
タレック・アル・タカフィ
メッカ:今年のハッジ巡礼もあと1ヵ月後に迫る中、サウジアラビアのエサム・アル・タカフィ駐インドネシア大使は、サウジアラビア政府は世界各地から訪れる巡礼者たちに可能な限り最高のサービスを提供すべく懸命に取り組んでいると述べた。2020年初頭に新型コロナウイルス感染症の拡大が始まって以来、今年のハッジで初めて国外巡礼者の参加が可能になった。
大使はまた、ジャカルタのサウジアラビア大使館職員も最高レベルの準備を整えていると付け加えた。インドネシアには、一国に許可された件数としては最多となる10万51件のハッジ許可証が下りているとサウジ大使館がこれまでに発表している。
在ジャカルタのサウジアラビア大使館は、ハッジ巡礼者に対して最高レベルの準備を整えていると、サウジアラビアのエサム・アル・タカフィ駐インドネシア大使が強調した。(提供)
サウジアラビア当局は4月に、2年間の厳しいコロナ規制を経て、今年のハッジには100万人の巡礼者が参加可能になったと発表した。これは、国内に住む巡礼者6万人に制限されていた昨年に比べれば大幅な増加といえるが、しかし依然として、コロナ前となる2019年の総人数250万を大きく下回っている。
感染症拡大が収まりつつある今年、ハッジ巡礼者数を拡大するとサウジアラビアが発表した時、インドネシアの人々は非常に喜んだと大使は言う。サウジ大使館は、インドネシア宗教省、およびサウジアラビアのハッジ・ウムラ省と協力し、インドネシアの人々の旅ができるだけ楽なものになるよう準備を整えていると大使は付け加えた。さらに、先週末にサウジアラビアに到着した最初の国外のハッジ巡礼者の一団は、インドネシアの人々であったと指摘した。
インドネシアから到着した巡礼者に、花、デーツ、飲料水ボトル「ザムザム」などが贈呈された。(提供)
アル・タカフィ大使はまた、「メッカ・ルート・イニシアチブ」、およびそれに対して在ジャカルタのサウジ大使館が提供している支援について、賞賛の言葉を述べた。同イニシアチブは、2019年にサウジ内務省が、インドネシア、パキスタン、マレーシア、モロッコ、バングラデシュの5ヵ国で開始した取り組みで、巡礼者に義務付けられる検査や手続きを簡便化し、出国からハッジの宿泊所までの流れをスムーズにするためのものだ。サウジアラビアの職員60人以上がインドネシアのスカルノ・ハッタ国際空港で職務に就き、巡礼者にサービスを提供しているという。
インドネシア人の中には、ハッジ巡礼の許可が下りるのを30年以上待たなければならない人々もおり、これはまさに未曽有の旅だといえるとアル・タカフィ大使は述べた。また、インドネシアの人々は一般的に、穏やかで礼儀正しいことで知られており、これはハッジやウムラの巡礼の旅での立ち居振る舞いにも表れていると付け加えた。
インドネシアから到着した巡礼者に、花、デーツ、飲料水ボトル「ザムザム」などが贈呈された。(提供)
「数日前に、インドネシア巡礼者の第一陣がメディナに到着し、その整然とした様子を我々全員が目の当たりにしました」と大使は語った。また、ハッジ期間に巡礼者たちの世話をするサウジアラビア人従事者に対しても賞賛の言葉を述べた。
6月4日、インドネシア巡礼者の第一陣となる358人を乗せた便が到着した。一行は、ハッジ・ウムラ省のムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アルビジャウィ訪問担当事務次官、インドネシアのアブドル・アジーズ・アフメド駐サウジアラビア大使などを始めとする政府関係者らに出迎えられた。巡礼者には到着に際し、花、デーツ、ボトル飲料水「ザムザム」などが手渡された。