
アラブニュース
ジェッダ:一時的に小康状態を保っていたが、軍と準軍事組織との戦闘は2週目に入り、スーダンからの民間人の避難が初めて発表され、23日、さまざまな国の国民150人以上が安全なサウジアラビアに到着した。
スーダンの主要空港は閉鎖されたままだが、諸外国はさらに数千人の国民が避難する可能性があるため準備していると述べている。
王国の海軍が外交官や国際公務員を含む民間人をポートスーダンから紅海を渡ってジェッダに運ぶ中、スーダンの首都ハルツームでは、イード・アル・フィトルの初日である22日に、一時的に停戦し銃撃戦がしばらくの間収まったものの戦闘が再び始まった。
戦闘により数百人が死亡、数千人が負傷し、生存者は電力や食料の不足に耐えている。
サウジアラビア外務省は、クウェート、カタール、UAE、エジプト、チュニジア、パキスタン、インド、ブルガリア、バングラデシュ、フィリピン、カナダ、ブルキナファソの国民とともに、91人のサウジ国民が「無事到着」したと発表した。
また、サウジアラビア海軍が軍隊の様々な支部の支援を得て実施した避難作戦で到着した人々の中には、外交官や国際機関の職員も含まれていると付け加えた。
ジョー・バイデン米大統領は、ハルツームから米国の人員を脱出させる計画に便宜を図ったサウジ王国、ジブチ、エチオピアに感謝した。
「作戦の成功に不可欠だったジブチ、エチオピア、サウジアラビアに感謝する」と23日の声明で述べ、「妨げのない人道的アクセスを可能にし、スーダンの人々の意思を尊重する」ための停戦を呼びかけた。
サウジアラビア外務省は声明でこう述べた。「王国は、外国人が自国へ出発する準備として、すべての基本的なニーズを提供するよう努めた」
「スーダンからの最初の避難船が、50人の(サウジ)国民と多数の友好国の国民を乗せて到着した」と、公式テレビ「アル・エクバリヤ」が伝えた。
最初の船は紅海沿岸のジェッダ港に停泊し、後続で11カ国の108人を乗せた他の4隻の船がスーダンから到着する予定だと同放送局は伝えた。
アル・エクバリヤは、ジェッダの港に到着した大型船の映像を流した。また、サウジアラビアの国旗を持った女性や子どもたちが船の1つに乗っている様子を映した映像も公開された。
サウジ国営テレビによると、ジェッダに到着した人々の中には、4月15日の戦闘開始時にハルツームからの離陸準備中に銃撃を受けたサウジの旅客機の乗組員も含まれているとのことである。
サウジアラビアの同放送局によると、輸送車列が避難民をポートスーダンに運び、そこから避難民はジェッダ行きの船に乗ったという。
サウジアラビアのワリード・アル・クレイジ外務副大臣は、本日ジェッダの西部艦隊キング・ファイサル海軍基地に到着した、「陛下の船、キング・ジュベイル」に乗船した第一陣の市民および外国人を迎えた。
スーダンから救出してくれた船からジェッダで降りるサウジ国民などを、チョコレートや花で歓迎するサウジ治安部隊。(SPA)
ハルツームを出発し、スーダンの多くの地域を通過してポートスーダンに到着するまでは長い旅であり、王国の政府機関と協力して行われたと述べ、計画を実行した国防省の役割を賞賛した。
「私たちは皆、私たちの息子と兄弟国・友好国の息子たちがサウジアラビア王国に帰還したことを祝っており、イード・アル・フィトルのお祝いと重なった」と述べた。
避難した人々は、サウジアラビア政府と王国の関係当局が、輸送手段を確保し、王国への到着手続きを容易にするために尽力してくれたことに感謝とお礼を述べた。
23日早くに、サウジ外務省が、イード休戦にもかかわらず衝突が激化しているスーダンから、自国民と他の「兄弟・友好国」の国民数名を避難させる手配を開始すると発表した。
サウジアラビア外務省は声明の中で、避難民はサウジアラビアに空輸される予定であると述べた。
The Ministry of Foreign Affairs announces the start of the arrangement for the evacuation of Saudi citizens and several nationals of brotherly and friendly countries from the Republic of Sudan to the Kingdom. pic.twitter.com/x7gnAruGVQ
— Foreign Ministry 🇸🇦 (@KSAmofaEN) April 22, 2023
この決定は、サウジアラビアのサルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子の「スーダン共和国にいる王国の市民のケアと福祉を監督するための指令の実施」に伴うものだと外務省は述べている。
クウェートのシェイク・サレム・アブドゥラ・アル・ジャベール・アル・サバ外相は、同国がスーダンに取り残されたクウェート国民を避難させるための緊急作戦を実施したことを明らかにした。
シェイク・サレム氏は、帰国を希望するすべての国民が無事にジェッダに到着したことを確認し、現在、クウェートへの移送を確保するための作業が進行中であると述べた。
同大臣は、駐スーダン・クウェート大使のファハド・マシャリ・アル・ダフィリ博士と在ハルツーム大使館の全メンバーの努力を賞賛するとともに、国民のジェッダへの移送と避難のためにあらゆる便宜を調整・提供したサウジ当局にも心からの感謝とお礼を述べた。
また、スーダン当局をはじめ、クウェート市民の安全を確保し、家族との連絡を可能にし安全な帰国を確実にすることに貢献したすべての人に感謝の意を表した。
23日の避難は、4月15日にスーダンで暴力が発生して以来、初の大規模な民間人救出となった。
今年のスーダンのイードは、恐怖、悲しみ、飢えがはびこっている。イードは「お菓子やペストリー、幸せな子供たち、親戚に挨拶する人々」とともに過ごすものだと、ハルツーム在住のサミ・アル・ヌールさんは述べた。その代わりに、「銃声と血の悪臭が辺りに広がって」いる。
スーダン軍は、主要空港を含む首都で戦闘が続く中、米国、英国、中国、フランスの外交官を軍用機で国外に避難させる活動を調整していると述べた。
軍によると、陸軍のアブデル・ファタフ・バーハン参謀長が、国民や外交官をスーダンから安全に避難させるよう要請している各国の首脳と話をしたという。
スーダン軍と敵対する強力な準軍事組織との衝突が、住宅地を含むハルツームやその周辺で激化しているため、外国は自国民の送還という、あまりにも危険と思われる作業に奮闘しているが、無駄に終わっている。
首都の中心部に近い主要な国際空港は、準軍事組織「即応支援部隊」がその支配権を握ろうとしているため、激しい砲撃を受けており、避難計画を複雑にしている。スーダンの空域は閉ざされているため、外国は自国民に対し、避難計画を立てるまでその場に身を隠すよう命じている。
(AFPおよびAP)