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サウジアラビアが2030年万博招致合戦に全力で臨むようになった経緯

2030年万博を自国開催するとのサウジの希望は「サウジ・ビジョン2030」と密接に関係している。(提供)
2030年万博を自国開催するとのサウジの希望は「サウジ・ビジョン2030」と密接に関係している。(提供)
サウジアラビアは大規模イベントの開催経験が豊富で、特に毎年恒例のハッジ(大巡礼)では過去20年で300万人もの巡礼者が訪れている。(提供)
サウジアラビアは大規模イベントの開催経験が豊富で、特に毎年恒例のハッジ(大巡礼)では過去20年で300万人もの巡礼者が訪れている。(提供)
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22 Sep 2022 06:09:07 GMT9
22 Sep 2022 06:09:07 GMT9
  • 2030年万博を自国開催するとのサウジの希望は2016年発表の「サウジ・ビジョン2030」と密接に関係している
  • 2030年万博招致の一環でサウジは「世界最大級の公共交通網」を建設する計画

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ: ドバイ万博のエントランスとして使われた大きな門が今年3月末頃に閉じられたとき、受賞したサウジパビリオンの制作に携わった人々はみな一同に2030年万博の自国開催も夢ではないと意識した。

3月28日にサウジパビリオンの閉館式でリヤド市王立委員会のファハド・アル・ラシードCEOは次のように語り聴衆の心を打った。「受賞したサウジパビリオンを訪れた何百万人もの人々にサウジと首都リヤドが築きつつある未来の一端をご覧いただきました。今日は2030年の万博でリヤドが何をできるかを示す始まりに過ぎません。」

伝統的な踊りとコンテンポラリーな踊りを披露するサウジのダンサーが目玉の華やかなセレモニーで6ヶ月に及んだ素晴らしいパビリオンに幕が引かれ、アル・ラシード氏は次のように述べた。「サウジアラビアは若い国であり、リヤドの再生は若者のエネルギーとあくなき大望によるものです。世界は今、こうした未来に対する楽観主義をかつてないほどに必要としています。」

サウジアラビアは昨年10月、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が博覧会国際事務局に書簡を送り、2030年万博の招致に立候補した。博覧会国際事務局は1931年以来の万国博覧会の国際組織だ。

サウジ通信によると書簡には「私たちは変化の時代に生きており、人類がともにアクションを起こすことがかつてないほど必要とされています。」と書かれていた。

皇太子の言葉は「変化の時代: 地球を先見性のある明日へ導く」とのサウジの招致テーマにも反映されている。

2030年万博を自国開催するとのサウジの希望は2016年に皇太子が発表したサウジビジョン2030と密接な関係がある。サウジビジョン2030ではサウジ経済の多様化と観光・レジャー分野の発展などを狙いとしている。2030年の万博は2030年10月1日から翌年4月1日まで開催される予定だ。

皇太子はBIEへの書簡の中で「2030年のリヤド万博はサウジのビジョン2030の集大成と重なります 」と述べている。

サウジアラビアが開催地に選ばれた場合、当局はリヤドや全国その他地域をグローバルな文化、ネット接続性、気候変動対策などで世界クラスの開催地に進化させる計画だ。

「2030年万博招致に立候補するとのサウジアラビア王国からの書簡を受領しBIEは嬉しく思います。同国は5カ国目の立候補です」と正式な立候補を受けディミトリ・ケルケンツェスBIE事務局長がコメントした。

「2030年世界博覧会開催への強い意欲は、イノベーションと協力の促進により互いのつながりを取り戻し、より持続可能な未来を築きたいとの世界の願いそのものです」

招致合戦の相手はイタリア、韓国、ウクライナだ。ロシアも立候補していたが5月に辞退した。もしサウジアラビアに決まれば180年近い万博の歴史で中東、アフリカ、南アジア地域で2番目の万博開催国となり、アラブ諸国内でも2番目の開催国となる。

サウジアラビアはフランス、ギリシャ、アルメニア、キューバ、アフリカ数十カ国、イスラム協力機構などすでに世界60以上の国や組織から大きな支持を得ている。

7月のフランスのエマニュエル・マクロン大統領とサウジ皇太子の会談でマクロン大統領は「サウジアラビアの2030年万博招致の立候補をフランスは支持する」と表明した。また、大統領は文化、研究、観光分野での両国の長い協力の歴史も強調した。

6月には15カ国が加盟する政府間共同体であるカリブ海共同体がサウジ万博の招致支持を表明している。

5月にリヤドでサウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外務担当国務大臣と会談した際、キューバのウラジミール・ゴンザレス駐サウジアラビア大使は「サウジの万博開催候補地に対するキューバ共和国の支持を公式に伝えた」とのことだ。

カーボベルデ共和国のホセ・マリア・ネベス大統領は8月3日、首都プライアでサウジ王室顧問のアーメド・ビン・アブドゥラジズ・カタン氏と会談し、支持を表明した。

リヤドに注目が集まる中、サウジ首都の最高機関であるRCRCは国が目指す都市変革を推進中だ。2030年万博の招致が決まれば同国のメガツーリズムプロジェクトが加速し、今後数年間の建設にさらなる弾みをつけることになりそうだ。

コロナウイルスのパンデミックで2年遅れたものの、昨年ようやく開催されたドバイエキスポ2020は半年間で2,400万人以上の来場者を集める大成功となった。

ドバイエキスポ2020にはモビリティ、サステナビリティ、オポチュニティという3つのサブテーマがあり、会場の3つの地区に反映されていた。この10年来さらに進歩と成長に取り組むようになったサウジにふさわしく、サウジパビリオンはオポチュニティ地区にあった。ボリス・ミカ・アソシエイツのデザインによるサウジのアトラクションは開け放たれた窓のように広がるファサードが特徴で、湾岸諸国の先見性あるビジョンと世界に向けた開放性を象徴している。

本パビリオンはデザインと建築的なビジョンが評価され多くの賞賛を受けた。開催国UAEのパビリオンに次ぐ大きさで、13,000平方メートルの敷地(サッカー場2面分に相当)に世界最長の23メートルのインタラクティブ・ウォーターカーテンがある。また世界最大のインタラクティブ・ライト・フロアと3つのギネスワールドレコードを誇る1,240平方メートルの世界最大のインタラクティブ・デジタル・スクリーンもある。

サウジパビリオンはエグジビター・マガジンから大規模パビリオン部門の最優秀パビリオンとして表彰された。また、米国グリーンビルディング協会より世界で最もサスティナブルな建築物のひとつとして「エネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップ」のプラチナ認定を受けた。同パビリオンには650枚のソーラーパネルが設置され、そのすべてがサウジアラビアで製造されたものだ。

同パビリオンはドバイ万博で最も称賛されたパビリオンの一つとなり、会期終了までに史上最高となる460万人の来場者を記録した。

アル・ラシード氏は閉会式で「サウジパビリオンの素晴らしい来場者数は王国への世界の大きな関心と、サルマン・ビン・アブドルアジーズ国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下のリーダーシップのもとで進行中の変革を証明しています」と述べた。

これに先立ち同氏は2030年の万博招致の一環として、リヤドは「世界最大級の公共交通網や世界最大級の都市公園群を建設し、大規模な都市緑化プロジェクトを進め、街全体を壁のない開かれたアートギャラリーのようにする」と発表していた。

また同氏は「初となるサウジアラビアの立候補は我が国にとって重要かつ象徴的な挑戦であり、我々は全力を尽くします」とも述べた。

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