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サウジ皇太子がエリゼ宮殿に到着、フランスのマクロン大統領と会談

サウジアラビア皇太子の今回の訪問は、皇太子が昨年7月に行った前回のパリ訪問よりも長く、会談の議題はより多岐にわたるものになると予想されている。(ロイター)
サウジアラビア皇太子の今回の訪問は、皇太子が昨年7月に行った前回のパリ訪問よりも長く、会談の議題はより多岐にわたるものになると予想されている。(ロイター)
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16 Jun 2023 11:06:04 GMT9
16 Jun 2023 11:06:04 GMT9
  • 両首脳が二国間関係について議論する機会を提供するための昼食会議
  • 皇太子の訪問は、博覧会国際事務局の会合や新しいグローバル金融協定を議論するためのサミットなど他のイベントと重なる

アーレット・コーリ

パリ:サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下は、16日にパリのエリゼ宮殿に到着し、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と1対1で会談した。

今回の訪問は、皇太子が昨年7月に行った前回のパリ訪問よりも長く、会談の議題はより多岐にわたるものになると予想されている。両首脳は二国間関係や、共通する関心事である多くの問題の最新動向について議論する機会を得る。

さらに、皇太子の今回の訪問は、博覧会国際事務局の会合や新しいグローバル金融協定を議論するサミットをはじめとする、他のいくつかのイベントと重なる。

またこの訪問は、フランスの注目も集めた最近のサウジアラビアとイランの外交再開の発表に続くものである。仏大統領府は「今回のイランとの外交正常化はこの地域の緊張を緩和する可能性があり、それを検証しなければならない」と述べた。

フランス側の見解では、「問題はイランとの関係正常化というよりは、イランとサウジアラビアがこれまで対立してきた特定の問題において両国が共にこの正常化を実現できるかを示すものだ」

したがってこの会議は、この正常化がフランスとサウジアラビアが共通に関心を持つ主な問題、特にレバノン、シリア、イラクの情勢、およびイラン核合意に関する現在進行中の動向に及ぼし得る影響を検討する機会を提供する。

フランス大統領府はレバノンに関して、「ヒズボラの支配やイランの影響力のためにこの国が失われたとサウジの人々が繰り返し口にするのを聞いた」と述べ、フランスは「レバノンの大統領選挙のための有利な条件を作り出す話合いにおいて、この点を明確にしたいと考えており、サウジアラビアがどちらの側にもつかずイランに関与できるようにしたい」と述べた。

政治プロセスが行き詰まり、深刻な金融危機に陥っているレバノンでは、ミシェル・アウン氏の任期が終了した昨年10月以来、大統領職の空位が続いている。

仏大統領府は、「サウジアラビアもフランスも、レバノン人の代わりに何かをするとは考えていない」と述べ、代わりにレバノンにおける「安定と安全を促進することが必要だという共通の認識がある」と強調した。

シリア情勢について、マクロン大統領は「具体的な内容は不明だが、サウジからの多くの要求をバッシャール・アサド大統領に飲ませる方法を皇太子から聞きたいと思うだろう」と仏大統領府は述べた。

イランの核開発計画も議論される予定であり、「イランの脅威の程をどう認識しているか、外交関係の回復に何を期待しているか、そしてこの問題でイランにどう対処するつもりかについて、皇太子の評価を聞くことが重要になる」

中東地域外では、議題がたくさんあるにもかかわらず、ウクライナ戦争は見過ごされないだろう。仏大統領府はこの問題に関して、「ウクライナ戦争が世界規模の影響がある紛争であり中東を含む世界中に波及するリスクがあるという事実を十分に考慮するよう我々のすべてのパートナーに要請したが、サウジアラビアに対する具体的な要請はない」と述べた。

またこう付け加えた:「すべてのパートナーに対してと同様に、サウジアラビアに求めるのは、戦争の終結を加速するよう支援することだ」。これはフランスの観点からは、ウクライナが戦地で勝利し、それを同国の安全保障と主権回復を目的としたロシアとの和平交渉につなげることを意味するだろう。

より広い意味でとらえると、皇太子の要請に応じて実現したこの訪問が「完全に特定された分野で、サウジアラビアとのパートナーシップに必要な二国間協力の目標を定義することを目指している」と仏大統領府は指摘した。

それらの分野には、安全保障と防衛、エネルギー移行、特にエネルギーに関するサウジの高い野心的計画に関連する問題が含まれる。

2030年国際博覧会のサウジアラビア誘致について、来年秋まで開催地は決定しないとはいえ、フランスはすでに支持を表明している。フランス主催で6月22~23日に開催される予定のサミットに皇太子が出席し、新しいグローバル金融協定の議論に参加するかどうかはまだ分からない。

仏大統領府によると、マクロン大統領は今回の会合で、「南半球の貧困削減のニーズに対処し、可能な限り公正なグリーン移行を実現するために必要な資金を生み出す」ための、意欲のある国々から成る広範な連合の結成を目指している。

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