
モハメド・ナジブ
ラマッラー:サウジアラビアは9日、イスラエル軍のパレスチナ人に対する破壊的攻撃を止めるための国際的な行動を要請した。
サルマン国王が議長を務めるジェッダでの閣議で、閣僚らは国際社会に対し、自らの責任を引き受け、紛争終結に向けて全力を尽くすよう強く促した。
バブ・アル・ザウィヤで起きた先の衝突の際にイスラエル兵士に撃たれたモアメン・ジャービルさん(17)がその負傷によりヘブロンの病院で死亡し、さらにヨルダン川西岸地区北部のナブルスでイスラエルの攻撃によりパレスチナ人3人が死亡し40人が負傷した事件を受け、サウジアラビアは今回の呼びかけを行った。
この4人の被害者により、ヨルダン川西岸地区とガザ地区において今年イスラエル軍に殺害された人の数は130人に達した。
「ガザとジェニンに続き、ナブルスからヘブロンまで、(イスラエルによる)占領は、占領地のすべてにおいて我が民族に対し、公然と罪を犯し続けている」とパレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は述べた。
9日の死亡事件は、早朝にイスラエル軍の精鋭がナブルスの旧市街にある一軒の家を包囲し、ファタハ系軍事組織「アル・アクサ殉教者旅団」のイブラヒム・アル・ナブルシ氏と、「Islam Sabbouh」と名付けられたグループの少なくとも1人のメンバーを追いつめた際に起きた。
ナブルシ氏が降伏要求を拒否したのちにイスラエル軍が発砲し、対装甲ミサイル「マタドール」で家を爆撃し、中にいた男性らを殺害した。もう一人のパレスチナ人、フセイン・ジャマル・タハさん(16)も殺害された。
3つの葬儀には何千人ものパレスチナ人が参加し、ナブルスでは過去20年間で最大の葬儀となった。
ヨルダン川西岸地区では、パレスチナ人とイスラエル軍との暴力的な衝突が勃発した。少なくとも20人の民間人が負傷し、その大半は若い男性だった。哀悼の意を表して、ゼネストが行われた。
ナブルシ氏は過去5カ月の間、逮捕または暗殺の試みを何度も生き延びた。
この度の新たな襲撃は、イスラエルがガザ地区での軍事作戦を中断してから48時間も経たないうちに始まり、パレスチナ人46人の命を奪い、女性、子供、高齢者を含む300人以上の市民が負傷した。
パレスチナ自治政府のナビル・アブルディナ報道官は、ナブルスでの殺害を非難し、イスラエルによる占領は、その襲撃を通じてパレスチナ国民全体との包括的な対立に近づいていると述べた。
アブルディナ報道官によると、イスラエル政府は平和と安定の実現に関心がなく、イスラエルの内政において利益を得ようとパレスチナ人の血を流すことに尽力している。
同報道官によると、国連のアメリカ代表は、イスラエルの自衛権を強調することにより、イスラエルの主張を支持したが、イスラエルが侵略者であったために容認されなかった。もしこの侵略がパレスチナ人に対して続くなら、この地域全体で暴力行為を引き起こすだろう、と同報道官は述べた。
ファタハ革命評議会メンバーで、ナブルスの著名な指導者であるタイシール・ナスラッラー氏は9日の葬儀に出席し、弔問客はイスラエルに対する復讐を呼びかけるスローガンを唱えたとアラブニュースに語った。
ナスラッラー氏は次のように述べた:「イスラエルのヤイール・ラピード首相は、非常に多くのパレスチナ人を殺害することで選挙運動を早めに開始したようだ。これで首相は非常に多くの票を獲得できるだろう」
ジェニン、ガザ、ナブルスで最近エスカレートしているイスラエルの軍事行動は、11月1日に投票が予定されているイスラエルの選挙運動に関連しているとパレスチナ人は考える。ラピード首相は、最大のライバルであるベンヤミン・ネタニヤフ氏に対し軍事的経験において劣るため、パレスチナ人に対する軍事的処理能力を有権者に見せたがっているという。
「パレスチナ人に対してかつてないほどに激化している軍事行動は、選挙における目標を目指していると我々は考えており、これはイスラエルの指導者たちが、パレスチナ人に対して殺害以外のプロジェクトを持っていないことを裏付けている」とナスラッラー氏は語った。
同氏はパレスチナ自治政府に対し、イスラエルとの関係を終わらせるための断固とした決断を下すよう呼びかけた。
「パレスチナの新しい世代は、入植地の増加、パレスチナ人に対する殺害と破壊を除いては、27年の間パレスチナ人に何の結果ももたらさなかった交渉というアプローチを信じていない。したがって、パレスチナ自治政府は、どんな結果になろうとも、イスラエルとの関係を完全に終わらせるための断固とした決断を下さなければならない」と同氏は述べた。
パレスチナ人政治家ムスタファ・バルグーティ氏は、イスラエルの犯罪は包括的なパレスチナ人民衆蜂起につながるだろうとアラブニュースに語った。