

アル・ウラー:サウジアラビアのアル・ウラーにある古代遺跡を訪れると、ライトアップされたナイトツアー・シリーズでこの観光地のまったく新たな姿を見出すことができる。
このユネスコ世界遺産の観光部局の責任者たちは、ヘグラ・アフター・ダークという4週間のプログラムを始めた。この地域の最重要の遺跡を訪れることのできるプログラムだ。
アル・ウラー王立委員会は、新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウン期間中に実施した観光調査を通じて、星空ツアーのアイデアを思いついた。
委員会の遺跡・資産管理担当エグゼクティブディレクターであるアンドリュー・ホール氏は、「昨年は新型コロナウイルスの影響を受けました。その間に遺跡について多くのことを学び、人々が夜間の訪問を好んでいることもわかりました」とアラブニュースに語った。
「大規模に点灯したのは、特にヘグラでは、今回が初めてだと思います。この地に抱く印象が変わるでしょうし、2度目の訪問を促す戦略の一環になっています」
アウェイクン・ザ・センシズと銘打ったアトラクションの一部として、ヘグラの墳墓の周囲に最大3千個の電池式キャンドルライトが設置され、この歴史遺跡を新鮮な視点で眺めることができる。
「アウェイクン・ザ・センシズでは、美しくライトアップされたこの場所を訪れ、くつろいで雰囲気を味わうことができます。照明が生み出す雰囲気は素晴らしく、堅苦しい説明などは不要で、ただ黙想にふける場所にしたいと考えています」とホール氏は述べた。
遺跡のライトアップを通じて、観光客の自然の感覚を高めて、往時の古代ナバテア人の暮らしと同じような体験をしてもらいたいと管理者側では考えている。
日没後に到着した観光客は、伝統的な衣装に身を包んだ人たちに迎えられ、敷地内を見て回り、その後に地元産の素材を使ったあったかいナバテア・ドリンクをいただく。
この遺跡を訪れたジャーナリストのクルッド・アフマド氏は、前回2018年のアル・ウラー訪問時との大きな違いに気づいた。
「昼間の姿とはまったく異なります。この遺跡の夜の姿を形容するのに、「詩的」という表現が最適です。夜の気候が体験をはるかに素晴らしいものにしてくれます」
雰囲気を盛り上げるために、戦士として名を馳せた女帝、シャクラット女王の治世を取り上げたナバテア史劇も演じられる。オアシスを目当てに他国から人々が移住してきて、この地やその住民が繁栄していった様子が語られる。
戦闘シーンも再現され、アル・ファリド宮殿ではナバテア人にとっての星と夜空の重要性を学ぶ。
「はるかに良くなりました。ホテルや食事から遺跡まで、アル・ウラーのあらゆる細部に注がれた努力を実に見てとることができます。アル・ウラーの人々には素晴らしいチャンスがやってこようとしています」
「アル・ウラーの開放的な姿を目にすると喜びを感じます。地元の人たちにとっては、自分たちの土地を見てもらうチャンスです」とアフマド氏は述べた。