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サウジアラビア駐英大使、皇太子のもとで進む急速な近代化を語る

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子殿下とサウジアラビア駐英大使ハリド・ビン・バンダル・ビン・スルターン王子。(ファイル/SPA/AFP)
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子殿下とサウジアラビア駐英大使ハリド・ビン・バンダル・ビン・スルターン王子。(ファイル/SPA/AFP)
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17 Oct 2021 03:10:01 GMT9
17 Oct 2021 03:10:01 GMT9
  • ハリド王子:「わが国の人口構成は非常に若い。彼らは今とは全く違う世界を望んでいる」
  • 「私は宗教警察の指示を受けながら育った。だが、これからは一人一人が選択できるようになるのだ」

アラブニュース

ロンドン:サウジアラビア駐英大使は、国の指導者が進めている広範囲にわたる近代化の取り組みを支持した。

「この5年間のペースは非常に大きい。千あまりの法律が変更または削除された」と、ハリド・ビン・バンダル・ビン・スルターン王子はタイムズ紙に語った。

「サウジは何も変わらない国だと誤解されがちだが、100年さかのぼってみれば、劇的な変化をとげていることが分かる。私の祖父は馬に乗って通勤していた。父は高速の戦闘機に搭乗した。そして私のいとこは宇宙に行った」

ハリド王子によると、王国の女性に対する立法措置も変わってきているという。「この地(英国)に派遣される直前、2日間帰省して姉妹の一人に電話し、『お茶を飲みに行こう。迎えに行こうか?』と聞くと、『いいえ、自分の車で行く』と言われた。思わず微笑んでしまった」

「10年前は、運転はもちろん、彼女が仕事を持つことさえ考えられなかった。今でも社会は保守的だが、わが国の人口構成は非常に若い。彼らは今とは全く違う世界を望んでいる」

大使は名門イートン校に通い、オックスフォード大学とサンドハースト王立陸軍士官学校に学んだ経歴を持つ。「自分はサウジアラビア人だという意識が強いが、育ったのは西洋だ」

大使の英国とのつながりは強い。英国で教育を受けただけでなく、ノーサンバーランド公爵の姪である英国人の妻ルーシー・カスバート氏の存在も大きい。

ハリド王子は、携帯電話など、英国で見てきた近代化の要素がサウジ社会に登場したことで祖国は大きく変わったと述べた。

そして「サウジアラビアは一人あたりの電話保有数が世界でも特に高い。一人あたり約3台だ」と付け加えた。

「若者はみんなインスタグラムをやっている。私の世代が若かった頃は国内に娯楽がほとんどなかったので、外国に行くしかなかった。現在、若者たちはショッピングにも映画にも行けるし、イベントもかなり増えている」

「女性専用のセクションは今もあるが、強制的に分けられることはない。私は宗教警察の指示を受けながら育った。だが、これからは一人一人が選択できるようになるのだ」

タイムズ紙によると、王子の姉妹は彼に「ガラスの天井はなかったことに気づいた。それはむしろ、手で押し出せるテントだった」と語ったという。

大使曰く、サウジアラビアの労働力の34%は女性であり、2016年の18%から大幅に跳ね上がっている。

「初めて女性が士官学校を卒業し、政府にも警察にも女性がいる。女性判事が訓練を受けている。平等な機会と平等な賃金法がととのえられている」

またハリド王子は、計画中のギガプロジェクトをはじめ、サウジアラビアの観光産業の急速な拡大についてもふれた。

「2019年、観光ビザのオンライン提供を開始した。パンデミック前に44万件のビザを発行しており、そのうち6万件が英国からの申請だった」

「紅海プロジェクトと新未来都市NEOMで組んでリゾートを開発している。サウジアラビアの面積は西ヨーロッパと同じくらいだ。また、330カ所の遺産がある」。このギガプロジェクトは、ビジョン2030改革計画に基づく7兆ドルの投資の一環である。

王国は今月後半にグラスゴーで開催される国連気候変動会議(COP26)に出席する予定だ。

「国は2016年に化石燃料からの脱却を決定した。石油供給者ではなくエネルギー供給者になりたいと考えている」と、ハリド王子は言った。「2030年までに生産するエネルギーの50%を再生可能エネルギーに転換することを目指している」

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