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衆議院、植田和男・次期日銀総裁案を承認

植田氏は、4月27日から28日にかけて開催される最初の金融政策決定会合で議長を務め、2025年度までの成長率と物価見通しを四半期ごとに発表する。(AFP)
植田氏は、4月27日から28日にかけて開催される最初の金融政策決定会合で議長を務め、2025年度までの成長率と物価見通しを四半期ごとに発表する。(AFP)
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09 Mar 2023 03:03:28 GMT9
09 Mar 2023 03:03:28 GMT9

東京:衆議院は9日木曜日、政府推薦の日銀次期正副総裁案を承認し、超低金利政策からスムーズに脱却するための新しい人事案を可決した。

参議院は10日金曜日に投票による指名を行う。連立与党が両院の過半数を占めているため、両院の承認は決定的とみられている。

この承認により、4月8日に二期目の任期(5年)を終える現職の黒田東彦日銀総裁の後任として、政府推薦の植田和男氏が正式に就任することになった。

副総裁候補の二人は、日銀理事の内田真一氏と前金融庁長官の氷見野良三氏で、雨宮正佳副総裁と若田部昌澄副総裁の後任として3月20日から就任する。

植田氏は、4月27日から28日にかけて開催される最初の金融政策決定会合で議長を務め、2025年度までの成長率と物価見通しを四半期ごとに発表する。

インフレ率が日銀の目標を上回る中、植田氏は、市場機能をゆがめ、銀行の利幅を圧迫するとして世論の批判を浴びた日銀の国債利回り抑制政策を段階的に廃止するという課題に直面している。

「景気刺激策から生じるさまざまな副作用があることは事実だ。しかし、日銀の現在の政策は、インフレ率2%を達成するために必要かつ適切な手段である」と植田氏は先月国会で述べ、利上げを急ぐ必要はないことを示唆した。

しかし、植田氏は、日銀が大規模な景気刺激策から撤退する方法について考えがあると述べ、金融政策の枠組みに対する包括的な見直しを行うという意見にも前向きであるとした。

アナリストは、4月に発表される日銀の新たな四半期見通しが、超低金利から脱却するための必須条件であるインフレ率2%の目標を持続的に達成する可能性に対して、新役員らの見方を示す手がかりになるかもしれないという。

日銀は1月に発表した現状予測で、消費者物価のコア・インフレ率は今年3月に3.0%を記録するものの、2023年度には1.6%に減速し、2024年には1.8%を記録すると予想している。

イールドカーブ・コントロール(YCC)による市場のゆがみが収まる気配がないことから、ロイターの世論調査では、日銀は今年中にYCC政策を終了すると予想するエコノミストが大半を占めた。さらにその半数が、10年国債利回りの許容変動幅を広げるなど、植田氏が3ヶ月以内にYCCに手を加えるだろうと述べている。

すでに植田氏は、亡くなった安倍晋三元首相が率いた与党の強力な派閥からの圧力に直面している。ここでは、黒田氏の大規模な金融刺激策を含む「アベノミクス」の成長促進政策を後退させようとする試みに対する反対が見られる。

この陣営に属する与党の重鎮、世耕弘成氏は先月、国会で植田氏にアベノミクスの政策を引き継ぐかどうかを問いただした。

これに対して植田氏は、「日銀が掲げるインフレ率2%を安定的かつ持続的に達成することを目指すという文脈で、政策を継承していく」と回答した。

法政大学の白鳥浩教授は、植田氏の起用は、岸田首相が日銀にアベノミクスという政治遺産を段階的に廃止させることを望んでいることの表れだと見ている。

「植田氏は、日銀は当面低金利を維持するとしている。しかし、将来的には、日銀は金融政策を変えるだろう」

ロイター

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