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ファイサル王子:サウジアラビアとイランの合意は、対話を通じた紛争解決を目指す共通姿勢を示すもの

サウジアラビアの外務大臣ファイサル王子。(ファイル/AFP)
サウジアラビアの外務大臣ファイサル王子。(ファイル/AFP)
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14 Mar 2023 01:03:49 GMT9
14 Mar 2023 01:03:49 GMT9

アッシャルク・アルアウサト

サウジ外相のファイサル・ビン・ファルハーン・ビン・アブドラ王子は、サウジ・イラン間の外交関係正常化の合意は、「コミュニケーションと対話を通じて紛争を解決する」という両国共通の姿勢を明確に示すものであると述べた。

しかし一方では、「両国間で進行中の紛争すべてを解決するという合意に至ったわけではない」とも付け加えた。

リヤドとテヘランは、3月10日(金)北京で、2016年以来断絶されていた国交を回復することに合意した。また、2ヶ月以内の大使館の再開も合意された。

中国の仲介による合意が成立した後の初の会見で、ファイサル王子は、近日中にイラン側と、今回の合意を基に対話を進めていきたいと見解を示した。

王子は、「2か月以内に外交関係を正常化する準備をしており、当然、相互間で訪問しあうことになる」と述べた。

王子は、直近のキエフおよびモスクワへの訪問や、ウクライナ・ロシア間の戦争終結に向けたサウジの調停についての談合に触れ、王国には「危機と戦いを終わらせ、命を救うための政治的解決に到達するために努力し、両国と協力していく準備がある」と強調した。

サウジアラビアとイランが、外交関係の正常化および2ヶ月以内の大使館再開に合意した。このような合意において、サウジアラビアにはどのような直接的利害関係があるのか。これは、政治的および経済的な意味で、また地域の複雑な問題において、地域を新たな局面に導くものになるのか。

外交関係は、国家間の関係性の中核になるものだ。サウジアラビアとイランという、隣接した規模の大きい2国にとって、これは更に重要なことだ。両国は、宗教的、歴史的、文化的なつながりを共有している。

過去2年間におけるイラクおよびオマーンでの度重なる協議を経て、中国の仲介と調停の下に、合意は達成された。

サウジアラビアは、地域および国際的な安全と安定を強化するという責任感から自ら選択した緩和の道を進んでいる。

外交関係の正常化には合意したが、両国間のすべての紛争が解決したわけではない。むしろ、コミュニケーションと対話、そして平和的かつ外交的な手段を通じて紛争解決を目指すという、我々の共通姿勢を示すものだ。

我々は王国において、イランとの新たな時代の幕を開き、安全と安定を強固にし、両国のみならず地域全体の発展と繁栄を推進する協力関係を強化することを望んでいる。

イラン外相と会談して協定を発動し、大使の訪問の交換を行うのはいつか。近日中にテヘランに向かうのか。

近いうちにイラン外相に会い、この合意をさらに発展させたい。今後2ヶ月以内に外交関係を正常化する準備をする。訪問の交換は当然のことだ。

リヤドとテヘランは共同声明で、「他国の情勢への不干渉とその主権の尊重」を強調した。ワシントンは、イランが合意を尊重するかどうかに疑念を投げかけている。この合意には他国の問題への干渉に関連する条件があるのか、そしてイランはそれを尊重すると思うか。

イランとの関係の新たな一章を開くための最も重要な要求の1つは、我々の間で締結された合意を尊重することだ。我々の国および地域が、共同の協力と調整を活性化し、覇権ではなく発展に注目することに関心を持っていることは明らかだ。 

そのようなアプローチは、我々の国民と次の世代が持つ、安全で安定し繁栄した、より良い未来への志と希望を実現させるものだ。我々の希望と目標をイランの人々も共有していることを願っている。そして、彼らと協力してそれらを達成するのを心待ちにしている。

イランはこれまでかなりの期間、核開発交渉の決裂や、相次いで難局を引き起こす内政問題、そして経済の低迷など、さまざまな危機に直面してきた。一部には、特に西側では、この新しい合意はイラン政権にとっての命綱になるかもしれないという意見がある。それについてどう思うか。

その質問で提起された内容のほとんどはイランの内政に関連するものなので、回答は控える。 私が言えるのは、イランは隣国であり、その安定と発展は、地域の利益と発展にもつながるということだ。我々サウジアラビアは、それがうまくいくことを願うばかりだ。

イランの核能力の継続的な開発に関してだが、これは間違いなく懸念材料だ。我々は、湾岸地域と中東に対して、大量破壊兵器の廃絶を繰り返し求めてきた。イランに対しても、核に関する誓約を尊重し、国際原子力機関との協力を強化するよう呼びかける。同盟国や友好国と協力して、それを確実なものにしていく。

通常、中国は、地域の危機を解決するためのイニシアチブに外交的な影響力を行使する国ではない。なぜ他の国ではなく、中国が仲介したのか。

共同声明で述べられたように、中国の習近平国家主席が提案したイニシアチブをサウジアラビアは歓迎した。2年間イランと行ってきた交渉の延長として、中国と協力した。中国がサウジアラビアおよびイランと良好な関係を持っていることは周知の事実であり、それが和解の達成を助け、王国が当然持つ懸念を強調してきた。

中国の協定仲介によって、我々の地域の共存と安全、そして国家間の良好な隣人関係が強化されることを願っている。三国は共通して、経済発展と人々の繁栄を達成する地域的および国際的パートナーシップの構築と発展に取り組むために、平和、安全、安定を特徴とする地域環境を整えることに関心を持っている。

あなたはモスクワで、ウクライナ紛争終結に向けたイニシアチブを提案した。 それに関する外交的努力について、もう少し明確な話をしてもらえるか。特に、なぜサウジが戦争当事者を受け入れる役割を担うのか。このイニシアチブにおいて進歩はあるのか、またその成功については楽観的か

我々は危機と戦いを終わらせ、命を救うための政治的解決に到達するために努力し、両国と協力していく準備がある。今までも、そして今でも。

皇太子兼首相であるムハンマド・ビン・サルマン王子の努力により、両国間の捕虜交換が行われた。王国は、戦争でもたらされた差し迫った人道的ニーズに応えることに重点を置いてきた。ウクライナにおける我々の人道的対応は、この活動を裏付けるものだ。

今の状況では、両国と欧州の安全を損ない国際協力を弱体化させている危険なエスカレーションを止めることが、両国および国際社会に求められている。

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