

アラブニュース
リヤド:サウジアラビアの国家遺産委員会は29日、ディルイーヤのアル・トライフ地区で行われた式典で、歴史文化遺産分野の推進戦略を明らかにした。
国家遺産委員会のヤッセル・アル・ ハルバッシュCEOは今回の戦略について、サウジ・ビジョン2030、および生活文化の向上、経済成長、国際的地位の上昇を含む、文化に関する広範な国家戦略目標に沿うものだと指摘した。そのうえで、戦略を策定する上で、公共、民間、さらに非営利団体のパートナーとも連携したと述べた。
文化相兼国家遺産委員会会長のバドル・ビン・アブドラ王子後援の下で開催されたプロジェクト開始式典には、歴史地区アル・トライフツアーも含まれていた。アル・トライフ地区はサウジアラビアが誇る6つのユネスコ世界遺産のうちの1つだ。他の世界遺産には、歴史都市ジェッダ、ヘグラの考古遺跡、ハーイル地方の岩絵、ヒマーの古代岩絵群、アハサー・オアシスがある。
他にも、サウジの8つの文化要素がユネスコ無形文化遺産に登録されているほか、8000を超える登録考古遺跡がサウジ国内にはある。これらの重要な国家資産の整備・保存・活用には総合的な戦略が必要だ。戦略策定のための調査の一環として、同委員会は7つの国と8つの遺産関連組織の活動と運用モデルを調べた。
戦略ビジョンは、サウジの歴史文化遺産を自国および世界の文化的財産と位置付けて高く評価し、「保護管理し、文化遺産の革新的で持続可能な活用を可能にする」ことなどを使命としている。
今回の戦略の主な柱には、文化遺産と考古遺跡の保護と保存および効率的な管理、歴史文化遺産の研究促進および専門人材の育成、遺産バリューチェーンにおける最新デジタル技術の活用、適切な規則・規制の制定とライセンス発行、民間セクターとの協力強化、国際機関への資金提供とサポート、文化遺産に関する普及啓発、地域および国際的な幅広い協力関係の構築などがある。
そして、この戦略の柱に関連した33のイニシアチブを定めており、その中には、アラビア語、詩、アラビア書道、サウジ工芸ブランド、伝統料理、音楽、芸術、スポーツの普及促進、国内の考古遺跡の保存修復が挙げられている。
さらに、文化遺産関連分野の専門研修プログラムの導入、文化遺産研究および研究力強化に関するロードマップ策定、関連資産の識別・管理へのデジタル技術の活用、文化遺産のデジタルコンテンツ化と活用、文化遺産関連のソーシャルネットワーク・プログラムの策定、民間からの資金調達の環境づくりと官民協力、主要遺産のマーケティング戦略策定の計画なども含まれている。
同委員会は新戦略の一環として、全体で150のプロジェクトを実施する予定だ。