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サウジアラビアは多様な地形により、多くの作物に適した肥沃な土地となった

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22 Sep 2022 06:09:12 GMT9
22 Sep 2022 06:09:12 GMT9

ナダ・ハミード

ジェッダ:サウジアラビアは、世界で最も多様な自然景観のある国の一つである。200万平方キロメートルの国土には、ヤシから、果物、オリーブ、コーヒー豆、米、レンテル豆などに至るまで、さまざまな作物が栽培されている。

ヤシ- 成長、活力、繁栄

気候変動が世界中の農業に脅威をもたらしている中、サウジアラビアでは地域によって気候が異なるため、ヤシの栽培に適しているのだ。

ヤシは、サウジアラビアの歴史、遺産、寛大さ、ホスピタリティを象徴する文化であり、世界で最も人気のある古品種の果物の一つであるデーツの天然資源でもある。

国際デーツ協会によると、全世界で2億本のヤシの木があり、1.23ヘクタール(12,300平方メートル)の土地を占め、40カ国で年間950万トンのデーツを生産しているという。

サウジアラビア国立ヤシ・デーツセンターはこのほど、国際貿易センターの発表によると、2021年の同国は113カ国中、デーツの輸出で世界1位となり、その額は12億サウジアラビア・リヤル(約3億2,340万ドル)に上ったと発表した。

サウジアラビアの3,300万本のヤシの木は全世界の27%を占め、年間154万トンのデーツが13箇所の地域、12万3千箇所の農地に分散して生産されている。

ZADNAデーツ社のCEOであるバッシャール・アル・コーライ氏はアラブニュースに対し、「サウジアラビアがデーツの輸出において、このような優れた成果を上げ素晴らしいレベルに到達したのは、環境・水資源・農業省が長年にわたり努力を重ねてきたおかげです」と語った。

また、同省は、農場での生産品質の向上、最良の農業規範の遵守、工場や梱包所での輸出用デーツの品質基準の採用により、サウジアラビア産デーツブランドの普及を支援した。

サウジアラビアは、米国、欧州、東アジア、中東・北アフリカ地域、湾岸諸国など、さまざまな国々に300種類以上のデーツを輸出している。

アル・コーライ氏によると、サウジアラビアで最も人気のあるデーツの種類は、マジョル、クダリー、クァス、スーカリー、シッシー、サファウィ、サフリ、サギー、アジュワ、バーリ、アンバラだという。

サウジアラビアのヤシ・デーツ部門の生産高は約75億サウジアラビア・リヤルで、農業生産高全体の12%、非石油総生産高全体の0.4%に相当する。

サウジアラビアで最も重要なデーツの生産地は、カシム州、「ヤシの木の母」と呼ばれるアル・ハサー、メディナに代表される国土の中央、東部、西部の3つの行政区域に位置している。

カシム州のデーツは、世界74カ国以上に輸出されている。この地では、年間30万トン以上のデーツが生産されている。

「サウジアラビアのビジョン2030では、ヤシ・デーツの分野は、その発展と持続可能性によって大きな注目を集め、国内総生産(GDP)全体の割合を高めていることから、この分野の発展のためのプログラムも実施されました」とアル・コーライ氏は語った。

ジャウフには98万4千本以上のヤシの木があり、年間7万トン以上のさまざまな種類のデーツが生産されている。

この木からは、「ヘルワット・アル・ジャウフ」または「アル・ジャウフの甘い食べ物」と呼ばれる特別なデーツが採れる。

この大粒で濃い、極甘の果実は品質を保ち、5年間は保存が可能だ。通常、冬に食され、アラビアの様々な伝統的なデザートに使用される。

環境・水資源・農業省(MEWA)のヤシ・デーツの分野が国際的に支持されるようになったのは、サウジアラビアがデーツを「珍しい果物」として国連食糧農業機関(FAO)に登録することに成功したためである。FAOは、2027年を「国際デーツ年」とするサウジアラビアの提案も承認している。

MEWAのヤシとデーツの遺伝資源バンクは、127種類の国産ヤシの品種を保有し、その数の多さでギネス世界記録に登録されている。

サウジアラビアのヤシ農家を支援し、農業ビジネスの拡大を図るため、サウジアラビア国立ヤシ・デーツセンターは8月初旬に新たなeプラットフォーム「Mozare3」を立ち上げた。

