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『フランクリー・スピーキング』インタビュー:サウジと米国、中東の紛争解決に向け多方面で緊密に協力 在米大使館ナゼル報道官

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12 Jul 2021 12:07:00 GMT9
12 Jul 2021 12:07:00 GMT9
  • 在米サウジアラビア大使館の報道官は、米国とサウジアラビアの関係は強化、深化、拡大し続けると述べた
  • 報道官はインタビュー番組『フランクリー・スピーキング』に出演し、中東における米国の政策に関連する多くの側面について、サウジアラビアの見方を説明した。

フランク・ケイン

ドバイ:サウジアラビアと米国は、一部の問題についてサウジ側とバイデン政権に意見の食い違いはあるものの、強固で永続的な関係を保っている、とワシントンの在米サウジアラビア大使館のファハド・ナゼル報道官はアラブニュースに語った。

「サウジアラビアと米国の関係には、過去75年間続いてきた長い歴史があります。ただ続いてきただけでなく、両国の関係は米国が共和党政権の時も民主党政権の時も、深まり、強化され、拡大し続けてきたのです」とナゼル報道官は指摘した。

一方で、報道官は、サウジアラビアが中東におけるバイデン政権の政策のいくつかの側面、特にイランへのアプローチについて懸念を持っている、と警告している。

「私たちは常に、合意の『サンセット条項』について幾分懸念を抱いていました。事実上、合意を一時的なものにする条項だからです。私たちは求めるのはより永続的なものです。また、イランのミサイル計画についても懸念がありました。さらに、おそらく最も重要な点ですが、この地域の民兵組織や非国家主体へのイランの支援に対処しないことについて、私たちは常に憂慮していたのです」とナゼル報道官は説明した。

2019年11月10日、イランのブシェール原子力発電所2号機の本格着工の公式な式典でたなびくイラン国旗。(資料AFP)

2019年からリーマ・ビント・バンダル駐米サウジアラビア大使の報道官を務めているナゼル氏は、重要な政治関係者へのインタビュー動画番組『フランクリー・スピーキング』(Frankly Speaking)に出演し、質問に答えた。

幅広い話題が語られた番組の中で、ナゼル報道官は、イエメンでの紛争、最近のサウジアラビアからのパトリオット防空システムの撤収、イスラエルとの関係の正常化の可能性など、中東における米国の政策に関連する多くの側面についてのサウジアラビアの見方を説明した。

ナゼル報道官はアラブニュース米国支部の元ジャーナリストであり、今回のインタビューでもサウジアラビアを批判することもある米国のメディアとの「オープンなコミュニケーションが取れるチャネル」を保つことの必要性を指摘している。

報道官はまた、米国とサウジアラビアの間の「多元的な」関係についても具体的に語った。

「両国の関係は多元的なもので、政治的な要素、軍事と安全保障の要素、経済的な要素、それから(やや過小評価されているが)非常に重要な人対人の要素も含んでいます。こうした多元性は、両国の関係が試練に耐えて長年保たれてきた大きな要因でもあります」とナゼル報道官は述べている。

イエメン情勢に関しては、反政府勢力フーシ派のテロ組織指定を解除するというバイデン政権の数か月前の決定にもかかわらず、サウジアラビアと米国は紛争を終わらせるために協力して努力している、とナゼル報道官は語る。

「実際にサウジアラビアと米国はこの地域での多くの紛争の解決に向けて複数の面で非常に緊密に協力しています。中でもイエメンでの紛争と現在の危機が最重要課題になっているのは確かです」

イラクのハシュド・アル・シャアビはイランが支援する民兵組織の1つで、地域の安定を脅かしている。(資料写真AFP)

「両国の政策はかなりの程度一致していると思います。サウジアラビアと米国はともに、イエメンの紛争の解決に向けた国連の取り組みを支持しています。両国ともに同紛争の政治的解決を目指しており、また人道援助の提供者でもあります。実際、サウジアラビアはイエメンへの最大の人道援助提供者となっています」とナゼル報道官は言う。

サウジアラビアの副国防相であるハリド・ビン・サルマン王子は、最近ワシントンを訪問し、米国の高官たちと会談した。ナゼル報道官は次のように言う。「私たちと米政権とのやり取りから、および米国の関係者たち、特にティム・レンダーキング イエメン担当特使の発言から見て、米国がフーシ派の脅威を理解していることは疑いありません。」

報道官は、最近のサウジアラビアからのパトリオット防空システムの撤去は、米国がサウジアラビアに「背を向ける」意味を持つものではない、と強調している。

「安全保障と軍事面での協力が、サウジアラビアと米国の関係の柱であることに変わりはありません。米国は、サウジアラビアが南部国境で直面しているフーシ派民兵の現実の脅威を認識し、理解していると思います」とナゼル報道官は語った。

「サウジアラビアと米国はまた、国際社会および中東・湾岸地域が直面する非国家主体やアルカイダやダーイシュのようなテロ組織の脅威に対抗するため、緊密に協力しています」

2019年12月6日、オーストリアのウィーンで開催された、イランの核開発計画に対する共同包括的行動計画(JCPOA)の会合に出席するイランの代表団。(資料AFP)

