
ラワン・ラドワン
ジェッダ: 新型コロナウイルスのパンデミックの影響により世界中が混乱に陥っている中、サウジアラビアではワクチンにまつわる陰謀論を信じて、ワクチンを接種しない人が一部いる。
この1年以上陰謀説が流布し、政府当局が懸命にそれらを否定しようとしているにもかかわらず、これらの陰謀論により人々のワクチン接種への躊躇が助長されている。効率性や安全性の記録、科学的なデータや研究を理由に、健康上の警告やサウジアラビア国内の施設への入場制限が実施されているにもかかわらず、いまだにワクチン接種を拒否する人がいる。
最新の噂によると、サウジアラビア国内で広く行われている治療技術である吸い玉療法(カッピングセラピー)が、体内から「ワクチンを吸い取る」という。
ばかげた主張だが、ソーシャルメディアでは、このニュースが誤った噂として流れている。
スナップチャットなどのソーシャルメディア上で多くのユーザーが、吸い玉療法を受けたことにより新型コロナウイルスに感染したと主張する男性の動画をいくつか投稿した。
アラブニュースが専門家に聞いたところによると、ワクチンは筋肉組織の奥深くに注入されるため、体内に入った後に取り除かれることははほとんど不可能だという。
他にも、アストラゼネカ社のワクチンを接種する際には、1回目と2回目の接種の間に3ヶ月の待機期間を設けなければならない、という噂もある。
しかしこの噂について、サウジアラビア保健省の報道官を務めるモハメッド・アルアブド・アルアリ博士は、数ヶ月前に行った記者会見で、他の保健機関のガイドラインに沿って、保健省は3週間以内に2回目の接種を受けることを推奨していると述べた。
また、新型コロナウイルスに感染しており、これまでワクチンを1回しか接種していない人については、症状がなくなってから2回目の接種を受けるよう推奨された。
サウジアラビアの多くの健康専門家らとともに、モハメッド・アルアブド・アルアリ報道官は地域社会の安全を確保するため、2回目のワクチン接種を完了することの重要性を繰り返し強調している。
最後に、悪名高い「新型コロナウイルスワクチンは、接種すると体のDNAが変化する」という噂は、最も大きな悪影響を与える恐れがある。
この噂は、ファイザー社とモデルナ社が開発したワクチンの運用開始が発表された際に、両ワクチンの成分に関する詳細な情報が流れたことにより、ソーシャルメディア上で熱狂的に話題となったことから始まった。
ファイザー社とモデルナ社が開発した両ワクチンは、mRNA技術を用いて体を感染から防ぎ、細胞にタンパク質を作るための信号を与え、新型コロナウイルスと変異株から体を守る。専門家らは、2つのワクチンとDNAの関連性を否定している。どのような研究のどの臨床試験のデータも、この噂が真実だと証明したものはない。