このプラットフォームは、ヤシとデーツの分野の持続可能性に貢献すると共に、農家の生産量を開発・増加させる初の、そして主要な支持者となることを目的としている。

コーヒー豆 - サウジアラビアの緑色の黄金

コーヒーとデーツは、サウジアラビアの象徴的な商品であり、有名な組み合わせである。コーヒーは、サウジアラビアの民族遺産の中核をなす要素として認識されるほど、サウジアラビアのもてなしの心、音楽、詩の価値観に組み込まれている。

サウジアラビアのコーヒー豆の生産量は世界第50位となっている。

アラビアン・コーヒー・インスティテュートの共同設立者兼CEOであるアルモヒナド・アル・マーワイ氏は、サウジアラビアに対し、サウジアラビアのコーヒー豆の種類はまだ確定していないと語った。

「主な種類はアラビカ種です。しかし、中心となる細かい品種は、サウジアラビアが生産するものを決定するために、まだDNA研究中です」

コーヒーの栽培は主にジーザーンで行われており、アル・バーハとアブハには数箇所のコーヒー農園がある。

山岳地帯の湿度が高く涼しい環境と肥沃な土壌は、季節ごとの雨水によって完全に決まるコーヒー栽培に適している。

ジーザーンの特徴は、コーヒー栽培用の段々畑を擁する高地の農業特性である。

コーヒー業界で12年の経験を持つアル・マーワイ氏は、認定Qアラビカグレーダー、認定Qプロセッサー、スペシャルティコーヒー協会(SCA)の公認トレーナーでもある。

「ジーザーンは、現在世界で唯一この農法を採用している場所であり、この農法が香りやコーヒーの風味に大きな影響を与えています」とアル・マーワイ氏は語った。

ジーザーンで最も人気のあるコーヒー品種ハウラニは、「緑色の黄金」「甘やかされた木」と呼ばれ、肥沃な土地の森の奥深くに佇んでいるのが見られる。

「ハウラニ・コーヒーの香りは、ドライフルーツ、レーズン、デーツ、スパイシーな香り、カルダモン、シナモン、ダーク・チョコレートが主流です」とアル・マーワイ氏は言う。

「サウジアラビアの生産量は現在、1シーズンあたり約300トンです。しかし、政府はコーヒー生産の品質と自給自足のための持続可能性を確保するため真剣に取り組んでおり、今後3年間で3千トンまで増加する見込みです」と同氏は付け加えた。

「アル・バーハとアブハは、最近素晴らしいコーヒーが収穫できたので、コーヒー栽培には大きな可能性があることがわかります」

何世紀にもわたって、この飲み物はサウジアラビアの根強い文化や伝統の中心となってきました。サウジアラビアの文化大臣バドル・ビン・アブドゥラー・ビン・ファルハーン王子は今年初め、2022年を『サウジアラビアのコーヒーの年』とすることを発表しました」

最近の統計によると、ジーザーン、アル・バーハ、アシールにおけるアラビックコーヒーの国内生産量は、2,535箇所の農園、39万8千本のコーヒーの木から、年間1,810トンに達している。


サウジアラビアの南部と西部でマンゴーの収穫が盛んに

ジーザーンは、マンゴーの産地としても有名だ。2018年、この地域はマンゴーの地理的表示(特定の地理的な位置や産地に対応する商品名や標識)が認められた。

この地域のマンゴー栽培の成功を支えたのは、肥沃な土壌と豊富な地下水であり、この熱帯樹はこの地域の特徴的な果物の一つになっている。

MEWAが開始した持続可能な農業農村開発プログラムを通じて、ジーザーン地方ではマンゴー栽培の発展と生産量の拡大が大きく進展している。

このプログラムは、農村の農業部門を改善し、農村家庭の生活水準を向上させることを目的としている。また、マンゴー栽培の支援など、生産効率の向上、生活様式の改善、食糧安全保障の実現も目指している。

60種類以上のマンゴーを栽培しているジーザーン地方では、年間収穫量が2005年の1万8千トンから2022年には6万5千トン以上へと飛躍的に増加し、19,109軒の農家と100万本以上のマンゴーの木がある。

この地域でのマンゴー栽培のサクセスストーリーは、1981年に農業研究センターがFAOと協力し、各国の高品質なマンゴー品種をジーザーンにもたらしたことに始まる。

ジェイラン、トウミ、ケイト、バラマー、ゼブダ、センセーション、サンダリなどの人気品種や、インド、パキスタン、エジプト、ケニア、スーダン、オーストラリア、米国などの国からの品種と掛け合わせたタイプもある。

