• 社交場や交通機関、レストラン、映画館などの公共の場では、社会的距離が必須ではなくなる。

モハメド・アル・キナニ 

ジェッダ： 新型コロナウイルスの感染予防対策の規制により、サウジアラビアの寛大な精神が失われたことはサウジアラビアの人々にとって大きな痛手となっている。結婚式や集まり、パーティーなどは、新型コロナウイルスの感染防止を考慮して人数制限を設けたり、時には全面的に禁止となったりした。

長い間、人数制限などの新型コロナウイルス感染対策により、サウジアラビアの人々は、様々な機会において活気がなく、いつものような熱気が失われていると感じていた。

しかし、これまでに2,000万人以上の国民が新型コロナウイルスのワクチン接種を完了しており、サウジアラビア国内のワクチン接種が順調に進んでいることに加え、内務省が新型コロナウイルス感染予防対策規則の変更を発表したこともあり、18ヶ月以上にわたって禁止されていた集会や懇親会などが復活することとなった。

同省は金曜日、今回のコロナ感染予防措置に関する規則の変更は、保健当局の勧告に基づいて決定されたものであり、今週日曜日の10月17日から、人数制限、マスクの着用、社会的距離を置くなどのこれまでの感染予防措置を変更すると発表した。

以前、学校で校長を務めていたハミッド・サディーク・アルバクリ氏は、今回の発表を聞いて、安堵のため息をついた。来週、ジェッダにある結婚式場で、招待客の人数を制限して開催する予定の息子の結婚パーティーに向けて、彼はすでにすべての準備を終えていた。

アルバクリ氏はアラブニュースに対し、「今回の決定を聞いて、私は世界の頂点に立ったような気分になった。これは、我が国が新型コロナウイルスという見えない敵に立ち向かうことに成功したことを意味する」と述べ、このように語った。「また、コロナのパンデミックによる影響を最小限に抑えるため、サウジアラビア政府が行った多大な取り組みを、サウジアラビアの住民や市民が大きく支持したということでもある。」

さらにアルバクリ氏は、今回の決定により、数人の親しい家族や親しい友人のみしか招待できない申し訳なさから解放され、このような特別な機会を一緒に祝うため、好きなだけ多くの人を招待できるようになった、と喜びを語った。

同氏は、「サウジアラビアの人々は、友人や親戚が皆、自分達のパーティーや集まりに参加してくれると、幸せを感じる。来てくれる招待客の数が増えれば増えるほど我々は幸せを感じるのだ。『人のいない楽園は行く価値がない』というアラビア語のことわざがある。 最高の状態にいる時に、一緒にいたいと思ってくれる人は、心からあなたのことを理解してくれる人だ。」

また、サレム・アルザハラニ氏の娘は8カ月前に結婚したが、結婚式に出席した親族の数が少なかったことに心を痛めていた。

アルザハラニ氏はアラブニュースの取材に対し、「もし、新型コロナウイルスのパンデミックと政府当局による人数制限がなければ、娘の結婚式には100人以上の友人や親戚を招待していただろう」と述べたうえで、「花嫁は、できるだけ多くの親族を伴って夫のもとに連れて行くのが、私たちの文化である。それは若い女の子にとっての誇りでもあるのだ」と語った。

さらにアルザハラニ氏は、彼の娘が世界情勢の複雑さを理解するだけの賢明さを持っていたことは幸運だったと述べた。

「サウジアラビア人の社会的基盤は非常に強固であり、だからこそ、社会的なイベントを祝うため、多くの人が参加するのだ。」

通常披露宴では、主催者は、花嫁の家族や招待客に敬意を表して、最高の料理を提供する。

「感染予防の制限が解除されれば、サウジアラビア人は喜びに溢れ、また自由に集まり、そこで楽しく過ごせることができるだろう。サウジアラビアの国民が今後、健康に気を配るようになるのは間違いない。」

イスラム教の聖地メッカにある聖モスクやメディナにある預言者のモスクなどの特定の場所を除き、サウジアラビアでは屋外でのマスク着用義務が解除される。

社交場や交通機関、レストラン、映画館などの公共の場では、社会的距離が必須ではなくなる。また、結婚式場も定員満員に戻すことが許可される。

新たな規則は、ワクチン接種を完全に終えた人にのみ適用され、その数は約2,060万人となる。