



タレック・アル・タカフィ
メッカ:ハーイルの通りや路地には、古代サムードの碑文と描画がいたるところに見られる。古代文化遺産を物語る史跡として、この地域を訪れる観光客の数を増やし続けている。
サウジ北部にあるこの都市には、紀元前8世紀から西暦3世紀までの数千のサムード語の碑文があり、さまざまなコミュニティの社会生活の細部を浮き彫りにしている。ユネスコは、これをサウジアラビアで発見された最も豊かで多様な岩絵だとしている。
ハーイル市のメディア・企業コミュニケーション担当総管理長であるサウード・アル・アリさんは、アラブニュースの取材に対し、絵や碑文は公共スペースに溶け込んでいる、と話した。「このサムード語による文化的で多彩な演出は、さまざまな政府部門が提供するすべてのサービスや製品に反映されています」と彼は言う。
ハーイルのアーティストたちは今、サムード語を用いて、街中の門や地方空港、キング・ファハド通りといった街のランドマークを飾っている。
アル・アリさんは、「他のさまざまな場所でも、いくつかの碑文を見つけることができます。歴史に深く根ざしたこの都市の、常に更新される文化の多様性をますます豊かにしています」と付言した。
アル・アリさんは、これらのアート作品によって、ハーイルの観光地としてのステータスが高くなったと話した。最近ではダカール国際ラリーの走行ルートにも採用され、脚光を浴びたという。
また、アル・アリさんによると、芸術家の故ユーセフ・アル・シュグダリ氏が、市内の数多くの芸術作品を監修した。これらの碑文の一部を利用して、この地域への愛と「歓迎の精神ともてなしの心」を映し出した巨大な壁画を制作したのだという。
アル・アリさんは、ハーイルのウンム・シンマン山には多くのサムード語の碑文があるといい、「これらの壁画は沈黙とは程遠く、表現力豊かです」と話した。この壁画は、若い人たちがサムード語を学ぶきっかけになったのだという。