
ジェッダ:ここ数年間で最大規模となる見通しのハッジが開幕した。25日、百万人以上の巡礼者がメッカのグランドモスクに到着し、タワフ·アル·クダム(到着のタワフ)を行った。
このタワフは、巡礼者がイフラーム(巡礼のために身を整えた神聖な状態)になってから行う最初のタワフ(カーバを一周すること)である。また、イスラム教の精神的中心地であり、ハッジ巡礼の中心地であるメッカに巡礼者が到着したという区切りをつける行為でもある。
25日夜、巡礼者たちは、預言者ムハンマドが最後の説教を行ったとされるアラファト山でのハッジのクライマックスに先立ち、ミナへの移動を開始する。ミナはメッカの東約5キロに位置し、世界最大のテント村として有名である。
「タルウィヤの日」としても知られるドゥル·ヒジャの8日目、巡礼者たちはミナへの旅に出発し、丸一昼夜をアラファト山で待ち受ける深い精神体験に向けて心身ともに準備を整えるために過ごす。
9日目には、巡礼者たちはハッジ巡礼のクライマックスを迎えるアラファト山に集結する。この神聖な場所で、彼らはアッラーに赦しと慈悲を求めるドゥア(祈り)を捧げる。
さらに、アラファト山にいる間、巡礼者たちはナミラ·モスクで午後の礼拝を行い、アッラーとの結びつきを強め、世界中から集まった何百万人もの巡礼者を結びつける集団礼拝に参加する。
同日の夜、巡礼者はアラファトとミナの間に位置する要所、ムズダリファへの移動を開始する。巡礼者たちはムズダリファで一夜を明かし、ミナのジャマラート橋で悪魔に見立てた石柱を石打ちする儀式に使う小石を集める。
集めた小石をジャマラート·アル·アカバに投げた後、巡礼者はグランドモスクに向かい、タワフ·アル·イファダを行う。この儀式は、ドゥル·ヒジャの10日目から12日目の間であればいつでも行うことができる。
儀式が終わると、巡礼者はイフラームの規則に縛られることはなくなり、許容されるあらゆる活動を自由に行うことができる。ただし、ハッジの残りの儀式を続けるためにはミナに戻らなければならないことに注意が必要である。
ドゥル·ヒジャの11日目から13日目に当たるタシュリーク(Tashreeq)の日には、巡礼者はミナに留まり、さらに「ラミ」と呼ばれる2つの儀式に参加することが不可欠である。ドゥル·ヒジャの11日目の午後、巡礼者は21個の小石を集め、3つのジャマラートの石柱に投げる。投石ははじめにジャマラート·アル·ウラに向けて行われ、続けて、ジャマラート·アル·ウスタ、ジャマラート·アル·アカバの順に行われる。
さらに、メッカを出発する前に、巡礼者は「別れのタワフ」としても知られるタワフ·アル·ウィーダを行うことが義務付けられている。この儀式はハッジ巡礼において重要な意味を持ち、すべての巡礼者に義務付けられている。
今年のハッジの巡礼者数は、コロナ禍前の2019年以来最多となる見通しだ。
2019年には約250万人がハッジに参加し、かなりの人出となった。しかし、新型コロナの世界的な流行により、2020年にはわずか1万人しか巡礼に参加することができなかった。2021年には59,000人近くまで参加者が増えた。
サウジアラビアの統計総局によると、2022年の巡礼者数はサウジアラビア国外からが779,919人、国内からが119,434人の合計899,353人であった。これは、パンデミック以前の数字を依然として大幅に下回るものであった。
しかし、ハッジ·ユムラ省は、今年のハッジは、王国内からの20万人を含む、驚異的な200万人の巡礼者を迎えると発表した。この参加者数の顕著な増加は、徐々に平常に戻り、より多くの個人にとってハッジ体験が再開されることを示している。