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サウジで開かれるG20は世界規模の問題に立ち向かう

サウジアラビアのモハメド・アルジャダーン財務大臣。
サウジアラビアのモハメド・アルジャダーン財務大臣。
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24 Jan 2020 12:01:36 GMT9
24 Jan 2020 12:01:36 GMT9

フランク・カネ

  • リヤドで開かれるサミットの3つの最優先事項は、エンパワメント、環境、技術変革だと、大臣がダボスで語る

ダボス:今年後半にサウジアラビアで開催されるG20サミットは、世界が地政学的問題、気候変動問題、社会問題などの最大の課題を解決することを支援するものになると、同王国のモハメド・アルジャダーン財務大臣がダボスで開かれた世界経済フォーラムの各国代表団に語った。

「幸い、世界はより密接に繋がっています。つまりこれは、コンセンサスを通じて解決策について考えることができるということなのです」と、彼はG20を前に、王国の戦略上の最優先課題に関する特別部会で語った。

アルジャダーン大臣は、このサミットの3つの最優先事項は、エンパワメント、環境、技術変革になると語った。

「我々は、女性、若者、小規模事業者の人たちのエンパワメントを続けて行かなければなりません」と、彼は語った。

もう1つの重要な最優先事項は、「地球を守ることであり、その中心には気候変動がある」ものの、「最も野心的」なのは、「世界を形成している技術やイノベーションの新たなフロンティア」を探すことだと、彼は語った。

G20サミットはこれまでに、世界の金融システムの安定化、特に2009年の金融危機の時に大きな役割を果たしてきた。アルジャダーンは、これは議長国としてのサウジの「非常に重要な要素」になると語り、持続可能な成長、債務の脆弱性、デジタル課税の見込みを、リヤドG20サミットの金融の3つの焦点として強調した。

エネルギー相アブドゥルアジズ・ビン・サルマン王子は、サウジアラビアはG20の新しい顔ではないと話した。「我々はしばらく前から関わってきました。そしてそのことは、現代世界において不可欠な部分を担ってきた王国として認知されるに至っています」と、彼は語った。

サウジのエネルギー産業(サウジ・アラムコは世界最大の石油企業)は、世界経済の重要な役割を担い、そのため、G20では欠くことのできない参加国となっていると、彼は語った。「石油市場において過剰生産能力を有する国は世界で1ヶ国しかなく、これは我々が戦争や紛争、災害で直面する問題を緩和するのに利用されているのです」。

ダボスの各国代表団は、サウジアラビアの女性には、近年の全国の雇用における前進を受けて、労働環境における男性とのジェンダーの平等性が確保されているという話にも、耳を傾けた。

イマン・アル・ムタイリ商業・投資省政務次官は、王国は最新の世界銀行の雇用調査で最も成績が良く、ジェンダー平等性は世界の平均的な水準に達していると語った。「我々には現在、ジェンダーの平等性が確保されています。女性は建築業者にも、溶接工にも消防士にもなれますし、その他の様々な職業に就くことができます。我々はインクルーシブネスに真剣に取り組んでいます」と彼女は語った。

アル・ムタイリ次官は、世界経済フォーラムの特別部会で、王国の戦略上の最優先事項について語った。

サウジアラビアが行った進歩は、アラブ世界やイスラム世界に対して、サウジアラビアの現代化計画についての強いメッセージを送ったものの、まだまだ多くのことが達成されないままだと、彼女は語った。「我々は、特に金融、人工知能、その他のSTEM教育の分野で、女性のスキルアップを続けなければなりません」。

「サウジアラビアは今すぐ行動しなければならず、この『いいウイルス』を我々の周辺国にも広げなければなりません」と、彼女は付け加えた。

その他のサウジのトップレベルの有識者らも、G20の議題の要素としてのインクルージョンの重要性に関する彼女の発言内容を補うものとなった。王国のモハマド・アル・トゥワイジリ経済大臣は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に向かって進むことも、大きな優先事項になると語った。「17のSDGの全てをG20の議題として取り扱っています。我々は、行動を起こすために集まり、実行力を持ちたいと考えています」と彼は語った。

とはいえ、彼は世界が2030年の目標日までにSDGの全てを達成できるかどうかについては、確信を持っていなかった。「我々は2030年までに多くのことを達成するでしょうが、その他の世界の機関がSDG目標の政策決定や財務的側面にどのように対処するのかに大きくかかっています」と、彼は語った。

王国のアブドゥッラー・アル・スワハ通信情報技術担当大臣は、G20議長国の最大の課題は、新たな技術に関するものだと語った。

「人工知能と新たな技術を人間の利益のために行動させるようにするにはどうすればいいのか」と、彼は問いかけ、デジタル世界には雇用を生み出す大きな潜在性があると付け加えた。

デジタル世界も「社会を均質化させるものですが、アナログ世界も二極化しています。従って、デジタル世界と一体になる必要があります」。

アル・スワハ大臣は、現代技術におけるサイバー・レジリエンスの必要性も強調した。「数年以内に、量子コンピュータが現在導入されている暗号メカニズムの大部分を解読できるようになるでしょう」と、彼は語った。

アブドゥルアジズ王子は、環境が引き続きサウジのエネルギー産業にとって一番の優先課題であると語った。「我々は世界にエネルギーを供給しなければならず、今でも気候変動問題に取り組んでいます。G20の良い議長国になるためには、これらの問題に関するアイデアや提言を出さなければなりません」。

G20は、有害物質の排出削減と二酸化炭素回収技術の可能性の活用におけるエネルギー業界の役割について強調することになるだろうと、彼は付け加えた。また、Neomの巨大プロジェクトや、これが再生可能エネルギーや水素燃料に重点を置いていること、気候に優しい燃料の開発なども紹介することになる。

アルジャダーンは、G20の成功は、既存の政策的取り組みや、王国で開発中の先進的な新しいコンセプトをどれだけ実施できるか、また、観光客やビジネス旅行者の目的地としてどれだけサウジアラビアを紹介できるかによって判断されることになると語った。

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