• 国内に250のゲーム企業を作ることで3万9000人の雇用を創出する
• 2030年までにゲーム部門のGDPへの寄与を500億サウジリヤルに上げる

アラブニュース

リヤド：サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下は木曜日、サヴィー・ゲームズ・グループの戦略を発表した。4つのプログラムに1420億サウジリヤル（377億ドル）を投資するとしている。サウジ通信が報じた。

皇太子は、「サヴィー・ゲームズ・グループは、2030年までにサウジアラビアをゲーム・eスポーツ部門における究極のグローバル拠点にすることを目指す野心的な戦略の一環だ」と説明した。

「eスポーツ・ゲーム部門の未開発の潜在可能性を利用することで、経済を多角化し、この部門におけるイノベーションを推進し、国内でのエンターテインメント・eスポーツ競技の提供をさらに拡大する」

公的投資基金が全額出資するサヴィーの戦略は、成長を促進するために、独自の長期的投資スパンと長期資本でビデオゲーム産業とeスポーツに投資し、ゲーム産業における参加の機会を増やすとともに提携関係を強化し、ユーザー体験を向上させるものだ。

サヴィー・ゲームズ・グループ戦略の立ち上げは、最近発表された国を挙げたゲーム・eスポーツ戦略を実現・支援するものだ。サヴィーは、訓練、教育、起業の機会を提供するために、いくつかの国内外のプログラムやインフラへの投資を予定している。

また、投資や提携関係を通してサウジアラビアに外国企業を誘致し、エコシステム全体における技能提供、知識移転、能力開発に貢献することも期待されている。

さらに、国内に250のゲーム企業を作ることで3万9000人の雇用を創出し、2030年までにゲーム部門のGDPへの寄与を500億サウジリヤルに上げるとしている。

サヴィーの投資は、リターンの強化、国内でのインパクト、世界的存在感を示すこと、そして拡大という4つの主な柱に基づいて行われる。国際的なゲーム投資につながり、持続的なリターンを生み出し、バリューチェーン全体でクリエイターに可能性を与えることが期待される。

サヴィーは、サウジアラビアの人材を促進し、同国のユニークな地理的位置を利用してゲーム・eスポーツの支配的なグローバル拠点を築くことを目指している。

サヴィーは投資戦略の一環として、それぞれが特定の目的を持った4つのプログラムに1420億サウジリヤルを投資する。そのうち約500億サウジリヤルは、戦略的開発パートナーとなる大手ゲームパブリッシャーの買収・開発に充てられる。また、サヴィーのゲーム開発を支える主要企業数社の少数株主となるために700億サウジリヤル、初期段階のゲームを成長させる業界の破壊者とeスポーツ企業への分散投資に20億サウジリヤル、サヴィーのポートフォリオに価値と専門性を付加する成熟した業界のパートナーに200億サウジリヤルを投資する。

この戦略は、様々な部門やエコシステム開発に特化したサヴィーの5つの独立した子会社によって実行される。

その5つの子会社がサヴィーのeスポーツ部門であるEFGを構成する。EFGは、先頃サヴィーがESLグループとFACEITグループを買収したことを受けて設立された。EFGは既に世界の競技ゲーミングエコシステムのかなりの部分を構成しており、プレミアコンテンツの製作・放送・商業化におけるESLの強みと、業界トップクラスのオンラインプラットフォームとしてのFACEITの将来性を組み合わせている。

Nine66は、適切なインフラ、人材や参加機会、資金調達やコンサルタントの支援を提供することで、ゲームデベロッパーやスタジオが成功するためのエコシステムを構築する。また、中東の市場においてもパブリッシングサービスを提供することで、国際的なデベロッパーの地域の市場への参入を可能にする。

ゲームと競技会場の開発に特化した会社であるVOVは、スキル向上やプレイヤーのための健康的な環境の提供を目指して、全てのプレイヤーの健康とケアに配慮した一連の高品質な会場を構築する。このような取り組みは世界的に見ても最初のもので、健康的な食事や協力的な社会環境を提供し、健康的なライフスタイルを採用するようにプレイヤーを動機付ける。

VOVは5月に最初の会場をオープンした。これは、地域および世界への拡大を目指して短期間にオープンする予定の3つの会場のうちの1つだ。

VOVは、競技eスポーツ業界に参入したい若いゲーマーを訓練・指導するためのプログラムも提供する。

また、世界のオーディエンスに幅広いゲームを提供する、サウジアラビアで最初のグローバルゲームスタジオの設立も予定している。ミッドコアゲーム（ハイパーカジュアルなゲームと比較してより多くの時間投資をプレイヤーに要求するより複雑なゲーム）に特化した専門チームを結成するとともに、国内および国際市場で得られる買収機会を利用してサヴィーグループ傘下にゲームやスタジオを誘致することを目指す。

戦略にはサヴィー・ゲームズ・ファンドの設立も含まれる。これは、大手のパブリッシャーやデベロッパーに投資し、それらの拠点を国内に設立することを促進するものだ。

これらの会社が一体となって、ゲーム・eスポーツ産業のあらゆる部分において相乗効果を生み出し、デベロッパーやパブリッシャーへの的を絞った投資、技術革新への投資、コンテンツクリエイターへの出資、世界クラスのイベントや会場のコンセプトの開発などを通してこの部門を成長させていく。

アクティビジョン・ブリザードのワールドワイドスタジオの元責任者であるブライアン・ウォード氏がCEOを務めるサヴィー・ゲームズ・グループは、世界中でeスポーツやより広範なゲーム産業の長期的な成長・発展を促進するために設立されたゲーム・eスポーツ企業だ。サヴィーは、この上向きの部門におけるグローバルチャンピオンとして、長期スパンで大きな資本を展開することでゲーム・eスポーツにおけるグローバルリーダーとなることを目指している。

サヴィーによる投資は、ジェンダー、地理、手段、能力を問わず、この部門における参加と前進の機会を生み出すだろう。それは、この部門の世界的な成長を促進し、ファン、プレイヤー、デベロッパー、技術イノベーターにとってより協力的で刺激的でやりがいのある場所を作ることを意図している。それによって、この急成長するダイナミックな部門に対するより幅広く公平なアクセスが促進されるだろう。