
ザイド・カショギ
ロンドン:サウジアラビアとバーレーンの国民は、英国から電子ビザ免除の地位を与えられると、内務省が声明で発表した。
このステータスは6月1日から有効となり、この新しい改正により、すべてのサウジアラビアとバーレーンの国民は、電子ビザ免除で最長6ヶ月間英国への渡航を申請することが可能となる。
サウジアラビアとバーレーンの国民は、英国を訪問するたびにオンライン上で免除手続きを行えば、ビザを取得せずに渡航することができるようになる。
今回のビザ免除により、サウジアラビア国民は、ビザ申請センターへの予約、渡航前のパスポートの提出、写真や指紋などの生体情報の提供が不要になる。また、従来のビザ申請費用125ドルに比べ、わずかな費用で免除を受けることが可能となる。
資格のある個人は、渡航の3カ月前から48時間前まで、電子ビザ免除の渡航届を提出することができる。
駐サウジアラビア英国大使のニール・クロンプトン氏は3月、アラブニュースに対し、英国首相が皇太子を訪問し、両国にとって実りの多いものとなったことから、英国政府は現地サウジ国民の入国緩和を進めており、最終的にはビザなし政策につながるだろう、と語っていた。
クロンプトン大使は、アラブニュースに対し、次のように述べている。「2人の指導者の間で、良い意見交換が行われた。英国政府とサウジアラビアは長い間、良きパートナーであった」
ジョンソン首相の3月のサウジアラビア訪問は、英国のサウジアラビアに対する長年のコミットメントを反映したものであり、両王国は今後、あらゆる分野にわたり、また王国のビジョン2030の枠組みの中で、より密接な二国間協力に向けて前進していく。
両首脳は会談で、グリーンエネルギー、再生可能エネルギー、投資の分野における二国間関係の強化に加え、英国とGCC諸国の間の自由貿易協定に関する作業を開始し、12カ月以内に合意に達することを目指すことに焦点を当てた。
また、両首脳は、サウジアラビア・英国戦略的パートナーシップ協議会-2018年設立-の発足に関する覚書にも署名している。
英国とサウジアラビアのつながりは、昔からのものだ。
1919年、13歳の王子だったファイサル・ビン・アブドゥルアジーズ・アル・サウード国王は、王国初の対英外交団を率い、サウジと英国の関係強化に貢献された。1945年、サウジアラビアの建国者であるアブドゥルアジーズ・ビン・アブドゥルラフマン・アル・サウード国王がイギリスのウィンストン・チャーチル首相と会談し、以来両王国の会談は今日まで続いている。
サウジアラビア国民は、毎年イギリスの首都ロンドンを訪れる観光客の中でも特筆すべき存在であり、常に世界で最も訪問者数の多い都市の一つである。
毎年10万人以上のサウジアラビア国民が英国に押し寄せていることが、Statista (スタティスタ) の2020年調査で報告さている。
スタティスタが発表した別の2018年のレポートでは、サウジアラビア国民の訪問者の54%が休暇で毎年イギリスに滞在し、25%が家族や親戚を訪問し、10%がビジネスで、11%が勉強やその他の雑多な活動で構成されていることが示されている。
サウジアラビアは長年にわたり英国への奨学金を提供してきたが、サウジアラビア教育省は、英国を含む海外留学の入口を増やすため、奨学金の種類を増やし、これを拡充してきた。
これまで英国政府は、サウジアラビア国民が通常の観光ビザを取得する場合、ビザ申請書、パスポートサイズの写真2枚、過去6カ月間の銀行取引明細書、予約確認済み航空券、居住地住所、ビザ発行日から6カ月以上有効なパスポートなどの条件を満たしていることが必要だった。
標準観光ビザは、渡航予定日の3ヶ月前から申請でき、最長6ヶ月まで125ドルで取得できる。