また、サウジアラビア西部の海岸沿いの都市ウムルジには、2万4千本の果樹があり、年間1万トンの最高品質のマンゴーを生産している。

「ウルムジのマンゴーは食べてみる価値がある」をスローガンに、2021年にこの地域初のマンゴー祭りがスタートした。

ウムルジにあるムハマディヤ農園のオーナー、マルワン・アル・ユハニ氏は、マンゴーの収穫を成功させるには水やりが極めて重要であるとアラブニュースに語った。

「ここウムルジで良いマンゴーを収穫するためには、発達した散水システムが必要なのです」と同氏は語った。

アル・ユハニ氏によると、マンゴーの木は実をつけるまでに最低でも4年はかかるそうで、年数が経っているほど収穫は増えるそうだ。

同氏の農園には400本のマンゴーの木があり、木々の間を歩きながらマンゴーを摘み、その場で食べることができるため、滞在客や観光旅行客に人気がある。

北部の国境にあるサウジアラビアの愛すべきオリーブ・バスケット

肥沃な土壌と穏やかな気候を持つ北部ジャウフ地方は、サウジアラビア最大のオリーブオイルの産地となり、数百万本の果樹が植えられた広大な果樹園が広がっている。

また、ジャウフは世界最大のオリーブ農園を有し、年間1万トンもの最高級オリーブオイルを生産している。

集中的な植え付け方法を採用しているのがジャウフのオリーブの特徴で、1ヘクタールの土地に1,600本が植えられている。この地域には、1,800万本以上のオリーブの木がある。

ミリオン・ツリー・ファーム社のオーナーであるナセル・アル・ハマド氏は、アラブニュースに次のように語った。「私の農場では、より経済的で生産性の高いモデルである高密度果樹園システムに従っており、高品質な作物と味を提供し、水の節約にもなっています」

ジャウフのオリーブの木で有名なのは、アルベッキーナ、アルボサナ、コロネイキ、オリアナなど、自動収穫様式に適した木である。

アル・ハマド氏によると、10kgのオリーブから1リットルの上質なオリーブオイルが採れるという。

多くの果樹園では、灌漑用ポンプが自動化されており、従業員が1人で済むようになっている。

サカカ市では、地元農家やオリーブ作物、オリーブオイルの生産を支援するため、毎年サウジアラビア最大級のオリーブ祭を開催している。

多様な気候がさまざまな作物を育む

気候変動との世界規模の戦いを踏まえ、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は2021年、7,000億サウジアラビア・リヤル以上をグリーン経済の成長に投資する「サウジ・グリーン・イニシアチブ」を立ち上げた。

この発表により、サウジアラビアが徐々にクリーンエネルギーに頼り、環境を保護し、将来の世代にとってより良い場所となるよう導く取り組みと目標が浮き彫りとなった。

その取り組みの一環として、2030年までに4億5000万本の植林と、800万ヘクタールの荒廃した土地の復興を行う予定だ。

既に400万本のマングローブが植樹され、サウジアラビアのマングローブ林の海岸線回復に貢献している。

アル・ウラーのマスタープランには総額150億ドルが投じられ、1,000万立方メートルを超える緑地とオープン・スペースのある世界最大のオアシスが誕生する予定だ。

サウジアラビアの北西に位置するアル・ウラーのオアシスは、山々に刻まれた文字や岩の浸食といった古代遺産だけでなく、緑のオアシスや豊かな農園といった独自の自然を内包している。

「エクスペリエンス・アル・ウラー」のウェブサイトによると、このオアシスはこの地域の農業の繁栄に重要な役割を果たすことになるという。

このオアシスには、アル・ウラー砂漠で健康に育つ20万本以上の柑橘類の木が植えられている。オアシスは夏の日差しから柑橘類の木を保護する緑色の背の高い林冠のヤシの木に囲まれている。

オアシスの20km圏内では、ジャファ、バラディ、アボ・スーラ・オレンジ、トラウンジ(レモンとザボンの掛け合わせ)、クレメンタイン、マンダリン、スイートレモン、ライム、グレープフルーツ、ザボン、キンカン、シトロン、タンジェリンなど29品種の柑橘類が栽培されている。

この地域で250本の果樹を栽培しているムバラク・アル・エニージ氏は、次のように語った。「アル・ウラーの柑橘類は、その品質、味、種類の多さで他国と差別化されていますが、その理由は、土地の肥沃さ、豊富な水、ふさわしい気候によるものです」

アル・ウラーでは、柑橘類を育てる技術が何世代にもわたって受け継がれていたのだ。「柑橘類の果樹栽培のノウハウは、先祖代々受け継がれています」とアル・エニージ氏は語った。

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