サウジアラビアと米国は、イラン核合意(包括的共同作業計画、JCPOA)の更新をめぐるイランとの交渉について「継続的かつ着実な対話」を行ってきた。「最初にJCPOAが締結された時、私たちはその内容についての懸念を伝えていました。最終的には合意を支持はしたのですが」とナゼル報道官は言う。

「私たちは、イランが核兵器製造のノウハウや技術を持たないよう保証するものはすべて支持します。」

ナゼル報道官は、イランをめぐる問題に関して、サウジアラビアは米議会の与党民主党と共和党両方の議員たちと良好な関係を維持していると付け加えた。「過去数か月の間に、イラン情勢によってサウジアラビアが直面している非常に深刻な安全保障上の問題を、米議会の指導部が理解していることは明らかです」と報道官は語った。

昨年のアブラハム合意に続いて、イスラエルとの関係を正常化するアラブ諸国が増える可能性は残っているとナゼル報道官は述べたが、それは、2002年に採択されたアラブ和平イニシアチブの条件(二国家解決と1967年の国境の承認)の実現に向けてどの程度進展があったかによるものだ、とのことである。

「アラブ世界とイスラエルの取引はまだ進行中です。中心的な紛争が解決され、イスラエルとパレスチナの間で和平が実現すれば、サウジアラビアだけでなく、アラブ連盟の他の加盟国との和平への道が確実に開かれると私たちは信じています」とナゼル報道官は語った。

気候変動問題担当のジョン・ケリー米大統領特使が最近サウジアラビアを訪問し、その成果として、米国とサウジアラビアはパリ協定の目標を達成するための国際協力の必要性について共同声明を発表している。

「サウジアラビアは持続可能な開発に全力で取り組んでいます。私たちは気候への脅威を非常に深刻に受け止めており、持続可能な開発こそが進むべき道であるということを理解しています。また、科学技術の力を活用することで、気象問題など、気候と開発に関する課題の一部に有効に対処できると信じています」とナゼル報道官は語る。

サウジアラビア大使館の広報担当者ファハド・ナゼル氏は、とりわけ人権問題においてときにサウジアラビア王国に容易ならざる対応を強いてきた、米国のニュースメディアに多くの時間を費やしているという。(資料写真AFP)

報道官は、サウジアラビアには風力や太陽光発電などのテクノロジーにおいて、および温室効果ガス排出を軽減するための炭素回収やその他の技術の開発のためのプログラムの先端性において、「競争上の優位性」があると指摘した。

また、ナゼル報道官は新型コロナの流行により石油価格が激しく変動した後、世界のエネルギー市場の安定に向けた動きの中でサウジアラビアと米国が協力して努力したことを強調した。

近年のサウジアラビアの外交政策には、中国、ロシア、インドなど、従来の西側の同盟国以外の国に手を差し伸べる傾向が見られる。しかし、ナゼル報道官は、こうした動きがこれまでの同盟関係へのダメージにつながるとは考えていない。「私たちは外交をゼロサムゲームだとは思っていません」と彼は言う。

ワシントンでの政治活動の他に、ナゼル報道官は首都以外でのパブリック・ディプロマシー(広報文化外交)のプログラムにも関わっており、全米のビジネスリーダーや市民団体のリーダーたちと会い、全国でメディアからのインタビューに応えている。

「私たちは米国が非常に大きな国であることを常にはっきりと認識しています。全米各地での活動のおかげで、ワシントンの外にもサウジアラビアの発展に大きな興味を持ってくれている人々がいることを直接はっきりと知ることができます」とナゼル報道官は語る。

「『ビジョン2030』は特に高い関心を集めています。私たちが交流する相手には学術機関、市民社会グループ、そしてもちろんビジネスのコミュニティなどがありますが、こうしたグループのすべてと関わっていくのが私たちの方針です。それらのコミュニティの多くが、サウジアラビアと長期的な関係を持ちたいと望んでいることが明らかです。」

しかし、彼の時間の大部分は、米国のニュースメディアとのやり取りに費やされている。彼らは特に人権問題に関して、サウジアラビアについて常に肯定的に報じてきたわけではない。

「言うまでもなく、米国のマスコミは規模の非常に大きい業界で、この番組は『フランクリー・スピーキング』(率直に言って)という名前ですから率直に申し上げれば、すべての報道メディアがバランスの取れたものの見方をしているわけではありません。しかし、私たちは何かサウジアラビアに関連するものに関心を持ってくれるのであれば、どんなメディアとの関係にも完全にオープンな姿勢で臨むことにしています」と報道官は語った。

ナゼル報道官は、20年以上駐米大使を務めたサウジアラビアの伝説的な外交官、バンダル・ビン・スルタン王子の娘であり、サウジアラビア初の女性大使となったリーマ王女の外交スタイルを間近に目にしている。

「リーマ王女のリーダーシップの下で働くことは間違いなく特権であり名誉です。彼女はここワシントンの当局者たちと非常に良好な関係を維持していますし、過去数年にわたって首都以外のあらゆる種類の米国人たちにも語りかけてきました」

「王女は米国が好きだと思いますし、サウジアラビアと米国の関係発展に情熱を持って取り組んでいることは間違いありません」とナゼル報道官は付け加えた。

ツイッター:@frankkanedubai

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