同氏は述べた。

「これは歴史的な要素があると言わざるを得ないプロジェクトです。 巨大な変化であり、私の国ギリシャはその一部になることを望んでいます」と述べた。

ギリシャのニコス・デンディアス外相は、サウジアラビアに提供するペトリオットの防空システムは王国の安全保障を強化する、とアラブニュースに語った。 (アラブニュース 写真/フダ・バシャタ)

デンディアス外相は4月16日、アンカラで開催された共同記者会見で、トルコの外相と公然と衝突したと報道され、注目されていた。 彼は地中海東部における領有権問題をめぐる数カ月にわたる緊張緩和を目指し、トルコのタイイップ・エルドアン大統領とメヴルット・カブソグル外相と会談を行った。 関係改善の希望とともに始まった記者会見だったが、間もなく双方からの激しい非難に陥った。

デンディアス外相はアラブニュースに次のように語った。「意図せずともトルコは、他の誰もがトルコ人は異なるやり方で行動するのかと思わせるような方向に議論を持ち込みました。彼らは、国際法、国際海洋法、良好な近隣関係に基づいて。。。と理解しています。」

さらに、「しかし、将来私が望むことは、トルコは進むべき正しい道を理解することであり、最終的には、諸国間の通常の相互理解を受け入れることです。 しかし勿論、楽観主義者であるということは、見ぬふりをすることをではありません。 それを見るのは、まだまだ先のことでしょう」と語った。

ニコス・デンディアス外相は、サウジアラビアで王国の国防能力を支援するギリシャ軍の法的地位に関する協定案に署名した後、アラブニュースのインタビューに応じた。(アラブニュース 写真/フダ・バシャタ)

地中海東部の石油・ガス掘削をめぐってトルコ、ギリシャ、キプロスを巻き込んだ紛争について、彼は「ギリシャは再生可能エネルギーを信じています。 ギリシャは(この)非常に単純な理由から、石油やガスを見つけるために地中海の底を掘り始める予定はありません」と述べ、こう続けた。

「探索・開発には10~20年を要し、コスト面では例えばサウジアラビアよりもはるかに高価になります。 ですから、経済的にもギリシャは産油国になるとは思いません。」

「恐れながら、エーゲ海は地球上の楽園です。 それをメキシコ湾にするつもりはありません。 ですからギリシャはエネルギーの供給を望んでおり、サウジ王国と良好な関係を築きたいと考えています。そして今後、石油・ガス生産国になる計画はありません。」

国連世界貿易機構によれば、ギリシャは2019年に3,300万人の国際観光客を迎えて過去最高の記録を更新した。世界の観光業界をリードしており、多くの観光客の希望目的地リストの上位にある。

サウジアラビアのアフメド・アルハティーブ観光相は今年初め、王国は2023年までに580億ドル規模の観光インフラへの新規投資を誘致することを目指すと発表した。 現在、このセクターはGDP全体の3.5%を占めており、目標はこの数字を10%に引き上げることである。

ギリシャのデンディアス外相が、リヤドでサウジアラビアのフェイサル・ビン・ファーハン外相によって迎えられる。 (ギリシャ外務省)

デンディアス外相はサウジアラビアは観光セクター発展の潜在性が高いと考えており、ギリシャのこのセクターでの豊富な経験を基に、両国の国民は互いに多くの貢献ができ、「多くの人が、私が(今この王国で)見ているものを見たいと思っています」と述べた。

彼は、地中海東部と湾岸は地理的に異なる2つの地域で、異なる脅威認識があるという考えを否定し、両地域は共通の課題に直面していると主張した。

彼は、両地域の課題は、平和な関係からの脱却し「より良い隣人」になる代わりに、より多くのトラブルを生み出そうとしている同じようなビジョンを持つ2つの前線から生まれていると述べた。

「グローバル化が到来し、脅威や難題は以前よりもむしろ一般的です」とデンディアス外相はアラブニュースに語った。 「私は、このグローバル化した世界では、私たちが過去に信じていたよりも、物事がずっと近づいていると考えています。 湾岸諸国、東地中海諸国を含めたほとんどの国は共通の難題に直面しており、共通の答が必要です。」

デンディアス外相は、サウジアラビアとギリシャは、過激主義を否定し、安定を支持するなど、最も緊迫する課題において一致していると述べた。 「私たちはこの地域に関し共通の理解を持つよう努力しなければなりません」と同氏は語った。 「この地域のすべての国は、国際法、(国連)海洋法(条約)、国連憲章、善隣友好関係に従って行動すべきです。」

ギリシャのデンディアス外相が、リヤドでサウジアラビアのフェイサル・ビン・ファーハン外相と会談。 (ギリシャ外務省)

良好な隣人関係を目指すことが「私たちの目標であるべきです」と彼は述べ、「それは容易でしょうか。おそらくそうではありません。 それは実行可能でしょうか? 私の答えは、はいです」と付け加えた。

デンディアス外相は、難民の困難な問題と、アフリカや中東からヨーロッパに到達しようとする何万人もの移民や難民の通過点としてギリシャが直面している課題にも触れた。

2016年3月、ヨーロッパ連合は数十万人の移民がEUに到着するために通過するトルコと画期的な協定を結び、そこで亡命希望者の入国数を制限しようとした。

この協定では、ギリシャに入国しようとする非正規移住者はトルコに戻され、アンカラは新たな移住ルートを阻止する措置をとることになった。 これと引き換えに、EUはトルコからのシリア難民を個別の事情に応じて再定住させ、トルコ市民に対するEUへのビザ制限を緩和し、シリア移民コミュニティの支援のためにトルコに60億ユーロを支払い、関税同盟を更新し、トルコのEUへの加盟をめぐる交渉の停滞を再活性化することで合意した。

しかし2020年春、アンカラはギリシャに何十万人もの移民を送り込むと脅したために緊張が高まった。アンカラは結局実行には移さなかった。

デンディアス外相は、移住と難民の危機は、特に地中海東部における新たな緊張と危機のため、解決するのが非常に困難であると述べた。

「ギリシャとヨーロッパ連合に圧力をかけるために、独自の理由で難民危機を利用した国があり、そのようなことは受け入れられない」と同氏は述べた。

彼は次のように付け加えた。「地中海周辺の国々が安定し、適切に機能する状態になれば、問題解決ははるかに簡単になるでしょう。シリアとリビアのことです。また、私たちはレバノン発の難題にも対応しなければなりません。」

さらに「それでも、現在達成しようとしていることは、私たちヨーロッパ家族内のことです。 ギリシャは、ヨーロッパ連合と共に、移住と難民問題という大きな課題に対処するための新たな体制を整えようとしています」と述べた。

2015年全体で、海上経由でトルコからギリシャへの移民到着件数は856,723件であった。 国連高等難民弁務官事務所によれば、昨年は15,696件であった。

「難民・移民の危機は解決の目途が立っていません」とデンディアス外相は述べた。 「この問題には今後継続的に取り組むことになります。 そして、周到に備える必要があります。」

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Twitter:@Rawanradwan8

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