
アラブニュース
ロンドン:サウジアラビアのアフマド・ビン・スレイマーン・アル・ラージヒー労働・社会発展大臣は23日、イタリアで開催されたG20労働雇用相会合に出席した。
大臣によれば今回の参加では、持ち回りで今年の議長国を担当するイタリアを、トロイカ体制の一角としてサウジアラビアが支援する。トロイカ体制とは現議長国、前議長国(サウジアラビア)、次期議長国(インドネシア)による協力体制のことで、G20の継続性を確保するための運営の枠組みとなっている。
今回のG20労働雇用相会合では参加国の教育相との合同会合も行われ、若年層の労働市場への参入促進を支援することなどが議論された。個別会合の後で合意に達し、合同宣言が採択された。
Highlights from the Remarks made by HRSD Minister Eng. Alrajhi during the #G20 Labour & Employment Ministerial Meeting in Italy 2021. pic.twitter.com/cTspPfttsQ
— وزارة الموارد البشرية والتنمية الاجتماعية (@HRSD_SA) June 23, 2021
アル・ラージヒー大臣は演説の中で次のように述べた。「サウジアラビアは、前回から継続して取り組んできた女性雇用の促進、労働市場における男女平等、デジタル化時代における働き方、社会的保護システムなどの優先事項を採択した議長国イタリアの努力を称賛する。これらの分野はG20各国および世界の社会政策における最重要課題だ」。
また大臣は、サウジアラビアが議長国を務めた昨年、採択された「G20若年者ロードマップ2025」の作業の継続を求めたほか、女性の雇用や労働市場における男女平等などの重要課題について、前回の大臣級会合での宣言を具体的に進展させる機会となるとの見方を示した。
そして、G20ブリスベン・サミットで合意した労働力率の男女間格差縮小目標について、サウジアラビアでは大幅な進歩がみられたと述べた。
The Declaration verges on three topics that the #G20Italy has placed at the core of the debate:
— G20 Brasil (@g20org) June 23, 2021
1) Women’s employment and gender inequality
2) Adaptation of social protection systems
3) Regulation of rapidly spreading forms of employment such as work performed remotely.
大臣は「2014年から2020年までのデータで、サウジアラビアの労働市場ではブリスベン目標を超え、男女間格差を27%縮小させた。2016年の国家改造計画において女性の参画を2030年までに30%まで増加させるという目標を設定したが、この数値は2020年までに33.2%に達し、目標を上回った。非常に野心的で困難な目標を超える成果を出したことで、サウジアラビアの進歩向上が証明された」と強調した。
アル・ラージヒー大臣はまた、現代、とりわけ新型コロナウイルス危機の期間は労働市場は世界情勢に大きく左右されると指摘したほか、人工知能など新たなテクノロジーの活用が加速しており、非常に伝統的なビジネスモデルにおいてさえ、その傾向がみられると述べた。
また、十分な社会的保護システムのほか、賃金、労働衛生、安全、労働時間などにおける労働者の権利保護のために適切な雇用形態の分類が必要だと訴えた
アル・ラージヒー大臣は代表団を率い、21日にカターニアで開幕したG20の大臣級会合に参加した。代表団にはトロイカ体制でサウジ側の雇用グループを率いる労働問題担当次官のアフマド・アル・ザフラニ氏や国際問題担当次官のアドナン・アル・ナイム氏がいる。