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イスラエル連立与党、議員離反で瓦解に近づく

エルサレムで週次閣僚会議を開くイスラエルのナフタリ・ベネット首相。(ロイター、資料写真)
エルサレムで週次閣僚会議を開くイスラエルのナフタリ・ベネット首相。(ロイター、資料写真)
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14 Jun 2022 03:06:19 GMT9
14 Jun 2022 03:06:19 GMT9

エルサレム:イスラエルの不安定な連立政権は13日、ナフタリ・ベネット首相が党首を務める右派政党の議員が「自分はもう政府の一員ではない」と述べたとの報道を受け、また一歩崩壊に近づいたとみられる。

今回の動きは、ベンヤミン・ネタニヤフ前政権の12年におよぶ記録的長期政権が1年前に幕を閉じた後、極右、リベラル、アラブ系の政党を含む多様なイデオロギー勢力を取り込んだ連立政権が、内部分裂に近づいたことを象徴したものとなった。

「私はベネット首相に対し、現状を鑑みて、自分がもう連立政権の一員ではなくなったことを伝えた」。極右政党ヤミナのニル・オーバック議員は、イスラエルの複数の報道機関が公開した声明でこのように述べた。

オーバック氏からまだ直接的なコメントは得られていないが、同氏は、「過激主義者と反シオニスム」の国会議員が、政権を「問題のある方向」に向かわせていると声明で述べた。この声明で同氏は、新たな選挙を望んではおらず、国会を解散させる投票には一票を投じないとも述べている。

ただし、オーバック氏の離脱により、定数120人のクネセット(イスラエル国会)のうちベネット連立与党議員は計59人となり、過半数に2人足りなくなった。

現在は野党のリーダーとなっているネタニヤフ氏は、汚職の罪を問われて公判中ではあるものの、政権への復帰を公言している。同氏は、現政権が「歴史上、最も長い告別式を行っている最中だ」と述べた。

連立を組む政党間の論争が数週間続いた後、ベネット政権のぜい弱ぶりが先週、露呈する格好となった。ヨルダン川西岸の入植者に対するイスラエル民法上の権利を拡大する法案が、国会で否決されたからだ。

この否決により、3年間で5回目となる総選挙が行われる見通しがより強まった。しかし、今月末前までには、入植者の権利拡大に関する法案の二度目の国会への提出が行われる可能性が高くなっている。

この入植者関連法案は、通常であれば国会で幅広い支持を得られる内容であり、この法律自体、過去50年に何度も改正されてきている。今回は、法案をめぐる政府与党と野党との間の対立が激化しており、その犠牲となってしまった。

「あなたは私たちの国のためではなく、自らの首相の座のために戦っている」。ネタニヤフ氏は国会での論戦の中で、かつては最も密接な側近の一人だったベネット氏に対してこのように告げた。

元特殊部隊員で、テクノロジー業界の百万長者でもあるベネット氏は、2013年に国政に関わるようになった。同氏は経済成長を加速させ、失業率を下げ、14年ぶりに国の財政赤字を解消した。

「我々はいま、政府のために戦っている」。ベネット氏は国会でこう発言し、次のように続けた。「我々は、無秩序と安定との間の選択をするために戦っている」

ロイター

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