
Rashid Hassan
リヤド:サウジアラビア運輸省は木曜日、世界最長となるハイパーループ軌道の建設を目的とした、画期的な研究を実施すると発表した。
この分野で第一線にあるバージン・ハイパーループ・ワンと契約を結び、ハイパーループ技術の利用に関する画期的な予備調査の実施と、サウジアラビアを横断する路線ネットワークの基礎構築を目指す。
世界で初めてとなるこの研究は、実現可能なルート、需要の見込み、予想コストを調査し、雇用創出や環境への影響といった社会経済的影響を検討する。
Khaled Al-Romaih氏とともに契約書にサインをしたバージン・ハイパーループ・ワンの中東担当常務(運輸省の企画・情報担当副大臣) のHarj Dhaliwal氏は次のように語っている。「これは最初の一歩であり、これからしっかりしとた基盤を作っていきたいと思います。今回の運輸省との合意は、「つながるサウジアラビア」と「つながる湾岸地域」というビジョンの実現に一歩近づくものです。
私たちにはこれからのサウジアラビアに関する構想があります。それは、サウジアラビアと湾岸地域をつなぐこと。リヤドからジッダまで46分、ジッダからネオムまで40分、リヤドからダンマームとジュベールまで28分、さらに国境を越えて、リヤドからアブダビまで48分で結びます。
これは未来の交通システムになるだけではなく、バックグラウンドとなるエコシステムを作り出す事業でもあります。そのための知識を共有し発展させるために必要な科学技術を、サウジアラビアにもたらすことが私たちの仕事なのです。昨年10月にキングアブドラ・エコノミックシティーと製造技術を導入する方法について協定を結びました。これにともなう雇用創出はおよそ124,000人になる見込みです」
サウジアラビアのSaleh Al-Jasser交通相は、「ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、ビジョン2030の中で、サウジアラビア経済の将来像における、交通の役割について概説しています。これからの10年を迎えるにあたり、人とモノの効率的な移動を可能にする将来のモビリティのあり方を明確にするために必要な、インフラの構築を迅速に進めていくつもりです。ハイパーループの革新的な技術によって、国民と経済にかつてないメリットを受けられるだけでなく、この地域が繁栄の時代へと導かれていくことになるでしょう」
バージン・ハイパーループ・ワンのスルタン・ビン・スレイヤム会長は、サウジ経済の発展と変革においてテクノロジーは中心的な役割を果たすことになるでしょう、と言葉を添えている。
バージン・ハイパーループ・ワンのCEOであるジェイ・ウォルダー氏は次のように語っている。「直接排出量をゼロにして、乗客と貨物をかつてないスピードでつなぐ経済的可能性は、とほうもないものです。このシステムは、短距離航空便と比べて最大10倍、高速列車と比べて50%もエネルギー効率が良いのです。それというのも、チューブを覆うソーラーパネルだけでこの地域のハイパーループに必要な電力がまかなえる可能性があるからです。この技術は太陽光があふれるほどあるサウジアラビアにとっては実に魅力的なものです」